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商業施設の飲食街の顔ぶれに変化あり

2016年05月12日 08:00 by 弓削聞平

今年で博多駅ビルのアミュプラザ博多(以下アミュ)は5周年を迎え、その隣にKITTE博多とJRJP博多ビルもできました。アミュのなかには50軒ほどの飲食店が入り、今回の新しい2つのビルも合わせて70軒以上は入っています。もちろん博多駅周辺には以前からあった路面店や地下の店もあるわけですが、この増え方は相当なものです。

従来福岡においては、商業施設の飲食店というのはチェーン店がほとんどで、安定感、安心感はあるものの、個人店のような強烈な個性や熱のあるお店はほとんどありませんでした。それは家賃の問題だったり、初期投資の問題だったり、うまく行かなかったときのリスクを考えれば当然のことです。しかし、近年個人店もそういうところに徐々に出店しはじめています。もっとも、企業やチェーン店も元々は個人だったわけで、どこからが企業でどこからが個人なのかも難しいところではあります。

たとえばメキシコ料理の「エルボラーチョ」を例にあげてみると、元々は大名のテナントビルのなかにあった個人のメキシコ料理店です。13年前にメキシコ好きのオーナーが始めたダイニングに過ぎなかったのです。しかし、それから高砂や西新にも支店を出し、2011年のアミュ開業時には飲食フロア「くうてん」に出店をしました。そこからはまさに破竹の勢いで東京の2軒を含めて系列店は8軒となり、さらに今、メキシコへの出店を準備中です。こうなってくると、13年前はどこにでもある個人店だったものの、わずか13年で立派なフードカンパニーに成長したといっていいでしょう。昨今、そんなふうに、少し前まで個人店だったのに少しずつお店を増やし、やがて商業施設にも出店し、ついには東京にも……というところが少なくありません。いや、それどころか海外への出店すら珍しくなくなってきつつあります。焼鳥の「八兵衛」も、元は糸島のどこにでもあるような焼鳥店でしたが、現在の社長になってからは、天神エリアへの出店、東京六本木に2軒、ソラリアプラザ、さらには今回のJRJPビル、そして台湾にも2軒の店を出しています。

西通りで大人気の「ツナパハ2」もソラリアステージにオープンした。

これらの店は店舗数は増えても、セントラルキッチン化、レトルト・冷凍食品化を最小限とし、ほとんどを各店で調理して、美味しい料理を提供しています。それだけに味もサービスも均一化するのは至難の業ですが、今のところ多少のばらつきもまたいい味わいといえるレベルの高い店となっています。これが東京のフードカンパニーのように100店というレベルになるとまたいろいろと問題も出てくるのでしょうが、そういう実力店が立地のいい商業施設にできるのは消費者としては実にありがたいことですね。

取材・文:弓削聞平
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