日々是食欲

炭酸製造マシンが飲食店でブームの兆し

2011年09月09日 09:00 by 弓削聞平

 2年ほど前から福岡でもハイボールが大流行したのはご承知のとおり。サントリーの戦略によるところが大きいが、これほどの大ブームになろうとは誰が想像しただろう。今や居酒屋、ダイニングバー、焼肉屋、餃子屋……、あらゆる業態でハイボールが飲まれている。特に以前の大流行の頃と大きく違うのは女性が好んで飲んでいること。昔はオヤジの飲み物というイメージだったからなぁ。
 またシャンパンやスパークリングワインもここ10年くらいだろうか、以前に比べて格段によく飲まれるようになった。これはグラスで飲ませる店が増えたことでぐっと身近な存在になったというのが大きいのではなかろうか。
 そんなふうに多くの人がシュワシュワドリンクを好む昨今、驚きの製品がじわじわと広まりつつある。それは自家製炭酸マシン。つまりその器具と炭酸ガスを購入し、店や自宅で炭酸飲料を作ってしまうというもの。原理自体はシンプルだが、これがじつはすぐれものなのだ。最近、ぼくの周りではこれを導入した店が増えている。これを使えば、普通の水を炭酸水にすることができるので中長期的にみればコスト減になる。高級ソーダのようにきめ細やかな泡ではないが、市販のものより強烈なガスを注入することができ、なかなかおもしろい。ちなみにアマゾンなどでも炭酸製造マシンはいろいろ売ってるが、それらは概ねガスのカートリッジがかなり高い。しかし最近ぼくの周りで流行ってる「松園式炭酸水システム」はガスは酒屋さんなどで買える大容量のものを使用するので非常に安上がりなのだ。
 もちろんこれは水以外のものにも使える。たとえば渡辺通にある日本酒の店「ちろり」では好きな日本酒を頼むとそれにその場でガスを入れて発泡日本酒として出してくれたりもする。実際発泡日本酒もさまざまな酒蔵が製品化しているわけなのでこれは十分アリだ。もちろん酒により合うもの合わないものはあるだろうが、それを実験していくのも楽しい作業だ。
 またワインにガスを入れれば当然発泡ワインになる。これをスパークリングワインというのはいささか勇気がいるが、これもそのワインによってはなかなかイケる。
 もちろんアルコールじゃなくてもいい。これを発明した鉄工士の松園氏によると「いろいろ試してみたけど、100%ジュース、絞りたてのフレッシュジュース、トマトジュースもうまいですね」とのこと。また、お米を炊くときの水にこの炭酸水を入れたりしてもおいしく炊けるらしい。個人で買うには少々値は張るが(基本セット52,500円・ガス別)、ぼくの友人はお店と共同で購入し、店に自分がガスを入れたいものを持参すれば、自由に使わせてもらえるというふうにしている。ちょっと流行るんじゃないかなぁ。ただ、ソーダが売れなくなるのでメーカーや酒屋さんは頭が痛いところではあるだろう。

取材・文:弓削聞平
このライターの他の記事を読む

関連するトピックスTOPICS

PAGE TOP