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海外の旅行者からも熱い視線!櫛田神社のお膝元・冷泉町の、有形登録文化財に泊まる。

2017年05月31日 12:00 by S子

天神から国体道路を博多駅方面へ。キャナルシティ博多を過ぎ、櫛田神社を過ぎ、祇園町バス停を越えてすぐ左折したところに佇むのが、国の有形文化財にも登録されている旅館「鹿島本館」。建てられたのは、大正後期〜昭和初期。その頃この一帯は、約100件もの旅館・ホテルが立ち並ぶエリアだったのだそう。「鹿島本館」として営業を始めたのは昭和27年で、それまでは「大盛館ホテル」として営業、昭和20〜27年までは、占領軍の宿泊所としても利用されていたのだとか。

↑館内には、占領軍宿泊所時代の看板が

そんな「鹿島本館」、現在入口には、「和風旅館 鹿島本館」の看板とともに、「Japanese Ryokan Kashima Honkan」の看板も掲げられています。実はこちら、福岡市内中心部では珍しい“純和風の空間”ということで、 現在、海外からの観光客にも大人気の宿なのです。

趣のあるエントランスを進むと、「これぞ旅館!」と呼ぶにふさわしい玄関がお目見え。支配人の大野久子さんが迎えてくれました。鹿島旅館に勤務して20年。笑顔いっぱいのコミュニケーションで、海外のゲストからも頼られる存在です。

早速館内へ。まず驚いたのは、この長い廊下。なんと56m! 間口13mに対して、こんなに奥行きがあるなんて! 赤い絨毯や木枠の窓などもレトロモダンなムード満載で、日本人であっても興奮します。

↑館内の一部の屋根は、船底天井になっているなど、随所に建築的見所が盛りだくさん

そして客室へ。全部で27室ある客室はすべて和室で、それぞれに違った装飾が施されています。まず見せていただいた「16号」の部屋は、8畳(本間)に日当たりの良い縁側が付いた、なんとも落ち着ける空間です。「鹿島本館」には、館内の随所に「数寄屋造」の手法が取り入れてあるのですが、この部屋にも「数奇屋的」なポイントがあちらこちらに。

例えば、床の間の天井から少し隙間を開けて渡された竹や、曲線を描く桜の木を皮付きのまま、柱に取り入れてあるところなど…。建築当時の職人さんの技術の高さ、そして遊び心が伺えます。

こちらの丸窓も素敵。昼間は外からの光が美しく、夜になって外から見ると、まるでお月さまのように見えるという…粋ですね。

もう1部屋見せていただきました。こちらは「竹の間」。名前の通り、巧みな竹使いが魅力のお部屋です。床の間の柱にももちろん竹。

驚くのが天井で、渡された竹は、いずれも太さや種類が違います。細い竹に、わざわざ格子の柄を付けたものまであり、感動!

↑ちなみに、竹の間からは、裏庭のタヌキさんが見えました

さて、部屋の備品ですが、基本的にはタオル、バスタオル、浴衣と歯ブラシセット。洗面・トイレは共同で、館内の各所に設置してあります。

お風呂も共同です。まずは男性用。ちょっぴりノスタルジックで、街の銭湯を訪れたようなアットホームな雰囲気のお風呂。温泉ではありませんが、旅の間、湯船に浸かれるのはやっぱり嬉しい!

女性用は、男性用よりコンパクトですが、外の眺めが楽しめ、壁にはカラフルなタイルがあしらってあるなど、「やっぱりお宿は女性にやさしい!」 と感じさせてくれる空間となっています。以上、2つの浴室のほか、シャワールームも2室。旅する人のスタイルに合わせたバスタイムが楽しめそうです。

↑お風呂への案内看板も昔のまま。しかし、これが良いのです!

朝食は、1階の大広間でいただきます。中庭の緑が美しい! 以前は洋食と和食の両方を用意してあったとのことですが、「この雰囲気ですから、みなさん和食を指名されるんです(笑)」と、今は和食一本に。

↑食後はソファでのんびりいかがですか?

↑中庭にはお稲荷さんも。お社は、今年立て替えたばかりということでピカピカ

また宿の入口そばには、応接室があり、本を読んだり、コーヒーを飲んだり、旅行者同士が情報交換をしたりするのに利用されているそう。

↑本棚には、ここを訪れた海外の方が「次の旅行者へ」と残していったガイドブックもズラリ。

↑コーヒー、紅茶、緑茶はセルフサービス

創業から90年。時間は経っても丁寧な手入れが行き届き、旅をする人に快適で、貴重なひとときを提供してくれる「鹿島本館」。福岡の街の、大切な宝物です。

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取材・文:S子
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鹿島本館

住所 福岡市博多区冷泉町3丁目11
TEL 092-291-0746

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