グルメ | 新店舗オープン

コの字のカウンターで一期一会のような時を過ごす、ワインバー

2017年02月16日 08:00 by 木下 貴子

「ワインバーをはじめました」との一通のご案内葉書が届きました。以前、取材でお世話になった女性の方から。女性店主のワインバー…と聞くだけで、素敵な空間が待ち受けていそうな予感。葉書を手に、少しだけ迷いながら早速うかがいました。場所は、薬院に新しく建ったビルの3階。エレベーターの扉が開いた瞬間、目にしたのは想像とは違った和の趣でした。

上品な竹の壁。白い暖簾が、手招きするようにふわっと風になびきます。


入ると思わず「うわぁ」と声がでてしまいました。ワインバーというからにはいわゆる洋風なバー空間を予想していたのですが、外装と同じく内装も和。その上、スタッフの女性たちも着物の装いです。


 

店主は山本保奈美さん。学生時代に長崎のバーでアルバイトをしていた時に、人と人との縁を繋ぐバーという場に惹かれ、卒業後、バーテンダーの道を選んだと言います。「その時に何か目標をと決めたのが、3年後の独立でした」。夢に向いながら学び、働き、お酒の世界を深く知り、「周りの方々にも支えていただいて」と目標通り3年後、この2月に自分の店をオープンしたのです。

自身の店でも大切にするのは「人と人とのご縁を繋げること」。カウンターはお客みなが顔を見渡せ、会話もしやすいコの字にしました。和の空間にしたのは、「非日常的でありながらも身近で落ち着ける空間を考えると、やはり和がいいのではないかと思いました」と山本さん。「着物は空間に合わせたというのもありますが、この薬院という場所で、着物で接客することで日本に脈々と伝わる文化も楽しんでいただけたらなと」と話します。

お酒はワインを中心に、焼酎や日本酒などの注ぎものを。「造り手の想いが感じられるものが多いですね。背景にあるストーリーなどを伝えながら、生産者さんとお客様もつないでいけたら」。単に味わうだけでなく、思い出に残るような一杯として出していきたいと言います。料理は、四季にこだわり季節を感じる料理やおつまみ。メニューには「野菜と果実」「肉と海もの」「甘味とチーズ」の項目別に十数種ほど用意し、内容は頻繁に変えていきます。


↑ワインはブルゴーニュを中心に、イタリアやニューワールドなど幅広く提案します。ボトルは約50種を用意。グラスは泡1種類、赤、白を4種類揃えます(1000円前後)。

 

女性スタッフだけのため夜のイメージを定着させたくなく、また女性客も来やすい場にしたいと、開店は15時から。「クリーンなイメージを出したく、それに私が昼から飲むのが好きなので」と朗らかに笑います。天気の良い日は、昼間は日差しが暖簾から差し込み、茶室のような印象。「夕方などはシャンパンを楽しまれるマダムもいらっしゃいますよ」。お酒が飲めない方は、抹茶をどうぞ。





↑「始めたからには突出したお店になりたいです」と店主・山本保奈美さん(左)。長年の友人という冨永桃子さんとの息の合う接客にこちらもリラックス。

 

19時になると、扉にロックが掛けられます。そう、昼間はオープンに開いていますが、夜は紹介、あるいは昼間利用したことのある方のみの限定バーになるのです。チャイムを鳴らし、名乗り認められなければ入店できません。また19時以降はチャージ料1000円が加算されます。

まずは昼間に訪問し心地よい時間を過ごし、そして次なる切符を手に。夜の扉の向こうにはどんな時間が待ち受けているのか楽しみにしながら。



↑『aya』は漢字にすると「綾」。織物を表すこの名前に、山本さんの「繋げる」という想いが込められています。

取材・文:木下 貴子
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aya

住所 福岡市中央区薬院1丁目16-14 BEIDEN薬院3F
TEL 092-791-4206
営業時間 15:00~翌1:00
定休日 不定

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