2012年秋、フランス・ミュージカル界に革命を起こした作品が、2016年に東京・帝国劇場での東宝版初演を行い、鮮烈な音楽・洗練された演出が話題を呼び完売へと至ったミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』。
グルーヴ感溢れるロックナンバー、涙を誘うバラード、スピーディーなストーリー展開を巧みに操り、フランス革命の最中に生まれた愛を描き出した。再演となる今回、新キャストを迎えパワーアップした本作の待望の福岡公演が決定。本作で、主人公のロナンをWキャストでつとめる小池徹平が来福し、作品の見どころや先日東京公演を終えたばかりの2年振りの再演で掴んだ手応えなどを語ってくれた。

——東京公演を終えられて、これから地方公演に出られますが、今の心境はいかがですか？

小池徹平：毎日ものすごい熱量で3時間の公演をやって、東京公演でも長いなと思っていたのですが、それをやりきってもなお、67公演が残っていると気づいた時に、僕たちはとんでもないことをしようとしているんだと、改めて実感しました。東京公演でも毎公演、みんながケガのないようにと気をつけて演じて来ました。先日、大阪公演に向けて改めて稽古をしたんですけど、その時により団結感を感じました。このまま最終の地である博多座公演まで走り切りたいと思います。

——歌やダンスが多く、体力的にも大変な作品だと伺いました。2年振りにロナンを演じてみて、ご自身の変化を感じたことはありますか？

小池徹平：自分自身としては、2年前に演じたロナンのことは全然意識していませんでした。今回は再演なので新たな気持ちで臨んだのですが、改めて台本を読み直してみると、同じ台詞でも前回にはなかった感情が出て来たりしていました。実際に稽古場で演じてみたら、前回とは違った動きをしたくなったりして、僕自身も変化しているんだと感じました。なので、前作に捕われること無く、新たなロナンを作れればいいと思っていますし、新しいキャストの方が参加されることで、必然的に芝居も変化していました。それに他のキャストのみなさんと2年振りにいっしょに稽古をしてみて、みなさんのパワーアップした部分も感じられましたので、さらに作品自体もパワーアップして博多座に迎えると思うとワクワクしています。

——小池（修一郎）さんの演出は変わらずでしたか？

小池徹平：2年ぶりにお会いして、（演出が）細かくなったなという感じはしました。前回で掴んでいたものにプラスして、そこをより深めていく作業でした。僕たち以外のアンサンブルさんのお芝居についても、細かく、何回も繰り返したりしていたので、全体的な作品のクオリティーはさらに上がっているのかなと思いました。

——オランプやマリー・アントワネットなどもWキャストですが、相手が変わると芝居が変わるということはありますか？

小池徹平：もちろんです！オランプにしても、神田沙也加さんも夢咲ねねさんもタイプが全然違うので、毎回楽しいです。逆に僕こそ油断できないというか、毎回同じ事をやっても面白くないですし、舞台の醍醐味は毎回ライブで芝居をすることなので、同じものはひとつもありませんからね。演出の小池さんも僕らの芝居に関しても、芝居の部分、歌の部分、ダンスの部分と、それぞれにより細かく演出してくださいますので、2年前よりも楽しく演じさせていただいています。

——この作品は、九州では初の上演となります。九州のファンに一言お願いします！

小池徹平：フランス革命が起こった時代がぎっしりつまった作品ですし、なんと言ってもマリー・アントワネットの華やかな衣裳とセットで出てきます。視覚的にも、楽曲も楽しめるし、ダンスもスゴいんです。言い出せばきりが無いほど、見どころがたくさんあるミュージカルなので、3時間でお腹いっぱいにさせる自信があります。初めての方は、この時代の背景の知識を少し持ってご覧頂くと、より楽しめるんじゃないかと。ぜひ楽しみにしていてください！