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うどんとラーメンの派閥論争が決着!地元福岡の本音に激震!

2019年12月20日 21:00 by 深江久美子

とんこつラーメンのお膝元で、うどんと蕎麦の発祥の地といわれる福岡。自他ともにグルメだと認めている県で、グルメ目的の観光客も多い。そんな福岡で時たま繰り広げられる「うどんとラーメンの派閥論争」。ついに、ここに決着!!ラーメン王国・福岡に激震が走る結果になりました!この結果はこの御方の存在なくして福岡の麺は語れない“ヌードルライターの山田祐一郎さん”に見解を聞いてみました。
回答してくれたのは10~60代の天神サイトユーザー。



【1】うどんとラーメン、あなたはどちらが好きですか?

なんと、うどんが圧勝~~~~~っっ!!!!

うどん派の理由
・福岡は出汁文化
あっさりで、油っぽくない
・体にやさしい
やわうどんが好き
年齢とともにうどんにシフト
ラーメン派の理由
スープが奥深く、味が多彩
・とんこつは博多ならでは、全国に誇れる
歯ごたえ
替玉ができる
トッピングが自由

究極の選択では76%のユーザーがうどん派という結果に。決め手は体にやさしく、慣れ親しんだ出汁。また、コシのないやわらかい博多うどんを好むという意見も多く見られました。


【2】あなたの好きな麺のジャンルを教えてください(複数回答可)

ええっ!?パスタが健闘????
ラーメンとそばは互角で、ちゃんぽん等も含め、福岡は麺文化が染みついているといえそう。ちなみに、うどんとラーメン両方と答えた人は女性56%、男性71%と共に半数以上だった。また、バリエーション豊かなパスタが全体の2位という意外な結果に。ほかには、冷麺や酸辣湯麺、まぜそば、ダール―麺などの回答も。
 

【3】天神のあなたの好きなお店を教えてください

地元福岡の本音は意外に庶民派強しっ!

【うどん店】
ウエスト、やりうどん、いなばうどん、和助、武膳、釜喜利うどん、ごろうどん、大福うどん、うどん大学、杵屋、能古うどん、かまわん、肉肉うどん、みすず庵

●天神のうどんは名店揃い!毎日でも食べたい絶品うどん7選
https://tenjinsite.jp/topics/topics/68780
【ラーメン店】
一風堂、節ちゃん、shinshin、大砲ラーメン、英国昇龍、トマトラーメン三味、味噌蔵ふくべえ、麺処極、やまちゃん、呉朝明、北海道ラーメン、大重食堂、ラーメン海鳴

●スープまで飲み干したい!ラーメン激戦区・天神のおすすめラーメン7選
https://tenjinsite.jp/topics/topics/69743
【その他】
平和楼、マンジャーモ、新生飯店、ピエトロ、コチソバ、福新櫻、プリンス、
兼虎、ヒッコリー、やぶきん、辛麺亭、オツトー、三鼎、四川飯店

※得票順

【4】あなたの麺エピソードを教えてください!
・年越しはカニ鍋
・おばあちゃんの家がうどん屋。小さいな頃は同居していたので、うどんは私の味の原点
・牧のうどんはソウルフード
・「かすうどん」のカスは訳アリだと思っていた
・ラーメンの食べ歩きを通じて友人や知人ができた。麺を打つのも趣味に!生涯続く繋がり に感謝
・風邪をひくとうどん
・居酒屋ウエストのもつ鍋の〆は細うどんとネギ を投入。はじめて注文した時、発明したかのような気分に!
・天神にリンガーハットを!
・子どもがうどん好き。外食はうどんしか食べさせてもらえない
・毎回、帰省すると「牧のうどんスペシャル」 を注文
・週4で武膳に通い担々麺を注文




驚愕な結果となった「うどんとラーメンの派閥論争」。「福岡は出汁文化」という人がいるほど、スープは私たち福岡人にとってはなくてはならない存在だということが分かりました。その背景にあるものは一体何なのか?それでは“ヌードルライターの山田祐一郎さん”に見解を聞いてみました。


――うどん好きの理由は出汁。その背景にあるものは?

