
日々是食欲
ますます細分化が進む福岡の飲食業界
2015年09月10日 08:00 by 弓削聞平
ひと昔前、世の中は居酒屋全盛で、個人店、チェーン店、小バコ、大バコなど、いろんな居酒屋が一世を風靡していた。居酒屋のいいところは手頃な価格でなんでもあるところ。焼鳥もあれば刺身もあり、揚げ物もあれば煮物もありと和食系の料理が豊富なのはもちろんだが、やがて「洋風居酒屋」なる業態もでき、ピザやパスタを出すのも普通になった。そう、この頃のトレンドは「なんでもある」だったのだ。
しかし最近のトレンドはむしろ逆で、より専門性のあるある店が増えている。もちろん居酒屋もたくさんあるのだが、そのなかでも得意分野をもつことが大切になり、やがてそれはより専門性を明確に打ち出した店ができるようになってきた。
たとえば今月大名にできた「BUTABARA TO THE WORLD」。こちらは焼鳥店「八兵衛」の新業態で、塩とタレと味噌という3種の豚バラをメインにした酒場だ。他のメニューは焼鳥というよりは酒場のつまみで、とりかわの「権兵衛」や「かわ屋」のように、焼鳥屋をさらに一つのメニューに特化させた業態といえよう。
そこからほど近い大正通りはなぜか専門店が並んでいる。マグロの専門店「まぐろやナポレオン」、馬肉料理の「馬力キング」、牛たんをメインにした「まるたんや」、炒飯専門店「天神炒飯」といった具合だ。
大正通りから大名に入ったところには「あげぱん専門店 Pan fritto」もできた。カレーパンやあんドーナツなどの揚げたパンを14種類揃えている。また薬院六角には数年前に「むつか堂」という食パン専門店ができ人気を博しているし、そのすぐ横には今年エクレアの専門店「セシルブルー」がオープンした。パンやスイーツは少し前から専門性の強い店が少しずつでき始めていた。たとえばロールケーキの店だったり、プリンの店だったり、あるいは昨年はコッペパンサンドの店もできた。バリエーションが少ないというのは集客のリスクもあるが、一方でロスのリスクは減りそうだ。
また、春吉にはチーズ料理の専門店「Parme」が、大名にはトマト料理の専門店「LA TOMATINA」もできたばかりで今後が楽しみだ。まだしばらく続きそうな業態の細分化により、きっと今まで出会えなかった料理に出会えるに違いない。
「BUTABARA TO THE WORLD」の豚バラ(タレ)。
取材・文:弓削聞平
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