
音楽
「文化・エンターテインメント施設開放事業」立川翼ライブ@森本能舞台をレポート
2021年11月27日 11:00 by 筒井あや
コロナ禍で活動自粛を余儀なくされた、福岡市内を拠点に活動を行う文化・エンタメ分野のアーティストに対し、市内の施設を開放する「文化・エンターテインメント施設開放事業」が現在実施中。
イベント会場の会場費及び、機材費等に至るまでの金銭面を福岡市がバックアップ。この制度を利用したい会場を募り、その場所でライブ・公演をしたいアーティストをマッチングしていくスタイルで10月~12月の間、市内で様々なイベントが開催されています。
●「FUKUOKA STAGE -文化・エンターテインメント施設開放事業」㏋
https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/contents/business/bunka-entame-shisetsukaihou.html
今回天神サイトでは、11月14日(日)に森本能舞台で行われた立川翼さんのライブをレポートします。

【立川翼さんインタビュー】
――コロナ禍ではどのような活動をされていましたか?
新しいアルバムを今月11月6日にリリースしたのですが、本来はコロナが始まる前に発売する予定でした。それに合わせて全国ツアーも組んでいたので、それを中止にせざるを得なかったこと、そして歌える場所がなかったことが一番苦しかったです。
それでも自分にできることは何かないかと、配信ライブを始めました。毎月「翼の日」(ファンクラブイベント)を設けているのですが、コロナ前はバスツアーをしたり夏祭りをしたり色んな企画をしていました。それを、配信でみなさんに楽しんで頂けることはないかと、バレンタインデーにはチョコレート作りをして観てくださっている方にプレゼントしたり、ファンのみなさんと繋がっていられることを考えていました。
――コロナ禍で色んな事を考えられたと思いますが、今後に繋がりそうな新たな発見はありましたか?
配信をしてよかったこともたくさんありました。コロナ前に転勤された家族や県外のファンの方から「配信をしてくれたから観られるようになったのでうれしいです」というお便りもたくさん頂けて。
それが本当にうれしかったです。コロナでは大変な思いもたくさんしましたが、それによって気づけたこともたくさんあったので、それはいいことだと受け止めようと思っています。

――今回のようにお客さんを入れてのライブはどれくらいぶりですか?
かなり久しぶりです。緊急事態宣言が明けたら有観客のライブはできるようにしていたのですが、それでも数ヶ月ぶりですね。コロナ禍で活動できる、表現できる場所も少なくなっていて、そんな中でこうやって福岡市がバックアップしてくれるというので、迷わずにやりたいと思いました。抽選だったので、受かるといいなと願っていました。

――「文化・エンタメ施設解放事業」に応募されようと思われたきっかけは?そして森本能舞台を選ばれたのはどうしてですか?
きっかけは、マネージャーからこういう企画があるけどどう?と聞かれたので、ぜひやりたいと答えました。僕たちはライブハウスではやりますが、こういう神聖な場所でライブをやる機会はそんなに多くはなくて。僕自身もそうですが、応援してくださるお客様もいつも観ている風景ではなく、新しい場所でのライブを体験してもらえたらと思いました。それで森本能舞台さんを第一希望で出させて頂きました。
――森本能舞台でのライブに手応えはありましたか?
もちろんありました。こういう芸能の原点でもある場でライブをできる機会をいただけてよかったです。能について詳しく教えて下さった森本さんとの出会いも僕にとっては貴重なものになりました。

――今後の活動の予定と目標をお聞かせいただけますか?
1月10日のZepp福岡公演を皮切りに全国7カ所で行うツアーをバンド構成とアコースティック構成とを準備して、7公演それぞれにテーマを設けているので、そのひとつひとつを成功におさめることがひとつの目標です。自身の大きな目標はあるのですが、今出来る事は、コロナの状況や現状に合わせてその時に出来るベストな形を常に考えて実践していくことかなと思っています。どんな時でも音楽を届けていきたいです。
●立川翼 ㏋
http://www.tachikawatsubasa.com/

【森本能舞台 森本哲郎さんからのコメント】
――森本能舞台はどういった施設ですか?
森本能舞台は、福岡市中央区警固の静かな住宅街にある能舞台です。昭和40年2月に建てられ観客約200名を収容できます。能舞台の他には、能舞台と同じ広さの敷き舞台(別館)、鏡の間、楽屋下、ロビーなど複数の部屋があり、公演の際は楽屋として利用する事ができます。現在は、能・狂言公演のみならず、幅広いジャンルの方々にご利用いただいております。
――能舞台を【ライブ会場】として使用される例はあるのでしょうか?
まだそんなに多いというわけではありませんが、ここ数年で古典芸能以外でのご利用も増えてきました。最近は、アコースティックギター公演や音楽弾き語り公演、クラシックの公演などでも使って頂いています。

――コロナの影響を多大に受けられたかと思いますが、貸会場としてどのような状況でしたか?
当初は、予約が全部キャンセルになって本当に大変でした。その後、少しずつお稽古での利用は増えましたが、密になるという事で公演での利用はほとんどなかったです。
当舞台としては、感染リスクを下げ、お客様に安心安全にご利用頂く為に、出来ることはすべてやりました。手指消毒用アルコールの設置、ペーパータオルの設置、パーテーションの設置、共有スペースのこまめな清掃・消毒、換気の為の網戸の設置、サーキュレーター・空気清浄機の導入、出入り口で密になるのを避けるため会場出入り口の増設などなど。ガイドラインを何度も読んで、他に出来ることはないかと常に考えていました。
――今回、福岡市の「文化・エンタメ施設開放事業」を利用されましたが、この取り組みについてどのような感想をお持ちですか?
集客が難しい現状において、経費のうちでも大きな割合を占める会場費を援助するというのは、イベントをやりたいけれど赤字では出来ない…と迷っている主催者の背中を大きく押してくれるもので、イベントを活性化させる上では大きな意味があると思いました。
我々のように会場を貸す側としても、会場を利用して頂けるだけでなく、会場選びの際にたくさんの主催者の目に触れることで、こんな会場もあったんだと、これまで当舞台の事を知らなかった方々にも広く認識して頂けたのではないかと思っています。
さらに今回、当舞台をご利用いただいた立川翼さんのように、新たな方々との出会いもありましたので、とても良い取組だったのではないかと思います。
――今後どのような取り組みを考えていらっしゃいますか?
能・狂言公演も年々少なくなっておりますので、今後は古典芸能以外のジャンルでの利用をもっと増やしていけたらと思っています。そのためにも、森本能舞台の事をもっと多くの方に知って頂き、能舞台は実は様々な事に利用できるのだという事を積極的にアピールしていきたいと思います。能舞台という独自の空間の面白さや素晴らしさ、魅力をもっと多くの方々に知って頂きたいです。
●森本能舞台 HP
http://m-nohbutai.com/
取材・文:筒井あや
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