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バンクシー作品があふれる街並みにトリップ!「WHO IS BANKSY」

※このイベントは2023年3月26日(日)をもって終了しました。

2023年01月02日 11:00 by 深江久美子

なぜこの時期に、この場所にバンクシーは描いたのか?

その答えを身近に感じる展覧会「バンクシーって誰?展」が12月17日(土)より福岡アジア美術館で開催されました。バンクシーといえばイギリス社会をはじめ、世界紛争や社会問題を現代アートで表現する覆面アーティストとして知られています。それらを痛烈に批判する作品は、見る者に痛快さと共感を覚えさせます。


会場への入口がロンドンの路地にようになっており、スタートから世界観が伝わってきます。
 

壁の隅にはスプレー缶が無造作に並び、何でもないところに空き缶や煙草の吸殻などが置かれ、まるで映画のセットのよう。テレビの美術チームが手掛けているので街並みの再現度が高いんです。ぜひ、みなさんも会場で細かい部分も注目して見てまわってくださいね。


この作品はGCHQ(英国政府通信本部)近くの建物に出現した≪Spy Booth 2014 Cheltenham,UK≫。通話の内容を盗聴する国家の監視活動を批判したと考えられています。その後、建物ごと保護されることが決定していましたが、老朽化を防ぐ工事中になくなってしまったそう。真相は謎のままです。


バンクシーの故郷であるブリストルにある急な坂道ヴェール・ストリート沿いの家に描かれたのは盛大なくしゃみをするおばあさん。くしゃみで建物が傾いたと傾斜を利用した作品です。コロナ禍に描かれたことから、マスクをつけないことによってウイルスが拡散することへの警鐘ともいわれています。


フェルメールの名作『真珠の耳飾りの少女』をモチーフにした≪Girl with a Pierced Eardrum(鼓膜が破れた少女)≫。耳飾りを黄色い警報で代用した作品に、何者(バンクシー?)かが医療用マスクが描き加えたそうです。上書きして新たな作品にすることでほかの意味をも与えるグラフィックアートって奥が深くておもしろいですね。
 

長年パレスチナ問題に関心を寄せてきたバンクシーが、2017年にパレスチナ自治区のベツレヘム市内にオープンさせた「The Walled Off Hotel(壁で分断されたホテル)」を再現。実際にはイスラエル政府が築いた高さ8m、全長700kmに及ぶ分離壁の目の前に建っています。世間の目を少しでもパレスチナ問題に向けさせ、関心を引いているのです。


2014年夏、軍事攻撃により廃墟としたガザ地区のベイトハヌーンを再現。ここに壁画を描くと、たちまち国際的な支援団体がこの地区の人々の援助に名乗りを上げたそう。


全7種のブラインドマグネット(各660円・税込)、iPhoneケース ネオンサンド(各2,970円・税込)ピンバッジなどのグッズをはじめ、福岡会場でしか手に入れることができないクリアファイル(200円・税込)やショッパー(300円・税込)も!展覧会カタログ(1,650円・税込)もあるので、自宅に帰ってもバンクシーの世界に浸れます。


今回は一部をご紹介しました。ほかにもプライベート・コレクター秘蔵の額装作品なども展示されています。ぜひ、会場に足を伸ばして街並みの再現展示で没入空間を体験してください。

※写真は全て福岡アジア美術館

取材・文:深江久美子
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バンクシーって誰?展EVENT

期間 2022年12月17日(土)~2023年3月26日(日)
時間 10:00~18:00
※最終入場は30分前
※ナイトミュージアムは毎週金曜・土曜20:00まで開催
料金 (平日)一般当日2,000円、大学・専門学生1,700円、小学・中学・高校生1,200円
(土日祝)一般当日2,200円、大学・専門学生1,900円、小学・中学・高校生1,200円
イベント公式URL https://whoisbanksy-fukuoka.jp/
お問い合わせ 展覧会事務局(TEL:092-732-1688/平日10:00~17:00/スリーオクロック内)

プレイス情報PLACE

福岡アジア美術館

住所 福岡市博多区下川端町3-1 リバレインセンタービル7・8F
TEL 092-263-1100
定休日 毎週水曜日(水曜が休日の場合はその翌平日)
URL http://faam.city.fukuoka.lg.jp/

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