グルメ | 新店舗オープン

とんかつであってとんかつでない!? 色も味わいも……概念が変わります

2019年03月08日 12:00 by 木下 貴子

とんかつの衣はきつね色……という常識が覆されました。天神に新しく誕生した『わか葉』のとんかつの衣は、なんと白いんです! もちろん真っ白いわけではなく、ほんのり揚げ色がついた衣というのが正しいのかもしれませんが、それでも一般的に思い浮かべるとんかつの色とは明らかに違います。

その秘密は低温調理にあります。とんかつは高温の油でカラッと揚げるのが通常の調理方法ですが『わか葉』の場合、まず低温の油でゆっくりと揚げ、取り出した後しばらく時間を置くといいます。「油から上げた段階では、肉はまだ生の状態です。上げた後に余熱でじっくりと肉に火を通していきます」とご主人。「揚げるというより蒸すに近い、ローストビーフのような調理方法ですね」。

低温でじっくり熱を通すため、調理にかかる時間はおよそ20分。「お待ちの間に」とテーブルに置かれたサービスのお惣菜を食べているところに、鹿児島産うんまか豚の「ロースカツ定食」(1,400円)が運ばれてきました。


見てださいこの上品な白い衣とうっすらピンク色のお肉を。「食べ方はご自由ですが、まず、何も付けないで召し上がってみてください」とすすめてくれます。何も付けない? 塩でいただくとんかつは食べたことがありますが、何も付けないのは初めてです。


ご主人を信じ、そのまま口に運んでみると……。じゅわっと溢れる肉汁とともに口に広がる豚の旨味が……甘ーい!「うんまか豚のような銘柄豚はとにかく脂が甘いんです。それを味わっていただくために、まず、この食べ方をおすすめしています」との言葉に納得です。

油で食材を揚げるとぶくぶくと泡が出ますが、これは食材から水分が抜けているからです。ですが、『わか葉』のように低温で揚げる場合はほとんど泡が出ない、つまり水分が留まるため、食材がもつ旨味が残るというわけです。とんかつは、塩、2種類のソース、大根おろしで食べることもできますが、一口目はぜひ何も付けずに食べてみてください。

パン粉は、薬院六つ角のパン屋「むつか堂」に特注した、とんかつ用に作られた食パンを使用。調理する直前にパン粉を挽くため、ふわっとサックリ、パン粉の風味も豊かです。

とんかつ定食には、鹿児島産うんまか豚の「ロースカツ定食」(1,400円)、「上ロースカツ定食」(1,650円)、「ヒレカツ定食」(1,600円)、熊本産りんどう豚の「ロースカツ定食」(1,600円)、「上ロースカツ定食」(1,850円)、「ヒレカツ定食」(1,800円)を定番とし、さらに月替わりで厳選の銘柄豚を使った定食も提供しています(時価)。


こちらは「ヒレカツ」です。


とんかつ定食のほかに「カツ玉丼」(1,000円)、「カツカレー」(1,100円)、「メンチカツ定食」(1,050円)、また「しょうが焼定食」(1,000円)などの月替わりメニューも用意されています。ランチタイム(月~金の11:30~14:00)には限定30食の「ランチロースカツ定食」「ランチヒレカツ定食」(各1,000円)もあります。

「低温調理のとんかつ店は今後増えてきます。とくに海外からの観光客が多い福岡天神で、低温調理とんかつを日本の新たな食文化として世界に発信していきたいんです」とご主人。白き衣に包まれた、ジューシーで旨味たっぷりな豚肉……とんかつであって、とんかつでないその味を、いち早く経験してみてください。

場所は天神1丁目、水鏡天満宮そばの道沿いにあります。1階はカウンター席とテーブル席で、2階にもテーブル席があります。

取材・文:木下 貴子
このライターの他の記事を読む

プレイス情報PLACE

とんかつ わか葉

住所 福岡市中央区天神1丁目15-36
TEL 092-406-8189
営業時間 11:00~14:30/17:00~21:00
定休日 日曜

関連するトピックスTOPICS

PAGE TOP