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LOVE FMのDJ Annaが熊本で“けんせつ小町”に聞いてみた!

2023年10月17日 11:00

皆さんは「けんせつ小町」をご存知ですか?「けんせつ小町」とは建設業で働くすべての女性の愛称です。
建設現場で働く技術者、技能者、建物の設計者、技術を開発する研究者やプロジェクトを進める営業担当、会社の運営を支える事務職など、活躍の場は多岐にわたります。一般社団法人日本建設業連合会(通称:日建連)九州支部では、九州エリアの「けんせつ小町」の活動を支援したり、建設業にかかる諸制度をはじめ建設産業における内外にわたる基本的な諸課題の解決等にも取り組んでいます。

今回は、けんせつ小町として活躍する西松建設株式会社の末継紗誉さん(入社4年目)にLOVE FM平日お昼の番組「スイッチオンDAYTIME」DJ Annaがお話をうかがいました。
 

大阪出身の末継さん。福岡が生活の拠点ですが、現在は単身で熊本県阿蘇郡南阿蘇村に住み、働いています。もともと田舎の雰囲気が好きで阿蘇での生活は寂しくないそうです。

――そんな末継さんが土木・建築分野で働こうと思ったきっかけを教えていただけますか?
私は途上国支援がしたいという理由で大学の土木学科に進学しました。就職活動の時に、現場で働くということに興味を抱き、それが可能なゼネコンに就職したいと思いました。また、ものづくりにも関心があり、様々な人が関わって一つのゴールに向かって調整をするということが面白そうだと思ったことも理由です。
 

――今はどんなお仕事をされているのですか?
熊本県阿蘇郡南阿蘇村にある黒川第一発電所の工事事務所に所属していますが、来年2月から始まる黒川第二発電所の工事に関する計画業務などを担当しています。普段は書類作成といったデスクワークが多いです。
 

この工事は、2016年4月の熊本地震により甚大な被害を受けた発電所の復旧に向けたものです。そんな大事なインフラ整備の現場で働く“けんせつ小町”の日々のスケジュールも聞いてみました。


――1日のスケジュールはどんな感じですか?
7時40分に出社し、7時50分に職員の朝礼。8時には職長(事業場や作業所[屋外の事業所]で労働者に対して指揮監督する人)を含めた全体朝礼を行います。朝礼後の私の業務は、黒川第二発電所の現場の鍵を開けることから始まります。鍵を開けて業者に現場に入ってもらった後、必要な時にはその現場でボーリング調査用の位置出し(図面と地面との位置をしっかりと合わせる最初に行う作業)を行います。現場作業がない時は、朝の段取りを確認して事務所で仕事をしています。


――末継さんのお仕事道具を見せてください。
私は現場で使用する建築用の芯が太いシャープペンシルを持ち歩いています。普通のシャープペンシルではコンクリートや型枠には書けません。また、現場では黒色は見えづらく、他人に伝わりにくいため赤色のペンを使用します。その他には、白色のチョーク、スケジュールなどの書類も作業服の胸ポケットに入れて持ち歩いています。
 

――入社してみて感じたことや気づいたことはありますか?
新入社員の時、最初に配属された部署には技術職の女性が私一人だけだったので不安もありました。また、指示を出すのが性格上苦手だったので、やっていけるか心配でした。しかし、職長たちは私に話しかけやすかったようで、必要な指示や情報が集まってきたため、この親しみやすさは自身の強みにできるなと感じました。


――苦労したことや、そこから学んだことがあれば教えてください。
私の強みである親しみやすさのおかげで仕事がたくさん舞い込んでくるのは嬉しいのですが、何でも屋になってしまい苦労しました。その経験から、頼まれたお仕事を適材適所に振り分ける能力や、仕事を上手にお願いする方法などが身についたと思います。


――現在、末継さんが働く西松建設の現場では女性社員は1割ほどだそうが、女性社員ならではの視点が強みになっていると感じますか?
私自身に自覚があるわけではないですが、前の所長からは「女性がいると現場が綺麗になるね」と言われました(笑)
 

――仕事ではどんなときにやりがいを感じますか?
現場でも内勤でも上司や職長の役に立てることが嬉しく、やりがいを感じます。明確な指示だけでなく曖昧な指示もある中で、自分で考えて行動することがバチっと決まった時は嬉しい気持ちになりますね。心の中でドヤ顔しちゃいます。(笑)
 

――では、この仕事ならではの楽しさはどういったところにあると思いますか?
この仕事ならではかどうかわかりませんが、職長や作業員との冗談が好きです。職場にはお父さん世代やおじいちゃん世代の人が多く、いろんなことを気にかけてもらえていることが嬉しいです。日常の他愛ない会話などでコミュニケーションを取ることが仕事にも影響してきます。少しの失敗は許してもらえることもあると思っています。(笑)


末継さんは大阪出身なので、ダジャレやギャグにツッコミをいれたり、毒を吐くこともあるそうです。

――プライベートなことも少し聞かせてください。趣味を教えてください?
社会人になってから登山にハマりました。先日は、富士山にも登頂しました。登山上級者の友人と一緒に登ったのですが、頂上の綺麗な景色のことよりも過酷だったことの方が記憶に残っています。(笑)


――お休みのときはどんなふうに過ごしていますか?
しっかりと遊ぶ時は登山などをしますが、普段は家事や外食、お買い物をするなどゆっくりと過ごしています。
 

――番組では楽曲のリクエストもうかがいました。
リクエスト曲は「ルパン三世のテーマ」です。私は中学3年間、吹奏楽部に所属し、クラリネットを担当していました。最後の年に、隣の吹奏楽強豪校から先生が転任してきて、そこで初めてコンクールに出て金賞を取ったということが嬉しい思い出です。今でもこの曲を聴くと金賞を取って嬉しくて大号泣したときのことを思い出します。
 

――最後に、これからの目標・将来の夢を聞かせてください。
私は結婚をしているのですが、この業界ではもともと女性が少なく、結婚後のことを悩まれる方もすごく多いです。私自身がけんせつ小町の一員としてできるところまで頑張りたいと思っています。将来の目標としては、海外勤務にも挑戦してみたいです。今の職場だとシンガポール・タイ・ベトナムなど東南アジアでの勤務が有力候補です。


――最後にけんせつ小町を目指している方にメッセージをお願いします。
先輩方の苦労があって、現在この業界では女性社員が受け入れられるようになっています。どうしても体力面や家庭の面など、男性と同じレベルで働くことは難しいと思いますが、現場はいろんな人がいろんな視点で見るからこそ品質や安全が保たれると考えています。女性ならではの視点をいかしてしっかりと働けば、仕事の評価に性別の違いは関係ないと思います。興味がある方はぜひこの業界に飛び込んでみてください。


けんせつ小町の末継紗誉さん、ありがとうございました。
海外が大好きで、英語は日常会話程度であれば話せるという末継さん。
近い将来、語学力を活かして世界を股にかけるけんせつ小町になってもらいたいですね。

 

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