日々是食欲

日本の冬の料理といえばおでんでしょ

2015年12月10日 08:00 by 弓削聞平

11月はやけに暖かくて寒いのが苦手なぼくにはありがたかったが、12月に入りいよいよ本格的に寒くなってきた。こうなってくると鍋が恋しくなる。とはいっても1人や2人で外食することが多いぼくは、意外に冬になっても鍋を食べる機会に恵まれない。うちごはんが多ければ、うちでやるんだろうけど、なにせ嫌でもほとんど外食なんで。

もう一つの冬の風物詩といえばおでんだろう。こちらは1人でも食べられるので、冬になるとけっこう食べている。元々福岡はおでんの専門店というのは少ない。真っ先に名が挙がるの西中洲の老舗「安兵衛」だろう。おでんといえばひとつの鍋にいろんなタネを入れてごった煮にするというイメージの人も多いかもしれないが、こちらのおでんはさすが専門店。タネによりそれぞれ丁寧な仕込みをし、煮込むもの、注文が入ってからさっと出汁に通すだけのものなど、まさに「料理」という感じだ。ぼくがよく行くのは同じ西中洲でもだいぶ若手の「悦」。こちらも「料理」という感じのこだわりのおでんであることはもちろんだが、野菜のおでんが豊富なのが特徴だ。「野菜の盛り合わせ」でも食べようものなら、10種類近く盛られてくるので、もう他のはあまり入らなくなってしまう。だから最近は盛り合わせではなく単品で注文する。そうすると野菜以外のスパイシーつくねとか湯葉とか葛きりなどもしっかり食べられるのだ。

専門店は少ない福岡だが、その代わりに屋台がある。ほとんどの屋台はおでんを出しているのではないだろうか。店舗よりさらに寒さが浸みる屋台なだけに、席に着けばついおでんを頼むのは必然だ。また、居酒屋でも冬だけおでんを出しているところは少なくない。さらにいえばうどん屋でもおでんを出していたりもするので、専門店が少ないからといっておでんの人気が低いわけでは決してない。そうそう、もう今ではコンビニでおでんを買って帰る人も多いんでした。コンビニだけでも一体何軒あるのだろうか。もちろん家庭でもよく作られるし、そう考えるとおでんほど日本人の生活に密着した料理もなかなかないように思う。逆にどこでも食べられるがゆえに専門店としてやる人が少ないのかもしれない。でも、先にも書いたように、専門店のおでんはさすがに、素材も作り方もまったく違うので、まだ行ったことがない人はこの冬にでもぜひ行ってみてください。

さておでんで人気のネタといえばなんだろう。個人的には不動の3品は玉子、大根、厚揚げだが、これにスジが入る人、こんにゃくが入る人などいろいろだろう。しかし玉子と大根の人気は全国的にも絶大なようだ。
●参考:http://hagedounews.ldblog.jp/archives/36619490.html

そんな大根だが、一度だけ専門店で大根を注文したら「今はありません」と言われたことがある。なんでも、季節的に大根が旬ではないのでおいていないということだった。こだわりはわかる。わかるけど、大根だけは常時出して欲しいなぁ。おでんについて語りだすとだいぶ長くなる。タネの地域性なども実におもしろい。
http://iromama.com/2967.html

しかしもう紙幅が尽きてきたので、その話はまた別の機会に。今年は何回おでんを食べに行くかなぁ。


【1】西中洲「小料理 悦」のおでん。春菊、ヤングコーン、厚揚げ。
【2】春吉「久岡家」のおでんは冬限定。玉子、レンコン、こんにゃく、大根、つくね、厚揚げ。2人だったのでちゃんと2つにカットしてくれた。

取材・文:弓削聞平
このライターの他の記事を読む

PAGE TOP