日々是食欲

グラスワインの種類が多い店が増えました

2012年11月08日 08:00 by 弓削聞平

今年も11/3・4にバルウォークが終わりました。今回はいつもにも増して参加者が多かったような気がします。「大名麺通団」と「福岡麺通団」も参加させていただいていたのですが、たくさんのお客様に来ていただき、スタッフもテンションがあがり非常に楽しむことができました。改めて、参加者のみなさん、そして主催者の方々に御礼申し上げます。

さて来週15日(木)はボージョレヌーボーですね。なんでも今年は2月の冷害、春から夏にかけての雨などのせいで葡萄の出来がよくないという話ですが、そんななかでもなんとかおいしいワインを造ろうと努力した熱心な造り手の作品をいろいろと試してみたいものです。以前ほど巷でボージョレヌーボーは盛り上がっていませんが、それでも多くのお店が14日の深夜12時を過ぎると抜栓してイベントを行います。たくさんのヌーボーを飲み比べできるところも少なくないのでこの機会に出かけてみてはどうでしょう?

ところでヌーボーイベントだけでなく、最近はグラスワインを複数ラインナップしてるところが珍しくありません。泡(シャンパン・スパークリング)1種、白赤各2種の計5種というのはもはや普通とさえ言えます。昔はそもそも泡は一度開けると炭酸がもたないのでグラスで出しているところは少なかったのですが、最近は泡需要が断然増えたので、ロスも出にくくなり、従ってグラスで飲ませるところも俄然増えました。また、白や赤も以前は1種だけというところが多かったのですが、これも需要の増大とともに複数置くところが増えています。特にワイン専門の店では各3〜5種開けているところもけっこう目にするようになりました。たとえば警固の「ル・フラマンローズ」は常時泡も含めて10種ほどがメニューに載っています。いろいろなタイプがあるので、料理や気分に合わせて楽しめますよ。

また、最近ぼくがときどき顔を出している「ラタフィア」はメニュー化はされていませんが、いつ行っても最低5、6種は空いています。しかもその1本が空くとまた違うワインを開けたりもするので、しばらくいるとグラスワインのラインナップがすっかり変わっていたりもして、これまた多様なワインをいただくことができます。

春吉のブルゴーニュ専門ワインバー「フルールパルフ」もそんな感じです。ここはどちらかというとボトルよりもグラスワインを推奨している店で、常時白も赤も3〜5種は準備されています。泡か白か赤かを言えば、そのとき提供できるものを数本出してくださり説明してくださいますので、そのなかで自分の飲みたいものをチョイスすればいいのです。最近は「赤をお願いします」というと、「きょうは(ここで)何杯くらい飲みます?」と聞かれることもあります。その杯数により、店主の湯川さんが「ではまず1杯目はこれで、次にこれを飲んで、最後にこれですね」というようなおすすめの展開を考えてくださり、ワインビギナーのぼくには非常にありがたいです。

少人数で行くことが多かったり、途中で白から赤に変えたいけどたくさんは飲めないという人にはグラスワインはありがたい提供方法です。もちろん定説としては、グラスで提供するのは安価なワインでありボトルのものほどうまくないと言われ、確かに当たっている部分もありますが、昨今はお店もグラスワインを重要視していて、グラスで提供できる程度の価格でも十分おいしいワインを探してきてくれており、必ずしもグラスワイン=イマイチということもありません。もちろんほんとに高価でおいしいワインにはかなわないまでも、そこまでワインに造詣が深くないぼくのような人間には、十分満足できるものがたくさんあります。もちろんグラスワインもいろいろで、500円以下で提供しているものと、1,000円で提供しているものは、同じグラスワインでもまったく違って当たり前。おいしいものを、と思うならば、ここはケチらず少なくとも800円以上のグラスワインを選ぶことをおすすめします。もちろん、お店選びも慎重に。そしてここでも「ソワニエになること」をおすすめします。お店の人にこちらの好みやお酒の強さを知ってもらえば、きっと適切なものを選んでくださるはずです。今年もあと2ヶ月を切りました。なにかとお酒を飲む機会が増える季節ですが、おいしいものを適量に。これを忘れないようにしたいものですね。

※ソワニエの意味をくわしく知りたい人は、ぜひグルメ誌「ソワニエ」の最初のページをご覧ください。
ある日「ラタフィア」でいただいたグラスワイン。

取材・文:弓削聞平
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