日々是食欲

サバサンドって、食べたことある?

2013年10月10日 08:00 by 弓削聞平

はじめてサバサンドを食べたのはもう10年以上前だったと思う。場所は渡辺通の路地にあった超ディープな酒場「ジャポニカ」。今、思えば店主はどこからサバサンドを発想したのだろう? どこかで食べたのだろうか? あれから「ジャポニカ」は場所を変え、店主を変え、業態を変えてきたけれど、未だにサバサンドはメニューに載っている。

「ソワニエ」でも9/20発売で7ページわたってサバサンドの企画をやった。そして「アフロ福岡」でもサバサンドの記事をアップしている。さらにぼくは観てないのだが、9月にNHKの料理の番組でもサバサンドを取り上げていたらしいし、10月に入ってからKBCの「アサデス。」やTBSの「ひるおび」、さらには西日本新聞でもサバサンドが取り上げられていた。また、この原稿を書いている10/6にはベイサイドプレイスでやってる「アンティーキング」というイベントでも露天でサバサンドが売られている。なんなんでしょうね、この突然の盛り上がり。

まだ記事を読んでない人のために簡単に紹介すると、サバサンドというのは元々トルコで屋台みたいな感じで売られているものらしい。基本形はサバを焼いて野菜とともにバゲットにはさむというシンプルなもの。しかし福岡のサバサンドは店の人たちの創意工夫で、焼いたものはもちろん、揚げたもの、シメサバ、ゴマサバなどさまざまな調理をほどこしたサバをはさんでいる(マリネっぽいのもイケるはずだ)。そしてパンもいろいろだ。バゲットあり、フォカッチャのようなのあり、食パンあり、もちろんバーガータイプもある。それらの縦横無尽な組み合わせにより、福岡のサバサンドのバリエーションは実に豊かで楽しいものになっている。

ぼくは元来サバ好きで特に塩サバが大好物だが、「ジャポニカ」で食べるまでパンにはさむなんてことは考えたことがなかった。おそらく今これを読んでいる人の多くも、塩サバとパン〜〜〜? と微妙な表情をしているはずだ。しかしだまされたと思って一度食べてみてほしい。サバが嫌いじゃなければ、たぶんそのうまさに驚くはずだ。

これからサバサンドを出す店がどんどん増えていって、おかあさんが子供におやつや朝食に作ってあげたり、学校の給食に取り入れてもらったりして、サバサンド屋台が出たりと、福岡の地に根付いていってくれたらおもしろいな〜。数年後には「佐世保バーガー」並に全国レベルのご当地グルメになってたりしてね。




上から「サフラ」「ちろり」「TANGA」のサバサンド。

取材・文:弓削聞平
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