●幼い頃から慣れ親しんだ木のぬくもり
丸くくり抜かれた木の台座に小石原の素敵な器。どちらにも確かな職人の手仕事が感じられます。
軽くて安価なプラスチックもいいけれど、作り手の思いのこもったものには、心を豊かに、そして日々の生活を楽しくしてくれる力があるように思います。
2022年度の「福岡市トライアル優良商品」に認定された『Kinoaruペットフードボウル』は、地域の資源をいかしながら、木のぬくもりや温かみ、職人の高い技術を伝えたいと開発されました。

商品を開発、販売する株式会社イーフラット代表の江口由香さんにお話を伺いました。

私は日田の生まれで、父が製材所を営んでいました。なので、幼い頃から木は常に身近にあったんです。一時広告代理店に勤務をしていたのですが、気がつくと父の工場が在庫の山に。これは大変だ！となってそこから、少しずつ父の仕事を手伝うようになりました。建材や床材をネットで販売するサイトを立ち上げ、在庫を減らし、製材所の仕事をする内に、工場のあちらこちらに転がっている丸太をきちんと加工すれば売れるんじゃないかと思ったんです

（画像提供　Kinoaru）

木の香りって気持ちがほっと落ち着きますよね。それに、木のある生活の安心感や心への影響は私が幼い頃から身をもって経験してきました。その良さをもっとたくさんの人に伝えたいと思い父に相談をしたんですが、親子だとうまくいかないことが多くて（笑）。
まずは丸太のスツールからスタートしましたが、家の中に置くものだから、きれいに加工が必要と言っても「そこまでせんでもよかろうもん！」の繰り返しで…。結局、全く別の仕事をしていた夫を巻き込んで、丸太を加工して販売をする会社を2020年に立ち上げました。
 

●飛び込んで知る、国産材の現状
父に製材所や加工所を紹介をしてもらったり、市場へ足を運んだり、スツールやカッティングボードから販売を始め、製材のことを勉強するうちにいろいろなことが見えてきました。

（画像提供　Kinoaru）

例えば、日本は森林国なのに、安い輸入材に頼り国産材があまり使われていないこと、高い技術をもった職人さんが大勢いらっしゃること。同時に、林業に携わる人がどんどん減り、技術が衰退しつつあることも知りました。「もったいない、少しでも伝えたい、みなさんに使ってほしい！」今も変わらないその気持ちが起業の原動力だったように思います。
当時、体調をくずしがちだった主人も、朝倉の工房に何度も通い、おいしい空気の中で木に囲まれて働いているとすっかり元気に。やっぱり、木のパワーってすごいな〜と改めて感じました。


●より地域に根ざした商品づくりを

（画像提供　Kinoaru）

工房のある朝倉や浮羽に通っているうちに、たくさんの知恵や技術をもった方々と出会うことができました。それまでは、スツールやボードのみだったのですが、皆さんの技術や木の魅力を伝えるには、地域色を出したほうが伝わりやすいと思うようになり、地域に根ざした商品が作れればと考えるようになりました。
そこで、普通のものではなく、九州産の檜と地元の小石原焼とを組み合わせてペット用のフードボウルを作ろうと思ったのが『Kinoaruペットフードボウル』開発のきっかけです。

そう思い立ったものの、小石原焼の窯元につてがあるわけではなく、一軒一軒窯元さんを訪ね、コンセプトを伝え、作っていただけるところを探しました。そんな中、「圭秀窯」の梶原さんと出会えたのは本当にラッキーだったと思います。何度も試作を重ね、細かいオーダーにも粘り強く対応していただけたこと、条件面での折り合いがついたことで、土や手作りのぬくもりを感じながらペットにも配慮した素敵なフードボウルを作ることができました。

色は白磁と飴釉の2色。木部分は、できるだけ風合いをいかし、ペットが舐めても大丈夫なように自然塗料を使用、撥水効果の高い塗料のため、水洗いも可能です。

輪切りにした丸太は必ず乾燥の段階で割れ（ヒビ）が入りますが、これも木が生きている証拠。Kinoaruでは、怪我防止のため、割れの内側まで磨き、なめらかにした上で商品を届けています。

（画像提供　Kinoaru）

小型犬や成猫にちょうどよいサイズ感。台座の高さはオーダーメイドも可能

大きさは小型犬や成猫にちょうどよいサイズにしています。外から見るとエッジの効いた見た目ですが、食べ残しがないよう、内側にはカーブをつけています。マズル（口の周りから鼻先にかけての部分）が短い子でも最後まで残さずに食べやすいデザインとなっています

（画像提供　Kinoaru）

ギフトにもぴったりの化粧箱入り。お届けは、部屋に飾りたくなるような、手作りの可愛いミニリースを添えて。そんなちょっとした気遣いも嬉しい。

2022年に販売を始めたばかりの商品ですが、朝倉市のふるさと納税返礼品として取り上げられたことで、多くの方にお問い合わせをいただき、商品を知っていただくきっかけになりました。

https://www.furusato-tax.jp/product/detail/40228/5500555

まだまだこれからですが、きちんと作られた商品が正当な価格で評価され、これからも知恵や技術が長く受け継がれていくことができるような、そんな世の中になればいいなと思いながら、「Kinoaru ペットフードボウル」を育てていきたいと考えています。


『Kinoaruペットフードボウル』に関するお問い合わせは
株式会社イーフラット　までお問い合わせください
info@e-flatco.page
https://kinoaru.jp/

商品詳細ポスターはこちら（※PDFが開きます）＞＞

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