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職場のお客さんと結婚した優さん(仮名)39歳の場合 vo.2 〜恋愛の始め方

2018年09月17日 21:00

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 出会った翌日に同伴デート

出会いの宝庫である夜のクラブに勤めながら、6年も彼氏がいなかったホステスの優さん。旦那となる幸喜さんの来店は不意打ちだった。お互いが好きだったサッカーの話をしている時のフィット感は友だちのように心地良く、また見た目は高身長で好みど真ん中の顔。でも出張で博多に来ていた幸喜さんは、再来店の可能性は低い。ふだん客に媚びない優さんが、珍しく連絡先を教えた。

すると、2日後に東京に帰るというので、「明日、出勤前に食事しよう」と誘ってくれた。つまり同伴だ。もちろん即答でOKし、天神の居酒屋で会う約束をした。初めて出会ってから丸1日も経っていない中、普段着でお客さんと会うなんて今までなかったこと。待ち合わせが居酒屋だったこともあり、いつも通りのジーンズ姿にダウンコートを羽織って向かい、幸喜さんは仕事終わりだったこともありスーツで現れた。ドレス姿でない優さんのギャップに驚くこともなく、さりげなくエスコートしてくれる彼は、優しく、ノリもいい。印象MAXだと、ここから引き算になってくるのがいつものパターン。“気軽に食事を楽しむつもりで”と、高ぶる期待を押し殺しながら、席に着いた。



結婚前提で付き合いたい。

彼は41歳でバツイチだと教えてくれた。この年齢だと、さすがにバツイチは気にならない。優さんが特段驚かないでいると、幸喜さんも拍子ぬけしたようで、そのまま離婚した時の話から、休日の過ごし方についてなど、プライベートをいろいろ話してくれた。いつの間にか優さんも、以前婚約していた男性がいたこと、チヤホヤしてくれる男友だちがいること、お見合いをしたことがあること、それまでの男性遍歴から仕事、喫茶店を開く夢、また中洲のホステスでありながら全身ニベアでケアしているなんてことまでを洗いざらい話していたという。

それほど彼との時間は心地よく、話すほど「結婚したい!」「この人の子なら産みたい!」という初めての感情が沸き起こってきたというから不思議だ。39歳で味わった細胞レベルの勘。そろそろお店に向かわなきゃいけないタイミングとなった時、彼から自然な感じで「つきあわない?」と告げられた。まだ会って1日目の出来事。でもこの数時間、互いを知る儀式には十分な内容だった。
ただ、優さんはまだ彼に話していないことがあったのだ。入店時で30歳、現在は32歳の設定だ。素直に39歳という実年齢を告げ、7歳の詐称を詫びると、彼はびっくりすることもなく、「で?答えは?」と、幸喜さん。洗いざらいを話し、彼に開放感と安心感を抱いていた優さんは、「結婚するなら付き合ってもいいよ?」と、イタズラっぽく返してみた。すると「じゃあ、付き合おう」との返答。その一切迷うことのない決断が、またキュンと胸を熱くさせた。


話が早い大人の恋愛。

振り返ると、理屈よりも勘だったという優さん。何人も男性を相手にしてきた仕事が生かされたのかもしれないが、「この人と合う」という根拠のない自信があったという。一方、そんなホステスを相手にする幸喜さんは、少し違ったようだ。そのまま店へ移動した後、幸喜さんは我に返ったように、「中洲のホステスの言うことは信用できない…」と不安を言い始めた。優さんは、すぐさま携帯を持ってきて、彼の目の前で東京行きのエアチケットを手配したという。真剣さが伝わるその行動力に、今度は幸喜さんが熱くなった。

相手とのフィーリングを察知する感度、ことを進めるスピード、行動力。いろんな経験をしてきた大人の恋愛は、つまり“話が早い”。相手につまらない幻想を抱かず、余計な体力を消耗する駆け引きはごめん。シンプルに合うか合わないかを確認し、かつそこに使う時間も早い。

こうして2人は、翌週には東京で再会することになった。次週は、バツイチ男性とのアラフォーの結婚式をレポートします。

 

“感じがいい”独身アラフォー カナエさん(仮名)38歳の場合

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【イラスト】
諫山直矢/福岡在住のイラストレーター。自治体や企業の広告や販促物、また店舗やオフィスの壁画を担当するなど幅広い分野で活躍中。大人の強さと色気をまとった女性をモチーフとしたオリジナル作品制作にも力を入れる。

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