日々是食欲
博多のうどんに変化の兆し
2017年03月09日 08:00 by 弓削聞平
博多といえば全国的にはラーメンの街という印象だが、実はうどんこそ市民の生活に密着している食べものかもしれない。トンコツラーメンの場合、女性や中高齢者のなかには苦手な人も少なくないが、その点うどんは全方位的に受け入れられていることからも、実は絶対数でいえばうどん愛好者の方が多いのかもしれない。
元々博多のうどんというのは、ゆでおき麺だった。一度ゆがいた麺を仕入れ、それを注文が入ってから1分ほど茹でて出すスピーディさは特徴の1つであり、そのスピード感は細麺の博多ラーメンとも共通する。やはり博多の人はせっかちなのか? そしてそうしてできたうどんはコシとは無縁のやわい麺。これぞ博多うどんの真骨頂であり、あのタモリさんも「博多のうどんは飲みもの」というほどだ。
ところが10年少し前の讃岐うどんブームの頃から博多のうどんも変化が見えてきた。店で手打ちし生麺をゆでる(10分くらいかかる)店が徐々に増え始めたのだ。それに伴いコシのあるうどんも増えてきて、元来のゆでおきのやわい麺という博多うどんの特徴は少し変わり始めた。こうなってくると何が讃岐うどんで何が博多うどんか難しいところではあるのだが、讃岐の場合、出汁はいりこメインだが、博多は昆布やかつお節がたってるところが多い(いりこも入っているところが多い)ということや、讃岐はしょうゆうどん、ぶっかけ、かまたまといった独特の食べ方があることなどが分類の目安になるかもしれない。あとはそう。ごぼう天や丸天は博多ならではの具ですね。
また、もう1つ最近の傾向としてはうどん専門店が増えてきたということだ。最近新しくできるうどんの店は大抵専門店といってもいい。といいつつ、ぼくが未だに一番好きなのはゆでおきでうどんも蕎麦もある「因幡うどん」なわけだが、けっこうタイプについては柔軟で、コシがある生麺タイプの博多うどんでいえば、キャナルシティ近くの「うどん平」や同店出身の「葉隠れうどん」も同じくらい大好きだし、讃岐のかまたまなんかにも目がない。
因幡うどんのごぼう天 玉子トッピング。玉子をトッピングするとなぜかわかめがついてくる。
さて、そんなうどんとラーメンの街福岡のど真ん中、市役所前のふれあい広場で3月22日から「福岡麺博2017」が開催される。「FUKUOKA RAMEN SHOW」は今までも何度かあっているが、今回はその前に「うどんパラダイス福岡」というイベントも開催されるようだ。うどんにもラーメンにも(他の麺も)目がない私としては、このいろいろなうどん・ラーメンが食べられるイベントには毎日でも通いたいという気持ちだ。
●福岡麺博2017
http://www.fukuoka-menhaku.jp/
取材・文:弓削聞平
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