
グルメ | 新店舗オープン
五島出身の店主が届ける、五島の食材とあご出汁仕立ての和食
2017年03月30日 12:00 by 木下 貴子
続々と新しい店が誕生し、動きが活発な西中洲に、また一つ新しい灯りがともりました。ビル1階の一番奥に静かに佇む『小料理 曾根』。てっきり曾根さんという方が始められたお店だと思っていたら、「店主の野上です」とのご挨拶。素朴な疑問で店名の由来を尋ねると、「曾根」は店主・野上明徳さんの故郷である長崎県の五島の地名という答えが返ってきました。
カウンターがメインで、奥に小上がりの席があります。

和食の世界で腕を磨き、数年前から独立を目指していたという野上さん。「自分で店をやるならば西中洲と決めていて、ずっと物件を探していました」。4年がかりで見つけた物件は、描いていた店にちょうどいいコンパクトなサイズでした。「『小料理』というと一般的に高級なイメージを抱く方も多いかもしれませんが、本来は少人数で切り盛りし、カウンターで調理するお店のことをいうんです」と話します。メインの調理場は別にあるものの、カウンターでも調理しながらお客さんとの会話も大切にしたい。そんな野上さんの希望が込められて、店は誕生したのです。
旬の魚や野菜を中心とした和食は、刺身、焼物、煮付け、揚げものとひととおり揃います。「いろいろと味わってもらえるように」とポーションを少なめに、一皿700円~と手頃な価格帯から用意してあります。五島の地名を店名にするだけあって、主な魚は五島から直送、五島ネギといった野菜なども農家と契約して直接仕入れます。また父親が漁師でとびきり新鮮な魚を食べて育ってきた野上さんは、福岡の市場にも足を運び自らの目で見て、触って確かめ、魚を選ぶことも多いといいます。
コースは6,480円から。写真の料理は7,560円のコースの一例で、上から「お造り」と「五島産タチウオの味噌づけ アスパラ巻き」。


最大の特徴が五島の特産品であるトビウオを使った「アゴ出汁」。もちろん和食の基本であるカツオ出汁を使う料理もありますが、多くがアゴ出汁を使った料理になります。そのアゴ出汁を使う料理の中で看板にしているのが「美豚と五島ネギのしゃぶしゃぶ」(1,620円)。ただでさえ甘み豊かな美豚と五島ネギが、コク深いアゴ出汁を纏い、一層うまみが増すとびきりの一品です。

お酒はひととおり揃うなか、オススメは五島産の焼酎です。

「大将としては若く見られるかもしれません」とはにかむ野上さん。おっしゃるように実年齢の34歳よりも少し下に見えますが、言葉を交わすと実直で年配の人にもすっと受け入れられるようなお人柄です。逆に若い人や女性客にとっては、西中洲という場所にあっても入りやすい印象を与えてくれます。「少しでもいいので五島に貢献できたら」という想いで出される料理、お酒、そして五島のお話など、舌に耳に心地よく響きます。

個性的な店が多い西中洲の中で「その隙間を狙って変わったことをやるというよりも、当たり前のことをきちんとする、見えない所にも気配りできるような店でありたい」とも話します。そこに重きを置きつつ、「最終的には『あご出汁の店』という認識される店を目指します」。暖簾に描かれたトビウオの絵が、その強い決意を示しています。福岡の中のプチ五島で、その食材、あご出汁の魅力をぜひ体感してみてください。
取材・文:木下 貴子
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