グルメ | 新店舗オープン

ゆらめく炎を眺めつつ、ジューシー肉を頬張る至福のひととき

2018年08月29日 12:00 by 木下 貴子

熟成肉と生産者にこだわった和牛肉に定評のある「アカミヤコウシ」が、昨年オープンした姉妹店「ヤキニクコウシ」に続き、新たにお店をオープンしました。

大名1丁目の裏路地の、さらに人が1人通るくらいの細い路地を進んだ奥の、そのまたさらに奥にあるビルの2階。偶然辿りつく人はまずいない、知る人ぞ知る場所にあります。


広々とした店内。コの字カウンターに囲まれたオープンキッチンの中央に大きな焼き台、奥に焼釜があります。


「肉が好きでこれまで肉料理の店をやってきたと自分でも思っていたんですが、あるとき、『肉というよりも、火が好きなんだ』て気づいたんです。火って色も形も一つとして同じものを生み出さない。機械的でないその美しさは見あきないし、お客さまにも見てもらいたいと思いました」とオーナーの福富康馬さん。

『コウシキャンプ』では、薪を使って焼き台と焼窯で調理します。薪はガスとちがって有機的な色や形の炎をつくり、炭よりも炎が高く燃え上がります。焼き台の炎、焼釜の炎は、どの席からも眺めることができ、それはまるでキャンプファイヤー。「店名はみなで決めたのですが、やはり『キャンプ』がしっくりきました」と話します。

中央の焼き台はとても大きく、パチパチと炎が上がります。「屋内で焚き火!?って、施工の職人さんたちからも驚かれました…」と福富さんは苦笑しますが、ほんと、よく実現しました。


焼窯の炎。


調理は薪が燃えた後の熾火(おきび)で行います。薪は水分を含んでいるため火力がやわらかく、食材の水分を抜き過ぎることなくしっとり焼き上げることができるそうです。薪で焼いた野菜は果汁を、肉は肉汁をたっぷりふくみ、そのものがもつ甘味と旨味を存分に味わえます。

肉は牛肉、豚肉、鶏肉、猪や鹿などのジビエが日替わりで3~4種類用意され、その中から好きなものを選びます(1種類200g~)。肉汁を損なわないように塊肉でじっくりと時間をかけて焼いてくれます。写真は上から牛の熟成肉(200g3,888円)、イノシシ(200g3,240円)。



肉が焼き上がるまでの時間は前菜を。窯でコトコト煮込んだ「スープ」や「COWSIゴマサバ」、焼き野菜を駆使した創作料理など日替わりで6種類準備してあります。価格は3品で1,296円、6品で2,480円。写真はこの日の前菜の一品「薪でじっくり焼いたかぼちゃ・チーズのせ」です。


メニューは前菜と肉料理のみとシンプルです。薪の火力だと揚げものなどできないのですが、調理は薪のみを使ってやりたいと徹底しています。とにかく食材の味をしっかり、しっとり仕上げる薪の力には、福富さんご自身も驚いているとのこと。今後は魚介類も視野に入れているそうです。

シックな空間でグラスを傾け、ゆらめく炎を眺めながら頬張る料理のうまさたるや! 薪の香りもただよい、まさに静かな山小屋でキャンプしているような感覚になって、自ずと心もほぐれます。ワイルドではなくエレガント、大人の社交場といった雰囲気もあり、ちょっとお洒落に気取った感じで出かけてみたいお店です。

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

COWSI CAMP

住所 福岡市中央区大名1丁目4-29 GW-BLD 201
TEL 092-753-7933
営業時間 17:00~24:00
定休日 不定

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