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職場のお客さんと結婚した優さん(仮名)39歳の場合 vo.3 〜彼という人間を知ること。

2018年09月23日 21:00 by 千葉ユウ

 

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彼を知る段階で美化は禁物。

勘を頼りに、幸喜さんと結婚前提で付き合うことになった優さん。トントン拍子すぎる展開は、ふだん強気な優さんを少しばかり不安にさせたようだ。「勢いだけかもしれない。彼が東京に帰り、日常に戻ったら、私のことなんか忘れちゃうかもな」。そうだとしても、もういい勝手な想像だけで立ち止まるのはバカバカしい。幸喜さんと出会ったチャンスを無駄にはしたくなかった優さんは、流されるままいこうと決めた。

初めて出会った日から一週間後、優さんは東京の幸喜さんの元に飛び、初めて彼の日常に触れた。例えば私服。これまでスーツ姿しか見ていなかったが、もしかしたら彼の普段着で面食らうことがあるかもしれない。39歳ながら、それで人を測るにはつまらないポイントだとわかっているものの、気になる。すごく気になる。実際はUNITED ARROWSやSHIPS系の品のいい服装で、気持ちよく裏切ってくれ、正直ホッとしたという。そして彼は、元奥さんと住んでいた家にそのまま住んでいたこともわかった。都心からちょっと離れた郊外の一軒家。「物に罪はないから」と、優さんはあっさり言いのける。特別嫌な気分になることもなく、現に今も彼とそこで新婚生活を送っている。彼がちゃんと踏ん切りつけていることなら、気にならないそうだ。優さんにとってはよっぽど今のリアルな服装の方が気になるというから、人それぞれ。


臆さず言うことが、結婚の近道。

彼をあまり知らない状態で「結婚したい!」と思ったものの、彼を知れば知るほど加点されていったという優さんに、周りは安堵した。幸喜さんが教育関連の大手企業に勤めているということすら、後々知ったそうだ。「そうなの、そう言えば仕事何しているかを聞いてなかったんだよね(苦笑)」と、思い出しながら笑う。そこが気にならないほど、目の前にいる彼で十分だったそうだ。

運がいいことに、彼は前の結婚で懲りることなく、優さんとの結婚に前向きに考えてくれ、両親への挨拶までスムーズに流れた。真面目な職に就いている幸喜さんは、さすがに婚約者が「中洲のホステス」という素性は両親には伝えられなかったようだが、向こうのご両親も人が良さそうだったという。

今や結婚願望のある福岡のアラサー、アラフォー女性にとっては、バツイチ男性は人気物件。戸籍がキレイな同世代男性よりも、一度現実を知った男性の方がむしろモテる。ただ、そこで向き合わなきゃいけないのが人柄ではカバーできない諸問題。自分のせいだとは言いづらい、借金、浮気性、クセの強い親が離婚原因になっているケースだ。年頃男性が独身市場に戻ってきても、諸手を挙げて喜ぶには早い。バツイチはそれだけに慎重に恋愛をするべき相手でもあるのだが、ここで優さんも幸喜さんも、お互いぶっちゃけられる関係性を初めに作ったことは、結婚への大きな布石となったと思う。例えば優さんたちは、ヤキモチを焼かないよう、お互いの異性の友人の連絡先をすべて削除しあったという。素直に気になる点をさらし、懸念材料を潰し合い、そして結婚に向けて付き合い始める。それはすごく効率が良く健康的だ。
「実はヤキモチ焼き」「実は結婚したい」と、言葉にしにくいことを言ってしまうのも、ひとつの方法なのだ。

挙げて良かった結婚式

こうして彼に不安要素が見つかることもなく、4か月後には結婚式を挙げることになった優さん。式は乗り気ではなかったものの、彼が「福岡でやりたい!」と言い出し、式場からその内容、またウェディングドレスまで彼がすべてコーディネートしたという。彼からのプレゼントのような愛情いっぱいの式は、優さんの人生の大切な節目を盛大に彩った。「やっぱり式って、何歳になってもやった方がいいと思う。本当にやってよかった!」。花嫁の輝きっぷりにその説得力が十分にあった。

 次週は、優さんの新婚生活の夢と現実をレポートします。

 

●“感じがいい”独身アラフォー カナエさん(仮名)38歳の場合

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【イラスト】
諫山直矢/福岡在住のイラストレーター。自治体や企業の広告や販促物、また店舗やオフィスの壁画を担当するなど幅広い分野で活躍中。大人の強さと色気をまとった女性をモチーフとしたオリジナル作品制作にも力を入れる。

 

取材・文:千葉ユウ
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