
グルメ | 新店舗オープン
日本料理『温坐』が西中洲に移転。店主の想いがより強く、より深く表現
2018年02月15日 12:00 by 木下 貴子
その技と美味しさ、そして店主・香月康孝さんの明るく気さくなお人柄で、多くのファンをもつ日本料理『温坐』が、桜坂から西中洲へと店舗を移しました。「僕自身が心から気持ちよく作れ、お客様に味わっていただきたい料理を考えれば考えるほど、このままではなかなか表現できないと、前々からくすぶっていたんです」と香月さん。「2年半ほど前から動きだし、ようやくこの場所を見つけました」と話します。
香月さんが目指すのは、値段に見合う料理、料理に見合う値段が双方にマッチするもの。それは決して高級素材を使った高級料理と単にくくられるものではありません。「自身の中で追求したいものを制限することなく表現できる、値段相応の料理」であるのです。
そんな料理をお客様も心からリラックスしながら味わえるようにと、店造りにもとことん力を入れています。桜の木の一枚板のカウンター、そのカウンターに設えた京の職人による角竹。福岡には数人しかいない漆喰職人によって手塗られた美しい壁や床板…。細部まで徹底してこだわった空間は、なんと半年がかりで造られたといいます。
メインのカウンター席。調理台にものを置かないよう細やかな工夫も。

個室も2室用意され、こちらは3~6名向けの個室。高級旅館のような上品な設えで、心穏やかに過ごせます。

いただけるのはコース料理と、桜坂の前の祇園時代に出していた人気メニューに加え、新しく考案された数々の一品料理。「コースも、日本料理の単品も両方お楽しみいただける。実は日本料理店で、このようなスタイルの店は福岡では意外と少ないんです」と香月さん。
予約制のコース料理は10,800円より(サ別)。日本料理の真骨頂、四季折々の旬食材を使って、季節を表します。とりわけ八寸に思い入れがあるそうです。
月替りで内容が替わる八寸は、2月は立春がテーマ。節分にちなんだ大豆の「あちゃら漬け」(手前)は優しい酸味にふくよかな豆のお味。奥左のめざしも節分の柊鰯を表現したもの。めざしは一晩出汁に浸けてありやわらかく味わい豊か。奥中央は、ふっくら炊き上げた油揚げで玄米のチラシずしを包んだいなりずし。奥右は菜の花のお浸しと自家製羊羹。いかがです? 小さな箱庭のようにぎゅっと詰まった季節感と世界感!

この八寸からお分かりのように、コース料理では香月さんの技と感性を存分に味わうことができるのです。
魅力に溢れるコースですが、なかなか手が届かない…と思うことなかれ。一品料理はというと、もちろん高級なものもありますが、お手頃にいただける料理もたくさん用意されています。つまり、幅広く活用できるわけです。
祇園時代からの人気メニューの1つ、「生麩田楽」(3本864円・サ別)。「神戸ふ芳」の職人麩と、香月さん手製の田楽味噌のコラボレーション! 生麩は8種類ほどあり、この日は「竹炭」。味噌も日によって替わります。左から、菜の花、白田楽、ゆず。密度の高いもっちり生麩と、風味豊かな味噌の相性たるや! とくに女性に人気というのが納得の逸品です。

「器も本物を使いたい」という香月さん。自身のコレクションを惜しみなく、料理やお酒とともに楽しませてくれます。ちなみに上の田楽の器は、かの魯山人の手によるものです。お、恐れ入りました…。
お酒も、江戸切子や薩摩切子といった銘器で。美味しいお酒がさらに美味しく感じられるはずです。

こちらもロングランの人気メニュー「魚介や茸野菜のチーズ鍋」(1~2人前3,780円・サ別)。同じ発酵食品だけあって、味噌とチーズの相性抜群!そこに魚介の豊潤なエキスが加わり、スープを一口含めば、ぶわっと旨味が広がります。これぞ和風ブイヤベース。車エビ、カキ、魚のアラ、白ネギ、シイタケなど旬の具材もたっぷり。

〆におすすめの、「うずらとトリュフの雑炊」(1,620円・サ別)。トリュフは目の前で削ってくれ、トリュフの香りと雑炊の香りが相まって、この時点ですでにうっとり。

うずらから出た濃厚な出汁がまとった、玄米をさらさらと口に運べば、なんとも滋味豊かな味が身体全体に染みわたります。最後に、心身ともにほっと一息させてくれるのです。ところでこちらの器にもご注目を。輪島塗のお椀で味あわせてくれたのでありました。

「高級志向ではなく、すべて本物で表現したいだけ。自分にとってストレスなく、やりたいことを出していったら自然とこうなりました」と香月さん。居酒屋の感覚で…というわけにはいきませんが、決して、近寄りがたい店ではありません。香月さんはカウンターに立って、常連さん一見さん問わず温かく迎えてくれますし、また、お話も快活でとても楽しい時間が過ごせます。
笑顔の絶えない香月さん。ローカルのTV番組にも出演されているので、そのお人柄をご存知の方も多いかも。

ハレの日や、大切な人との食事、自分へのご褒美など、そんな時こそ、ちょっとだけ姿勢を正しながらも気軽に足を運びたい。それが新しいステージを迎えた『温坐』なのです。

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE
日本料理 西中洲 温坐
住所 | 福岡市中央区西中洲3-1 デルタウエスト西中洲1F-G |
---|---|
TEL | 092-733-3322 |
営業時間 | 18:00~22:45 |
定休日 | 日祝日 |
URL | http://on-za.com/ |
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