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“親密な高級感”に誘われて。「コンチネンタルカフェロイヤル」の「ベイクドアップル」。

2014年02月24日 21:00 by 三好剛平

皆さんには、子どもの頃に体験したことが忘れられない特別な原体験になっていることって、ありませんか。今回この記事で紹介する一品は、まさしく筆者にとっての“それ”です。

コンチネンタルカフェロイヤルのベイクドアップル_1

 


数十年前のその日、僕はピアノのお稽古を終え、そのまま母と天神へ。連れていってもらったのが当時福ビル地下にあった「コンチネンタルカフェロイヤル」。いつもよりちょっとだけおめかしした自分を、パリっとシャツ&タイを着こなした店員さんが迎えてくださり、高級感ある落ち着いたソファに掛け、頼んだのがこの「ベイクドアップル」でした。
それはもうとにかく夢みたいに贅沢な、本当に幸福な時間で、今でも僕は天神の思い出をと問われれば、迷わずこのエピソードが浮かぶくらいに忘れがたい、“天神のハレの日”の原体験です。

となぜここまで僕の思い出話に付き合っていただいたかといえば、今回の本題である「コンチネンタルカフェロイヤル」の「ベイクドアップル」という長寿メニューには、驚くほどこういう想いをお持ちの方が多いからです。

 

 

 

コンチネンタルカフェロイヤルのベイクドアップル_1

 

 

 

コンチネンタルカフェロイヤルのベイクドアップル_1

 


1962年から実に38年間ものあいだ福岡ビル地下に店舗を構えた「コンチネンタルカフェロイヤル」は、その後大丸エルガーラビル5Fへ移り、今なお多くの方々に愛され、実に3世代でお店へ通われる方もたくさんいらっしゃるのだとか。
店内は、当時から変わらない高級感ある調度品、映画音楽のような上等で落ち着いたBGM、黄金色に輝く特別な空間。しかしどこか安心感も感じられるようで、そこは在国寺店長が「天神にいらっしゃったお客様が、どうかゆっくりくつろいでいただける空間にできるようにと、意識しています」と語られる通りです。

 

 

 

コンチネンタルカフェロイヤルのベイクドアップル_1

 


さてこの記事の主役に話を戻すと、「ベイクドアップル」レシピの誕生は意外なもので、なんと当時の料理長が新たなメニューを模索するなかで、主婦のアルバイトの方とともに考案された、とのこと。その後、誕生から今までレシピは一切変わらないまま引き継がれていると言います。ロイヤルの店内空間同様「ベイクドアップル」にもどこか懐かしさや温かさが感じられるのは、こうした背景にも理由があるのかもしれません。

さてそんな「ベイクドアップル(780円)」のお姿はこちらです。

 

 

 

 

コンチネンタルカフェロイヤルのベイクドアップル_1

 


店長も「何と言っても、まずはこのかたちのインパクトでお客様が歓んで下さるのが、嬉しいですよね」と語るように、テーブルにこの、りんご丸々ひとつがサーブされたときの高揚感はたまらないものがあります。
それではさっそく頂いてみましょう!

 

 

 

 

コンチネンタルカフェロイヤルのベイクドアップル_1

 

 

 

コンチネンタルカフェロイヤルのベイクドアップル_1

 


アングレースソース(とろみの少ないカスタードソースのようなもの)がやわらかな甘みとバニラの香りを底に敷き、たっぷりラムを含んだレーズンが豊かな風味を添える。一筋の鋭さを演出するのはクルミの香りとカリッと踊る歯ごたえ。ほっくり炊きあがった主役のりんごの酸味と甘味がふわっと立ち上がるなか、それらを一段上等におめかしさせるのは、シナモンの仕事。給される直前に投入されるというアイスクリームの冷感はりんごの温もりと手を結んで、“ひんやりあたたかな”無重力空間を口の中に現出させます。
何より驚かされるのは、これらすべての感覚をひとしくその「一口」という一瞬に余すところなく表現しきって、至高の同時性を僕らの口内に立ち起こして見せることです。

もう、何てことだよ!完璧としか言いようがない。こんなの、美味しいに決まってる!

と感動している間にひとくち、またひとくちと誘われ、あっという間に完食。お皿の上に残ったアングレースソースも思わず最後の一滴まですくって頂きたくなる、本当に幸福な体験。頂いたあと、いつまでも甘美な後味&丁度良い腹持ちとを残してくれるのも、この一品の大きな魅力です。


筆者がうっとり満足していると、店長がすかさず、「実はこれもオススメなんですよ、お土産にいかがですか?」とお持たせいただいたのは、店頭ショーケースで販売されている「アップルパイ(400円)」。

 

 

 

コンチネンタルカフェロイヤルのベイクドアップル_1

 


こちらはお写真を御覧頂いてもわかるように、とにかくりんごがゴロンゴロンとみっちり詰まっています。大きさも立派で、まさしく“満足系”のアップルパイとして推したいものです。
シャクっと歯に返るりんごの歯ごたえから味わいまで、こちらはりんご自体の「爽やかさ」が立っており、シナモンの香りも鼻をくすぐります。軽めでフルーティなコーヒーとのペアリングで頂けば、きっとこれまた最高な一品です。

 

 

 

 

コンチネンタルカフェロイヤルのベイクドアップル_1

 


これを読む貴方がもし20〜30代で、「コンチネンタルカフェロイヤル」にどこか足を踏み入れづらい高級感を感じてしまっているのだとしたら、どうか安心して。ここにあるのは、ほんの少しの背伸びもやさしく迎えてくれるような“親密な高級感”。

そう、「コンチネンタルカフェロイヤル」は、今日も黄金色に輝く上等な空間で、貴方の来店を待ってくれているし、それが貴方にとって忘れ難い、特別な原体験となるであろうことを、筆者は固く約束いたします!

★★りんごをたっぷり使った極上スイーツ♪★★
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取材・文:三好剛平
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コンチネンタルカフェロイヤル

住所 福岡市中央区天神1丁目4−1 福岡天神・大丸エルガーラ /東館5F
TEL 092-762-7393
営業時間 11:00-22:00(OS21:00)
定休日 なし

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