
日々是食欲
話題の「俺の……」が九州初上陸!
2013年03月14日 08:00 by 弓削聞平
昨年東京では「俺のフレンチ」とか「俺のイタリアン」という飲食店が大ブレイクした。外食産業記者会が主催する「外食アワード2012」でも「外食事業者部門」で受賞したこれらを展開する「バリュークリエイト」の創業者はなんとブックオフの創業者・坂本孝氏だ。
この「俺の」シリーズのビジネスモデルは簡単にいうと薄利多売。通常飲食店の原価率は30%と言われるが、この系列はおよそその倍だという。オマール、フォアグラなどの高級食材を使ったメニューを一般的なレストランの半値以下で提供し、そのかわり、スタンディングにして回転率を通常の店舗の2、3倍にする。また、メディアでの情報によると、ミシュラン星付きのレストランの料理人などを連れてきて、料理のレベルもたいそう高いとらしい。そんなこともあり、東京のこれらの店は連日満席で、マスコミにも多数取り上げられた。
そのシリーズの新展開「俺の割烹」が、2月22日福岡の中洲にオープンした。銀座にも出店するそうだが、それに先駆けての福岡への出店だ。なんで?
しかしさすがに昨年ブレイクした「俺の」の九州初上陸だけに、オープン直前くらいからぼくのフェイスブックのタイムラインはその話題でもちきり。オープン後もいつものようにあちらこちらの店に行くと、「行きました?」と言う会話が飛び交っていた。これだけ話題になった店はここんとこ聞いたことがない。
しかし福岡は元々居酒屋のコストパフォーマンスの高さには定評があり、特に魚介系メニューはうまいものが手頃な価格で提供されている。その地で東京の店がコスパをウリにした居酒屋をやるというのは、普通に考えるとかなりの冒険なはずだ。しかもなぜかこの中洲の「俺の割烹」はスタンディングではないのだ(東京も一部テーブル席がある店もある)。しかも130席というかなりの大バコ。これは「俺イタ」や「俺フレ」より圧倒的に広い。確かに東京に比べて家賃や人件費が安いというのはあるが、これでそもそも回転率重視のビジネスモデルが成り立つのだろうか? もしかしたら、福岡はスタンディングがなじみにくい土地柄という判断であえてそうしているのかもしれない。しかし、ぼくは東京の「俺イタ」などには行ってないのだが、聞いた話だけで想像するに、福岡でやるなら洋食であるあのモデルをそのままもってきた方がインパクトはあるような気がする。
しかし、なにせブックオフを今のような企業に育て、まったく違う飲食業界でも瞬く間に話題をさらっていったあの創業者だから、当然周到な試算があってのことだろう。一般的に飲食店(特に居酒屋)への評価が厳しく、東京からの出店の成功率が極めて低いと言われる福岡での、「俺の」シリーズの今後の展開から目が離せない。
取材・文:弓削聞平
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