出汁に惹かれる……それは福岡っ子にとって“うどんがいわば味噌汁的なもの”なのかもしれません。豚骨らーめんも豚骨出汁で、出汁というキーワードだけで見ると、豚骨でも出汁は感じられるわけです。ですが、うどんの出汁に惹かれるということは、あの和風出汁(昆布や鰹節など)が、小さな頃から慣れ親しむ味噌汁の味(母の味)と同様なのでは?うどんの出汁に触れると、そういった福岡っ子としてのルーツが呼び起こされるのかもしれません。ラーメンも好きだけど、どちらか片方を選べと言われると、毎日でも食べられるという基準からうどんを選ぶのかもしれませんね!

――福岡の“やわうどん”ってどんなの?

コシがない(ゼロという意味)とか言われる福岡のうどんですが、茹で置きでなく、茹で立てのうどんはコシがあります。ただ、讃岐でいうコシとは性質が異なり、しなやかなコシです。元々の博多うどんの原点である茹で置きうどんは昨今、福岡でもどんどん希少になっていて、現在、福岡におけるやわらかいうどんというイメージは茹で立て麺によるやわらかさです。「かろのうろん」も茹で立て、「牧のうどん」は茹で置かない釜揚げうどんスタイル。昨今、人気を集めている「二◯加屋長介」などの稲穂系のうどんはもちもち感が出やすい糸島産の小麦をメインに使うことで、福岡っ子に好まれるやわらかさを表現しています。だから、正しく言うと“やわゴシ(腰)うどん”なんでしょうね。

――福岡で讃岐がはびこらないのは何故か?

福岡にも讃岐うどんを標榜している店があり、讃岐麺機という讃岐スタイルの手切り風の麺が仕込める製麺機を使う店があります。讃岐うどんは標榜していないけどうどんの製法は讃岐仕込みという店も結構多いんです。つまり、圧倒的に博多うどんの印象が強いということですね。讃岐の店が多いんですが、例えば大木戸さんや恵味うどんさんなど、元々讃岐がルーツでありながら、福岡っ子のニーズに合わせてうどんのコシを思い切り効かせることなく、少ししなやかに、やわらかにしているということがあります。日本を代表するご当地うどんである讃岐うどんが、ちょっと控えめになるくらい、博多っ子のやわらかめなうどん愛が強いということでしょうか。

――単刀直入に福岡はなんででやわうどん?

これはもう文化ですね。
ラーメンは固麺(茹で時間が短い)、うどんはやわ麺(茹で置きすることで提供が早い)、そういう食に「早い、安い、うまい」を求める気質が福岡にあるということでしょう。福岡っ子のDNAに刷り込まれているんだと思います。両親や祖父などが、「やわらかいうどんがうまい」って言いながら間近でうどんを食べている環境で育つと、根底には“やわらかいうどん=自分自身のルーツのうどん”という図式が、基本的に備えて生きているのかと思います。

山田 祐一郎
1978年福岡県生まれ。2012年8月、「KIJI (キジ)」を設立し、同時に、日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターという肩書きで本格的に活動を開始。飲食関連の専門誌、情報誌、ウェブマガジンなどの原稿執筆に携わる。毎日新聞での麺コラム「つるつる道をゆく」をはじめ、連載多数。著書に「うどんのはなし 福岡」「ヌードルライター 秘蔵の一杯 福岡」。麺検索アプリ「KIJI NOODLE SEARCH(キジ ヌード ル サーチ)」も運営する。「1日1麺」をモットーに、美味しい麺との出会いを求め、近年では国内のみならず海外(台湾、タイ)にも足を運んでいる。日々食した麺の記録はWEBマガジン「その一杯が食べたくて。」に掲載中。2019年9月から製麺所「山田製麺」の代表も務める。http://ii-kiji.com/

 

取材・文:深江久美子
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