日々是食欲

福岡の中華がおもしろくなってきた

2016年09月08日 08:00 by 弓削聞平

 美味しい店が多いことで知られる福岡だが、こと中華料理に関しては、ここに連れて行きたいという店が少なかった。いや、大衆中華はそれなりに安くて美味しい店がいくつもあるのだが、記念日にとか、女子会とか、県外者を連れて行くとなると、悩まざるをえなかった。

 しかし、2年ほど前六本松に「凜丹」ができた頃から、福岡の中華料理業界はにわかに活況をおびてきた。その凜丹は1年後には西中洲に支店を出し、この9月には平尾に3軒目を出すという。天神のテルラビルには「SESSION」という広東をベースにした新店もでき、こちらでは福岡の若手料理人を中心とした勉強会も不定期で行われている。また、ミシュランでビブグルマンを獲得した「星期菜(セイケイツァイ)」は、今年になって白金、天神と立て続けに出店した。極めつけのうれしいニュースは、四川料理の料理人として全国でも名を知られる荻野氏の店「巴蜀(はしょく)」が、この8月、東月隈というかなり不便な場所から美野島に移転したことだろう。

「巴蜀」の「豚肉のおこげ」はコース料理の一例。

 そのほかにも、警固の「マンダリンマーケット文華市場」、港の「チャイニングブース」、博多駅南の「杏仁荘」、西新の「高福」など、少しオシャレでお酒も楽しめる店も増えてきた。

 そんな風を受けて、10日に発売する〈ソワニエ〉の特集は「福岡中華、絶賛進化中!」だ。ぼくが担当したページでは香椎宮前の「随園」がヒット。あ、天神サイトエリアじゃなくてスミマセン。でも安くてうまいんです。中華料理で無化調っていうのも珍しいし。あとは、取材拒否で掲載に至らなかった店が数軒・・・。いつものことながら残念至極。でも、他にも美味しいお店がたくさん載ってますから、ぜひ書店、コンビニ、アマゾンでお求めください。

香椎の「随園」の料理から「豚スペアリブのスパイシー揚げ」。

取材・文:弓削聞平
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