日々是食欲

レベル上昇中の国産ワインをお試しあれ

2012年06月14日 08:00 by 弓削聞平

 いつの頃からか自然派ワインの店がやけに増えた。ワインバーなど専門店以外にも、本業は焼鳥やビストロだけど置いてるワインはほとんど自然派とかね。福岡の場合、それが「とどろき酒店」の尽力によるものであるのは認めざるをえない事実だ。「とどろき酒店」は博多区三筑にある酒屋で、焼酎、日本酒、ワインをベースにしており、福岡の飲食店で「自然派ワイン」を前面に出しているところの大半はここから仕入れをしている(全てではないにしても)。
 その「とどろき酒店」がもう1つ力を入れているワインが国産ワイン。その昔、日本のワインは甘ったるくて、観光客用のワインというイメージをもっている方も多かったと思うが、最近はフランスでもお馴染みの品種を自社で栽培し、実に丁寧な工程によりレベルの高いワインを造っているワイナリーが増えている。
 「国産ワイン」の風はもちろん「とどろき酒店」だけの動きによるものではなく、全国的な流れだ。雑誌「料理通信」をはじめ、日本の若き造り手たちによるワインを紹介するメディアも徐々に増えているし、東京には国産ワイン専門のワインバーも数軒存在している。
 さて、そんななか今月10日(日)、大名のワインと日本酒の店「アジート」でこぢんまりとではあったが九州産ワインのワイン会があったので出かけてみた。試飲したワインは、国内二大ワインコンテストである「Japan Wine Challenge 2011」と「Japan Wine Competition 2011」の両方で金賞を受賞して以来、なかなか手に入らない「安心院スパークリングワイン」に始まり、熊本ワイン4種と都農ワイン1種の計6種。いずれも全国的によく知られるワイナリーだ。ワイン1種につき「アジート」がワインに合わせて作ったフードも1品ずつ出てくるという趣向。熊本ワインの方もおいでになっており和気藹々とした雰囲気のなか、ワインのことをレクチャーもしてくれた。
 まだ福岡には国産ワイン専門のバーはないけれど、こうした国産ワインのワイン会は時々開かれるようになってきた。正直、やや割高であるのは否めないが、せっかくなら我らが日本のワインをもっと飲んでいただき、日本にもうまいワインがたくさんあることを知ってもらいたい。

取材・文:弓削聞平
このライターの他の記事を読む

関連するトピックスTOPICS

PAGE TOP