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地域おこし協力隊が住み続けるまち、玄海町 Vol.1
2026年03月17日 11:00
パラレルワークとご近所づきあいを楽しむ、橘髙さんの現在地
浜野浦の「棚田クリエイター」や、棚田米おむすびの「朝ごはんコーディネーター」など、ユニークな地域おこし協力隊を募る、佐賀県玄海町。町外からやってきた協力隊員を地域丸ごとの愛情で応援し、地域に必要とされる人材へと育み、第2のふるさとに選ばれる。そんな玄海町の魅力や暮らしぶりを、地域おこし協力隊卒業後も玄海町に定住することを選んだ橘髙(きったか)ちひろさんに教えてもらいました。
あわせて読もう!▶地域おこし協力隊が住み続けるまち、玄海町 Vol.2 定住を決めて起業した、武藤さんの今とこれからは

ーー橘髙さん、今日はよろしくお願いします。まずは「玄海町ってどんなところ?」というみなさんのために、玄海町のプロフィールを紹介してください!
玄海町は本当に美しい町です。町の西側にある仮屋湾は、のんびりとおだやか。そして、玄界灘に面した海岸は、リアス式海岸の複雑な入江が続いています。なかでも、浜野浦という入江にある棚田は、私が大好きな場所です。さまざまな形の田んぼが、海から階段のように連なっていて、水を張った棚田に夕陽が映る風景は、ずっと眺めていられるほど。私は浜野浦の集落に住んでいるのですが、棚田に来るたび、いまだに感動しています。
浜野浦の棚田でお米も育てていて、「この風景のなかで農作業ができるとは、なんて贅沢なこと!」と、いつも思っています。

橘髙さんも浜野浦の棚田に田んぼを借りていて、家族で米づくりをしています。
浜野浦の棚田は、約400年前の戦国時代につくられました。名護屋城築城のために集まった石工たちが技法を伝えたそうで、当時の棚田が今も残っています。海岸側から見る棚田は石垣が圧巻!で、歴史を感じます。上から眺める景色とは違う迫力がありますよ。
また、玄海町にはおいしいものが山ほどあることも、伝えておきたいです! 私は地域おこし協力隊として、「玄海町みんなの地域商社」の職員をしていました。仕事のひとつに、玄海町の名産品の発信があったのですが、佐賀牛、鯛、牡蠣、いちご、みかんなど、どれもおいしくて、仕事といえど胃袋をつかまれっぱなしでしたね。
当時は、仕事で生産者さんとお話させていただくことも多く、モノづくりにかける熱意やプライド、いつもさらに上を目指す姿がとてもかっこよく見え、”この人の役に立ちたい”と思う日々でした。
ーー橘髙さんは、地域おこし協力隊として玄海町に移住した当初、お住いの浜野浦集落のみなさんはどのように迎えてくれましたか?
玄海町にやってきたのは、2020年6月のことです。インドネシア人の夫・Jupとの結婚を機にインドネシアへ移住し、一時帰国していた際、前職のNPO法人の仕事を少し手伝うことになり、映像制作のコーディネーターとして、浜野浦の棚田を訪れました。そのとき、棚田の景色と浜野浦のみなさんの温かさにふれて、「こんな素敵なところで暮らせたらなぁ」を思っていたところ、地域おこし協力隊の募集を知って応募しました。
地域おこし協力隊に応募したときには、長男を妊娠しており、出産2か月後に家族3人で玄海町へ引っ越しました。浜野浦のみなさんは、まさか外国人がご近所さんになるとは、思ってもみなかったと思いますが、現在住んでいる一軒家を貸してくださることになりました。地区のみなさんも最初は「大丈夫かな?」と心配されたはずですよ(笑)。今となっては、みなさんとっても気にかけてくださいます。

橘髙さんと夫でインドネシア出身のJupさん。インドネシアはご近所づきあいが盛んなので、浜野浦の暮らしは性に合っているそう。
また、大家さんのご厚意で、今住んでいる家を譲っていただけることになり、私たち家族は、さらにしっかりと浜野浦に根を張れるようになりました。
ほかにも、軽トラが必要になったと相談すれば、みんなが気にかけてくれたり、雨どいが壊れていたら、ささっと直してくれたり、家の前の畑をトラクターですいてくれたり……いろんな思い出があります。
棚田の田んぼも借りて、自分たちで米づくりをしているので、米の育て方もしっかり教えてもらいました。そんなふうに、いつも気にかけてくれる浜野浦のみなさんのおかげで、ここでの暮らしが成り立っています。
ーー地域おこし協力隊卒業後も、浜野浦集落に住み続けることになった、きっかけはあるのですか?
それが、特に大きなきっかけはないんですよね?。ただ、移住当初から「私って浜野浦で生まれ育ったんだっけ?」というくらい、この場所が好きになり、集落にもすっかりなじんでしまったんです。ご近所の方が同級生の話で盛り上がっているとき、「あれ、私はいなかったんだっけ?」と、不思議な気持ちになるほどです。

