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“感じがいい”独身アラフォー カナエさん(仮名)38歳の場合 vo.3〜サシ飲みまでにすべきこと。

2018年08月26日 21:00


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店のセッティングは、女性がするべき!?

「絶対大輝さんには言いたくないけど、自分から好きになったのは小学生ぶりかも(笑)」と、カナエさん。滅多に現れない“好きな人”を逃してはならぬと、後日、慎重にLINEの文面を吟味しながら飲みに誘った。相手にも断りやすい余地を残しながら、「来週か再来週あたり、サカナクション会開きません?」と送信。大輝さんも気軽にOKの返事をくれ、サシ飲みはあっという間に実現することになった。

  約束までの1週間はやることが多い。一番のミッションは店選びだ。「相手に任せる選択肢もあるけど、30代からは少しでも相手に負担をかけないよう、リードしてあげるのもマナーだと思う」と、カナエさん。話題のスポットか、美食系か、はたまた焼き鳥タイプか。2人連れはカウンター席に通される店もあるし、テーブル席でも向かい合う時の距離感、肌写りがいい照明だって気になってくるのが、38歳だ。それに、いつそういう流れになってもいいようダイエットしたり、コラーゲンを摂ったり、あと白髪を全滅させるために美容室にも行かなくちゃいけない。自分磨きに忙しくなるが、それも楽しくて仕方がない。

好きな気持ちは、確信へ。

 カナエさんが選んだ店は、薬院の「ピッツェリア・ダ・ガエターノ」。質、感度、雰囲気、価格帯、すべてでバランスが良く、現れた大輝さんもお気に入りの店だったようだ。やっぱり彼もイイ感じだ。彼のウィットに富んだ話に夢中になった。知識人で気配りもでき、またくだらない冗談でたくさん笑いあった。好みは音楽だけでなく、行きつけのパン屋や、旅好きも一緒で、こういう共通項は気持ちを盛り上げる。話し足りない2人は、「レックコーヒー」に場所を移して語り合った。深夜のレックはカップルが多いが、自分がその光景の一員になっていたことが妙に嬉しく、カナエさんは幸せな時間を噛み締めた。

 

 好きな気持ちは、確信へ。そうともなれば、LINEや会う口実を考える日々。意気揚々とLINEを送る。彼のレスポンスはまぁまぁ遅い。とくに気に留めることなく、次を誘う。すると、また快く応えてくれる。会えば、どんどん好きになる。「なんか人間的に合うの。うまく説明できないけど、波長というか、感覚が似ている」と、カナエさん。話は早く進みそうなものだが、未だにゴハンだけの関係が続いていると言う。相手はどう思っているのか、手ごたえを感じられずにいた。カナエさんに気持ちがないのなら、会うことを断る理由もまだあれこれ並べられるタイミングだ。紹介してくれたマナさんによると、将来、家業を一緒に手伝ってくれる相手を探しているらしく、恋愛に興味がないわけでもなさそうだ。

LINEはいつも自分から。

 ただ、気づけばLINEはいつもカナエさんから。イマイチつかめない彼の気持ちに不安を抱き、冷静になってみる。大輝さんはとにかく優しく、空いたグラスや次のメニュー、帰りのバスとかか常に気を使ってくれる。「あぁ、頑張り過ぎて疲れちゃう人だ」と直感で悟った。カナエさんにも似たところがあるからだ。どうやったら気を休めてもらえるのか、その糸口を見つけようと、会えば彼の話に耳を傾け、大輝さんを知ろうとした。サシ飲みの帰り道、いつものようにお礼のメールを送ると、彼からイライラした様子の文面が送られてきた。「受け身ではなく、もっと自分を出してほしい」と。

 本気で考えてくれている証拠だと、友人たちは一様に前向きにとらえ励ましたが、彼女の表情は曇ったまま。以降、彼のLINEが途絶えたのだ。もう、フェードアウトするには、もう好きになりすぎた。残された道は、自分の気持ちを伝えることしかない。それがカナエさんの“自分を出すこと”だった。

 次回は、彼に長年彼女がいなかった理由と、生まれて初めてのアラフォー女子の告白をレポートします。

 

●“感じがいい”独身アラフォー カナエさん(仮名)38歳の場合

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職場のお客さんと結婚した優さん(仮名)39歳の場合 

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【イラスト】
諫山直矢/福岡在住のイラストレーター。自治体や企業の広告や販促物、また店舗やオフィスの壁画を担当するなど幅広い分野で活躍中。大人の強さと色気をまとった女性をモチーフとしたオリジナル作品制作にも力を入れる。

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