
日々是食欲
間口広がり、進化著しい焼鳥屋業界に期待
2011年10月14日 08:00 by 弓削聞平
昔、焼鳥といえばサラリーマンが会社帰りに集う場所で、雰囲気はワイワイガヤガヤ、隣の席との間隔も狭く、飲んでる酒はビールや焼酎(関東だったらホッピーとかね)、あるいは安い日本酒というイメージだった。しかし、最近の焼鳥屋はだいぶ変わってきた。そのきっかけにもなったのは「八兵衛」ではないだろうか。カップルや女性同士でも違和感なく入れるオシャレで落ち着いた内装、他では出してないような創作系の焼鳥、そして酒もワインを前面に打ち出した。今でこそ焼鳥はもちろん、寿司屋や懐石の店などでもワインは普通にあるけれど、当時ワインはレストランやダイニングバーで飲むものだったから画期的だった。そんなふうにして焼鳥屋はオヤジの聖域から、ぐっと間口を広げあらゆる人が行ける業態へと変化を遂げたのだ。
そんななか最近オープンし繁盛している焼鳥屋がある。平尾の「軍ぞう」と「六角堂」だ。そういえば天神や大名付近にはだいぶ増えてきたオシャレ系焼鳥屋だが、平尾あたりはまだその流れはあまり来ていなかったので、これはいい試みのように思う。当然、内装云々の前に焼鳥をはじめとしたフードがしっかりおいしいのは言うまでもない。確かにチェーン系など従来の焼鳥屋に比べると少々価格は上がるが、それだけの価値が十二分にある。
そしてもう1軒は9月に警固小学校の近くにできたばかりの「峰」。こちらは見た感じは絶対焼鳥屋には見えない。その洗練されたデザイン・照明は少し高級な居酒屋や和食の店という佇まいだ。http://tgd.double-wise.com/?p=728そもそも「焼鳥」とはどこにも書いてなく、店名の前には「串と酒」と書かれている。それがまたいい。
そういえば、最近あえて「焼鳥」と表示せず「串焼き」とするところも出てきている。考えてみれば福岡の焼鳥屋のメニューは決して鶏ばかりではなく、王道である豚バラを筆頭に、牛、野菜などバラエティ豊かであり、それこそ福岡の焼鳥の大きな特徴ともいえる。そんなことから県外の人は「焼“鳥”じゃないじゃん」と言ったりもしているようだし、だからなのかどうかはわからないが、「串焼き」と表示するところが増えてきているのは事実だ。
この3軒に限らず、焼鳥自体のレベルもあがってきている。素材へのこだわり、下処理はもちろん、きっちり自店で串を打ち(中には自店でさばくところもある)、焼き加減も部位により変え、口に入れたときの食感や印象を計算しているところも多く、そこには職人の技を見ることができる。焼鳥屋業界に限らず、こんなふうに店の領域が広がり、あらゆる客層、様々なシチュエーションで行ける業態になることはとっても喜ばしいことだ。


写真は平尾の「六角堂」
取材・文:弓削聞平
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