橘髙さんは地域おこし協力隊として、棚田の保全や米づくりに体験にも関わってきました。
また、夫も「インドネシアの故郷にどことなく似ている」と気に入っています。ご近所付き合いがあるのも、インドネシアと一緒なので落ち着くそうです。
以前、「ここにリトル・インドネシアをつくりたい!」と冗談半分で言っていたのですが、最近はインドネシアからの技能実習生が玄海町で暮らしています。彼女たちが家に遊びに来てくれたときは、わが家がリトル・インドネシアになっていましたね。これからも、気負わず交流を続けていきたいです。
ーー橘髙さんが浜野浦集落に暮らして6年目です。みなさんの温かな受け入れ体制のおかげもあり、おふたりにとって浜野浦集落は、第2のふるさとになっているようですね。
息子にとっては、本物のふるさとですもんね。そしてもうひとり、浜野浦がふるさとになりそうな人がいます。地域みらい留学生として、埼玉県から玄海町にやってきた高校生です。今、わが家に長期ホームステイのようなかたちで、受け入れをしています。

地域みらい留学生の海珀(みはく)さんと毎日おしゃべり。晩ごはんにJupさん手作りのインドネシア料理を食べることもあるそう。
留学生を受け入れている青翔高校の先生の熱意に後押しされたのもあり、また、私自身、自分が好きになった玄海町を、町外から来る高校生にも思いきり楽しんでほしいという気持ちもありました。
2026年度で、海珀さんも3年生です。今年は彼女の後輩たちもたくさん入学予定なので、楽しみですね。
ーーお話を聞いていると、地域のなかへ自然体なまま深く溶け込み、橘髙さんらしく町に貢献されている印象です。このような現在地にたどり着くには、浜野浦のみなさんだけでなく、行政の方々からのサポートもあったのでしょうか?またご自身たちも努力をされたのでしょうか?
自分たちで心がけたのは、「入れるコミュニティにはできるだけ入ろう!」ということくらいです。
私の職場や浜野浦集落以外にも、夫の職場のコミュニティ、子どもの保育園のコミュニティと、広がりがあるのが良かったのかもしれません。その点は、単身ではなく、ファミリーで移住することのメリットかもしれません。

いろいろなコミュニティに顔を出し、仕事も掛け持ちしているので「地域おこし協力隊の時より忙しいかも」と橘髙さん。
夫のJupは、浜野浦の消防団にも入ったんですよ。最初は言葉が分からないから迷惑をかけてしまうかもと遠慮していましたが、「やっぱり、どこかが火事になったとき、放ってはおけないよね」と相談に行きました。すると、歓迎して仲間に入れてくださって。
外国人を受け入れてくださる方たちのほうが大変なのに、「自分たちから言ってくれてありがとう!」なんて声をかけてくださいました。その温かさにも感謝しています。
ーー地域おこし協力隊を卒業後は、どのようなお仕事をされているのですか?
繁忙期の人手が足りない農家さんで、農作業をさせてもらっています。春先まではいちご、その後はハウスみかんと、複数の農家さんに通って、繁忙期をバトンでつなぐように働いています。地域おこし協力隊の頃より、忙しいほどですよ。
そのほかには、以前勤めていた地域商社や玄海町役場から短期のお仕事をいただいたり、飲食店のバイトさんのピンチヒッターや、町内事業者さんが開催するイベントスタッフとして呼んでいただいたり、玄海町で生まれたご縁から、いろいろな仕事ができて、楽しいです。

浜野浦の集落に暮らすいちご農家・𠮷田農園の𠮷田孝喜さんと。この日の仕事は、白いいちご「こころの色」の収穫でした。
そうしたなかで、興味が出てきたのが、生産者さんが人手不足のときに、働きたい人を地域内で募られるような仕組みづくりです。たとえば、冬から春先はいちご、夏はハウスみかん、秋は露地みかんといったように、牡蠣や真鯛の養殖、酪農や畜産など、生産物が豊かな玄海町だからこそできる働き方ですし、生産者のみなさんにとっても、玄海町への移住を考えている若者にとっても、すごくいいですよね。
ーー移住してきた人だからできる、新しい働き方の模索や提案って、あるのかもしれないですね。2026年度から新しい地域おこし協力隊の方もいらっしゃるようですし、今後の玄海町の動きが楽しみです!
そうですね。玄海町への移住を考えたとき、住む場所と仕事が見つからずに、あきらめる人もいると思うんです。仕事は、さきほどお話ししたような仕組みづくりで、フォローできるといいですよね。

日常に美しい棚田がある浜野浦の風景を未来につなぎたい!
家に関しては、空き家があるにはあるのですが、すぐに住める状態でないことが多いようです。でも今後は、わが家の大家さんが私たちにお家を貸してくれたように、「ちょっとリフォームしてでも、人に貸したり、売ったりしてもいいかも」と考える方が、増えるかもしれません。
これからも、地域おこし協力隊のメンバーはもちろんのこと、移住をしたい方も巻き込んで、より住みやすく、働きやすい玄海町になるよう、この大好きな玄海町のために、少しでも貢献できればと思います。
ーーいいお話をありがとうございました! 今後も橘髙さんのご活躍に期待しています。
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