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日々是食欲
飲食業界で女性オーナーやシェフが増加中
2018年02月08日 21:00 by 弓削聞平
元々料理や飲食の世界は男性社会でした。今では信じられませんが、以前はケーキやパンの職人も男性ばかりでした。しかし昨今そういう業界でさえも女性の姿を見ることは多くなりましたし、独立して自分の店をもつ人も少なくありません。いや、むしろ女性のイメージが強い職種とも言えるかもしれません。女性が店を持つのが目立ってきたのが、20年くらい前のカフェブームの頃からかもしれません。あの頃、「いつかは小さくてもいいから、自分のカフェを持ちたい」という女性たちがたくさんいましたし、メディアでもそういう企画が目白押しでした。その次は少しカジュアルなダイニングバーのような業態でしょうか。たとえば、春吉の「コチネレ」のように、食事もできてお酒もワインから日本酒までいろいろ揃っている。そんなところです。
その後、料理業界も女性が増えているのはたとえば調理師の専門学校を覗いてみてもよくわかりますし、最近は海外に修業に行く女性も増えています。正直なところ、この業界に限らず、留学などで海外に出て行くのは、女性の方が度胸があるようにすらみえます。数年前にベテランのバーテンダーにお聞きしたときも「最近(修業に)入ってくるのは女性が多いですし、独立するのも女性ばかりなんです」とおっしゃってました。現に女性がオーナーバーテンダーだったりオーナーソムリエを努める店も枚挙に暇がありません。
ぼくが最近ちょくちょく顔を出す女性店主の店を思い出してみましょう。白金の「ビストロフィグ」、赤坂の小料理屋「町屋あかりや」、ワインバーの「ラタフィア」。「ラタフィア」の吉村さんは大会での受賞歴もある実力者ですし、中洲の「バー・セベク」の大津さんも、同様に多数の受賞歴をもつ方です。挙げているときりがありませんが、とにかく飲食業界に女性の姿が普通に見られるようになってきているのは間違いありません。とはいえ、そんななか寿司やラーメンをはじめとした麺類の専門店にはまだまだ女性は少なく、独立して自分の店をもったという人は滅多にみかけません(家業の代替わりは別)。しかしきっとそれらの世界に女性が進出するのもそう先の話ではないでしょう。料理に男も女もないのですから。
取材・文:弓削聞平
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