舞台

劇団四季 ミュージカル『キャッツ』の仕込みに潜入!舞台美術家・土屋氏が見どころをご紹介!

2021年07月19日 11:00 by 深江久美子

福岡での初演は1990年。シーサイドももちにテント式の仮設劇場を建設しての上演以来、キャナルシティ劇場(旧・福岡シティ劇場)に舞台を移しミュージカル『キャッツ』は上演されてきました。四季が九州唯一の公演拠点としている「キャナルシティ劇場」での長期公演活動も2022年5月終了が決まり、奇しくも最終演目として、伝説のミュージカル『キャッツ』の幕が再び上がります。


いよいよ7月27日(火)に開幕を控え、約3週間かけて作られる舞台仕込み作業も大詰め。約3週間、総勢130名のスタッフにより設営されているキャッツ・ワールド。大規模な舞台装置が組まれ、天井から電飾照明がぶら下がり、ステージ・壁にはゴミのオブジェが埋め尽くしています。途中経過ではありますが、見事な世界観はすでに圧巻!今にも猫たちがひょこっと顔を出しそうです。

今回は仕込み真っ只中の劇場で、舞台美術家の土屋茂昭さんと舞台監督の福永泰晴さんに、『キャッツ』にかける思いや見どころを聞いてみました。

 

●アトラクションみたいな空間を楽しんで欲しい
▼舞台監督 福永泰晴さん

『キャッツ』は都会のごみ捨て場が舞台の作品です。お客様が客席に足を踏み入れた瞬間、まるで自分が猫になったかような感覚になることを目指して舞台づくりをしています。ゴミのオブジェは猫の目からみたサイズで実際の3~5倍の大きさで作られています。

福岡公演にあたり、『キャッツ』は客席の155席を撤去して設営しています。色々な所に穴が空いていて約50ヵ所の猫の出入り口があり、至る所から猫が登場する構造になっています。アトラクションみたいな空間をぜひ楽しんでください。

 

公演地によって違ってくるご当地ゴミのオブジェですが、この公演ではめんべい、チロリアン、ソフトバンクホークスの帽子などを製作しています。24種類34点、どんなゴミがあるかは直接劇場で確かめに来てください。


●ゴミというのは、思い出のかたまり
▼舞台美術家の土屋茂昭さん

初演から携わる数少ない一人になってしまいました。1983年、初演時の劇場仕込みのとき、大量生産できる紙ゴミばかりを劇場に張り付けたところ、演出家の浅利慶太が「その辺に落ちているゴミで飾るな」と。なぜ浅利慶太がそう言ったのか。T・S・エリオットの『キャッツ』に込めているテーマ性を心に思うモノがあったからだと思います。今はほとんど巨大なゴミオブジェで飾りをつけています。

 

ゴミオブジェの本質に気付いたのは2011年の東日本大震災です。『ユタと不思議な仲間たち』の被災地公演で回った時に、瓦礫の山や自分の家があったであろう場所から小学生や大人が靴を出し土を払っている。もしかしたら、お兄ちゃんや息子が履いたかもしれない……。ゴミはただのゴミではなく、思い出の集積だったんです。劇中、グリザベラ(娼婦猫)が歌う”メモリー”、オールド・デュトロノミー(長老猫)が歌う“幸せの姿”の歌詞に繋がる世界だと分かりました。

 

6月に千秋楽を迎えた東京公演にも設置されていたそうですが、福岡公演でも幸せのおすそわけがあるそうです。土屋さんが手にしている四葉のクローバーが1つだけ劇場のどこかに隠れています。ぜひ、これから観劇する方は見つけてください。定期的に場所が変わるらしいので、何度か足を運んでみてくださいね(笑)


残念ながら今回の『キャッツ』をもって四季によるキャナルシティ劇場での長期公演活動は終了、最終公演となります。伝説のミュージカルとして37年にわたり演じられている本作は、ファイナルにふさわしい作品であることは疑いようがありません。ぜひ、都会のゴミ捨て場を舞台にした24匹の猫たちの生き様を目に焼き付けてください。

取材・文:深江久美子
このライターの他の記事を読む

キャッツEVENT

会場 キャナルシティ劇場
期間 2021年7月27日(火)~
イベント公式URL https://www.shiki.jp/applause/cats/
チケット予約https://www.shiki.jp/tickets/
※10月31日(日)公演分まで好評発売中
※8月14日(土)午前10時より、11月2日(火)~2022年1月30日(日)公演分発売
お問い合わせ 劇団四季ナビダイヤル(TEL:0570-008-110)

プレイス情報PLACE

劇団四季

住所 博多区住吉1丁目2-1 キャナルシティ劇場内
TEL 0570-008-110

関連するトピックスTOPICS

PAGE TOP