ひと

職場のお客さんと結婚した優さん(仮名)39歳の場合 vo.1〜スピード婚相手との出会い

2018年09月09日 21:00 by 千葉ユウ

容姿に恵まれた39歳の優さん。6年前に婚約を解消して以降、その美貌からちやほやしてくれる男友だちの存在に満たされながら、彼氏がいない時間を長く過ごしてきた。今はモテるが、このまま売り手市場が続くわけじゃないとふと思った時、無性にこれまで無関心だった「結婚したい!」という気持ちが沸き起こったそう。世間的にはだいぶ遅い気づきとなったが、その矢先、今の旦那となる幸喜さんが現れた。今年2月に出会い、6月には結婚式を挙げ、引越し。これが「運命」というものなのか。

 

今どきのホステス

現在は専業主婦の優さんだが、結婚直前まで中洲のクラブに勤めていた。非正規社員の賃金が安い福岡では、OLと両立させている人も多いのだが、優さんはクラブ1本の生活。ドレス映えするプロポーションを持ち合わせているが、普段はまったくと言っていいほど水商売を匂わせる雰囲気はない。黒髪にナチュラルメイクで、服装はいたってカジュアル。依然トレンドが続くワイドデニムを、シンプルなカットソーと合わせてカッコよく着こなす。だが、夜になれば、白肌がキレイに映える華やかなドレスとヘアメイクで、艶やかな夜の蝶に変身する。そんな優さんは、20〜30代前半のホステスがメインのお店で、指名数は3位をキープしていたという。「でもね、ほかの子たちみたいに、自分からLINE IDを教えたり、誕生日にプレゼントをねだったり、いわゆる営業活動は一切しなかったの。だから、私の3位が面白くないと思う同僚たちからは嫌われちゃってた」と苦笑する。

こびない分、ついてくるお客さんは長く指名してくれるそうだ。お客さんの話をよく聞き、よく笑い、愛され方は心得ていた。一方、嫉妬する同僚たちからは、露骨に嫌な言葉を浴びさせられることも少なくはなかったが、そこは優さんのタフさが光る。「だって悪いことはしていない。堂々としていればいいのよ」。そういうかっこ良さが、優さんの凛とした印象を形成している。

職場は出会いの宝庫なハズだった

彼女がクラブで働くきっかけは、自分の店を開きたいという夢だった。得意の料理を振る舞いながら、居心地よく過ごせる小さな喫茶店をやりたかったそうだ。でも気づけば37歳、いい年齢だ。短時間で効率良く稼げて、人脈作りも期待できる。キャバクラとは違い、クラブなら下品な客は来ない。むしろ企業の役員クラスや著名人を相手にすることは、年齢を逆手にとって人生経験を活かしたトークと落ち着いた雰囲気が武器になると考えた。つまり、彼女に打ってつけの職場だったのだ。しかも入店してみると、意外とホステスの実年齢は高かったという。それでも優さんは、店から「30歳設定ね」とのお達し。7歳も若い設定で、貫き通した。 

実際、顧客は品の良い社長や、接待の延長で来店するサラリーマンが多かったという。「同年代の方も来るけど、恋愛対象になるお客さんはいなかったし、関係をもった人もいなかった」と、振り返る。OLより断然出会いが多い職場のはずなのだが、今の旦那に出会うまで自分の好みに当たることはなかったそうだ。それも2年も。美貌と出会いのチャンスを持ち合わせていながら、2年もだ。そういう現実が、福岡の実情だとつくづく思う。


旦那は職場のお客さん

2年の間、一度も手応えがないと、期待するのもバカバカしくなってくる。突如沸き起こってきた結婚願望を押し殺しながら、喫茶店を開く夢に集中しようと頭を切り替えていた頃だった。いつものように30歳設定で、初めて来店した客の席に着く。どうやら仕事の付き合いで流れてきた3人組らしく、そのうちの1人はちょっといい男風だ。硬派な顔つきで背も高く、ハキハキして喋る印象がすごくいい。でもここまでは、よくある展開。無難な話しをしていると、ヒョンなことからワールドカップの話しで盛りあがった。好きな選手を互いに言い合い、会話はさらに盛り上がる。「この人いいかも‼」、気づいたら彼が帰る頃にはすっかり異性として意識していたという。
“また会いたい”。彼は出張で来ている身だったが、好印象を抱いたのは彼も同じだったようで、福岡滞在中にまた会う約束をした。

そこから急展開を迎えることとなる2人。来週は、“つきあい始め”で将来が決まる、大人の恋愛の始め方をレポートします。


“感じがいい”独身アラフォー カナエさん(仮名)38歳の場合

vol.1を見るhttps://tenjinsite.jp/topics/topics/67590


【イラスト】
諫山直矢/福岡在住のイラストレーター。自治体や企業の広告や販促物、また店舗やオフィスの壁画を担当するなど幅広い分野で活躍中。大人の強さと色気をまとった女性をモチーフとしたオリジナル作品制作にも力を入れる。

取材・文:千葉ユウ
このライターの他の記事を読む

PAGE TOP