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企業間取引をスマートに 悩みを紐解き本質的な解決に導く

2025年03月09日 11:00 by はたゆう

株式会社EDAHA 黒瀬 啓介 さん
【福岡市トライアル優良商品】 エダハシステム

見積もりから契約、納品、請求、決済までの企業間取引を一元管理できるシステム「エダハシステム」を開発、販売する株式会社EDAHA。工学博士としての視点で企業の問題を紐解きながら解決へと導くEDAHA代表の黒瀬 啓介さんに「エダハシステム」開発の経緯や仕事の魅力、将来の展望を伺いました。

「実家が産廃処理業をしていて、昔から父には「この仕事もいつか管理を求められる時代がくる、その時のために業界の勉強をしておけ」と言われていました。そのため大学では環境工学を学びましたが、机の上で考えているだけではやっぱりだめで、問題は現場でしか解決できないと思い至りました。そんなことからいざ現場に入ってみると、想像以上に何から何までアナログだらけ。仕事をちゃんとやっているのに、請求などの書類仕事にミスがあるとマイナスな評価をされることも日常茶飯事でした。

家業を手伝いながら、それまで学んできたことをいかして何ができるかを考えた時、まずゴミや産廃などの「汚い」イメージをシステムを使って変えたいと思いました。そこで、ブラックボックスだったゴミ処理の過程を見える化し、自分たちが出したゴミがどこで処理されているのかを知ることができるシステムを作ったんです。その後、アナログだらけだった社内業務を効率的に処理するために作ったのが今の「エダハシステム」の原型です」

「15年前に廃棄物業界に特化したシステム会社を立ちあげたのですが、その内廃棄物業界に限らず世の中の中小企業で同じことが起こっているんじゃないかと気づきました。人はミスをするものなのに、そのミスをチェックするためにまた人員を増やす…。人が行わなくても良い部分を取り除き、業務を自動化する仕組みを作れば需要があるんじゃないかと思い、2021年 株式会社EDAHAを立ち上げました。

「EDAHA」という会社名は、どの企業も本業はしっかりされているのに、その先の枝葉の部分でいらない時間をとられたり、人手不足を感じたりしている。企業の枝や葉をサポートできる会社になりたいという思いで名付けました」

「これまでアナログ作業をしていたところにシステムを導入するには、経営者だけでなく、現場のみなさんからも意見や課題を聞きながら時間をかけて意識を変えていくことが大切だと思っています。ですが、中小企業の経営者の方とよくよく話をしていると、解決してほしいことと本当に困っていることは全く違うことが多いですね。

目先の問題が解消できても本質的な解決にはならないし、言われたことだけやればいいというわけでもない。ですから、一緒に業務の棚卸しをしながら交通整理をし、本当の悩みをあぶり出す作業が必要です。
そこをどれだけ聞き出せるか、話してもいいと思っていただけるまで信頼をしてもらえるかが肝だと感じています。

そういう意味では私一人で、コンサルとシステム、営業と開発の両方を担当できるのが当社の強みでもあります。経営者の悩みを聞きながら同時進行でシステムにあてはめてこうすればいいという道筋を考えることができる。それは他社と比べて差別化できる部分です。

15年前の会社を立ち上げた時に、気合を入れたプレゼンも全く手応えが感じられず、正しいことを言っているのに伝わらなかった苦い経験がありました。興味を持つ人が集う学会とは違うのは当然のことで、そこから相手に伝わり、聞いてもらえる話し方を現場で磨いてきました」

「会社はランチスポットがたくさんある場所なんですが、昼ご飯はコンビニで済ませるか、Uber Eatsでオーダーをすることが多いです。今日は、いつも在宅で頑張ってくれているスタッフが出勤したので、一緒に「極上肉厚うなぎ」を食べたいと思います。たまにはこんな時間もいいリフレッシュになりますね。」

簡単に楽しく業務を一元化

2024年、福岡市トライアル優良商品に認定された「エダハシステム」は、見積もりから契約、納品、請求、決済までの企業間取引を一元管理できるシステム。手作業による確認作業などのマンパワーに頼りがちな業務をクラウド上で一元化し、これまでメール、FAX、書面でやり取りをしていた取引プロセスを大幅に省力化することができます。

特筆すべきは、同社の特許技術を活用した「履行決済」。納品時、サービス完了時に互いが内容を確認し承認をすると、自動的にインボイス制度に対応した適格請求書が作成され、共有されるという便利なもの。これにより、請求書の作成が一切不要になり、さらには取引先から受け取る請求内容の検収も不要となります。

「導入をすることで、社内の業務効率化、社内の情報共有、月次決算の簡略化が見込めるため、削減できた人件費をより生産性の高い業務や会社の未来のために割くことができます。

企業間取引のAmazonだと思ってもらえるとわかりやすいと思います。WEB上にある商品を選んで、買って、決済をする。 B to C では当たり前になっている一連の流れが、何故かB to B になった途端にFAXやメールなど、アナログになってしまっているんです。そこを解決するのがこの「エダハシステム」です」

「これからについて考えた時、AIは無視できないですね。近い将来、商談もAIにまかせて大丈夫という時代がくるはずです。そのために社内のすべての情報を一箇所に集約することがシステムの役割になっていくと思います。「エダハシステム」もどんどん時代の変化に合わせて形を変えていく予定です。ちょっと便利だからというAIの使い方ではなく、来たるべき未来にむけて企業様にAIを有効に活用するための準備を促すのも私達の仕事になっていくと思います」

「エダハシステム」に関するお問い合わせは
株式会社EDAHA まで
https://edaha.co.jp/edaha/

取材・文:はたゆう
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