日々是食欲

名店の美味を行楽や家庭で楽しむ

2015年04月09日 08:00 by 弓削聞平

多くの飲食店がおせちを作り販売していることは、以前このコラムにも書いたが、昨今、季節に関係なくオードブルやお弁当のオーダーを受け付ける店も少なくない。いわゆる自店で飲食してもらうのではなく、店外での売り上げの比率が増えつつあるのだ。

代表的なのはケータリングだ。レセプションなどパーティへの料理提供もだが、最近は大きなコンサートなどイベントスタッフ用という需要もある。いやそれどころか、弁当ではなく会場内で作り、温かいできたての料理を提供するということもある。ファッションイベント「FACo」のバックヤードにラーメン店やフレンチの店が出張していたりするのは一例にすぎない。あるいは会社にお客さんを招いて少し豪華な弁当を、ということもある(昼が多い)。3,000円とか5,000円の単価で、オーダー数に応じて作るわけだから、店にとっては売り上げ的にも大きいし、食材ロスが出ないのもありがたい。

たとえば花見の時期になると店内に「オードブル盛り合わせ受け付けてます」という貼り紙をしていたり、SNSで告知するところもある。そう、今は昔に比べ、個人店でも告知がしやすくなったのも追い風だ。

少し前まで、花見などの行楽にもっていく料理は自分で作る人を除けば、スーパーやコンビニ、あるいは「ほっともっと」などの弁当屋さんで買うくらいしかなかったが、それらより多少値は張るかもしれないが、おいしく変化に富んだものを食べられるのはとてもありがたい。

こういうのは以前から常連などが頼めば対応してくれていたが、最近では店側もより積極的になってきたということだ。リーマンショック以降、外食控えから飲食店がとてつもなく不景気になり、お店側もなんとか通常の飲食以外の売り上げをあげないと立ちゆかなくなるという状況だった。その頃から、個人店がドレッシング、明太子、真空パックの惣菜など加工食品の販売を始めるところが増えたのだが、ケータリングやお弁当などに目を向けだしたのもその一環だろう。

今まではお客側もあまりそういうサービスに気づいてなかったが、個人ベースでも家に友人が集まるとき、ちょっとおでかけするときなど、お気に入りの店にテイクアウトの料理をお願いするという選択肢はとても有効だ。あるいは、子供が小さい、高齢者がいるなどの事情で店に出かけづらいけれど、たまには家庭料理とは違うおいしいものを食べたいというときなども、気軽に相談してみるといい。配達まではできないところも多々あるが、気軽に名店の味を楽しむいい機会になるはずだ(最低個数を設定しているところもあります)。


〈ソワニエ〉2013年11月発売で紹介した名店のお弁当(抜粋)。右ページは桜坂「温坐」、左ページは焼肉の「BAKURO」、浄水通の和食「田佳倉」、六本松の和食「金魚」のお弁当。※内容は掲載当時のものです)

取材・文:弓削聞平
このライターの他の記事を読む

PAGE TOP