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黒木瞳監督が凱旋!「十二単衣を着た悪魔」舞台挨拶に登場!

2020年11月19日 18:00 by 筒井あや

無数の名作傑作を生みだしてきた脚本家・小説家の内館牧子原作の『十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞』(幻冬舎文庫)を、日本を代表する女優であり、『嫌な女』(16)以来4年ぶり、長編2作目となる黒木瞳が監督。2012年の初版時から原作を愛読し、長年の映画化への思いを見事昇華させた。本作でメガホンをとった黒木瞳監督が福岡の舞台挨拶に凱旋!

ーー昨日は久留米、今日は博多と地元での舞台挨拶はいかがですか?

黒木瞳監督:
本当は、舞台挨拶は東京だけでやる予定だったんです。でも故郷・福岡のみなさんにお会いしたいということで、私一人だけでもいいので、福岡でやらせてください、とお願いして今回の舞台挨拶が実現しました。福岡のみなさんにご覧いただけることになってすごくうれしいです。


ーーどういったところで福岡に帰って来たな~と感じられましたか?

黒木瞳監督:
やっぱり、言葉ですね。方言はすごく懐かしく感じます。
 



ーー今回メガホンを取られた映画について

黒木瞳監督:
この作品は主人公が源氏物語の世界にタイムトリップして、成長していくストーリーですが、みなさんがご存知の源氏物語ではなくて、内館牧子さんが弘徽殿女御(こきでんのにょうご)という源氏物語にあまり描かれていない人物を、実はこういう人だったのではないかと想像して書かれた源氏物語異聞なんです。ですから光源氏はあまり出てこないんです(笑)でも歴史が苦手な方でもとてもわかりやすく描かれています。


ーー物語の世界に入っていくとなると、作り手として難しい部分もあったかと思います。

黒木瞳監督:
実は何も考えないで、これが好き!と言って映画を作り始めたんです。ところが、ものすごく勉強しなくてならなくて。史実に基づいて、平安時代はこうでなければならない、ということではなくて、誰も見たことがない平安時代、誰も見たことがない源氏物語だから、最終的には監督の好きなように作ればいいと背中を押していただきました。

準備中に名古屋にある徳川美術館で、100年後に描かれたという源氏物語の絵巻を拝見させていただいて感じたことは、全部屋根が描かれていないということだったんです。

それを見て、屋根を作るのをやめようと思いました。それで、スタッフにそれを伝えたら助監督が驚いて(笑)。さらに、絵巻では金色の世界だったので、庭に敷かれた砂利も金色のパンチカーペットで作ろうと。観ている方が絵巻の世界にトリップしたんだと解るように表現したいなと思いました。緑の敷物も絵巻の中にあったのですが、緑色というのは女優の顔があまり美しく見えない色なんです。ですが、弘徽殿の部屋だけは緑色で作りたいと思い、スタッフ全員で、この緑色の部屋でどうやったら女優を美しく撮れるかを考えました。
 

(C)2019「十二単衣を着た悪魔」フィルムパートナー

ーー弘徽殿女御でいうと、衣装も素敵でしたよね。

黒木瞳監督:
十二単を着ているんですが、聞いたところによると、十二単というのは十二枚重ねていなくてもいいんだそうです。諸説ありますが、十二単は何枚でもいいし色もどんな色でもいいんだとわかって、自由な発想と閃きを大切にしながら選びました。なので、一番外側に着ている色だけを私が選ばせていただきました。そこから色合わせを始めました。それは大変な作業でしたが、とても楽しかったですね。


ーー色んな女性が出てくるので、衣装もヘアスタイルも大変ですね。

黒木瞳監督:
どうしても平安時代というと、ストレートの長い髪のイメージがありますが、平安時代にもくせ毛の人はいただろうと思って(笑)、それで六条御息所はくせ毛にしてヘアスタイルを決めました。だから準備段階から楽しみながらやらせていただきました。それと宮中には天皇が住まわれている内裏図があり、帝がいらっしゃるのが東向きで、弘徽殿女御の屋敷も東向きなどもあったので、照明にもかなりこだわりました。
 



ーーそのこだわりは音楽にも向けられていたんですよね。

黒木瞳監督:
最初から、平安時代はロックだ、と思っていたんです。だから弘徽殿の登場は絶対にロックでいきたいと思ってお願いしました。弘徽殿の強さというのは、凡人が真似をできない英知を備えた志を持った意志の強い人という捉え方をしていたので。ですが、その内面には心の葛藤や困難を乗り越えてそれでも立っている、その姿が人には強く見える。悪魔に見えるというとらえ方をしているので、主題歌もロックにしたかったんです。それで多くの音楽を聴いてみて、私の中でヒットしたのがOKAMOTO‘Sの「ブラザー」でした。これだ!と思って、粗編集段階の映像に「ブラザー」を乗せてみて、ショウさんにお会いした時にお話ししたら、「その熱意を受け取りました」と言っていただけて、今回映画のために新曲「History」を書き下ろしていただきました。素敵な曲なのでこちらも楽しみにしていただければと思います。


ーー最後に一言お願いします!

黒木瞳監督:
最初にEXITの兼近さんが出演されているのですが、滑舌の悪い人の役です。あれはあえて滑舌悪く喋って欲しいと私がお願いしたので、とにかく一所懸命、滑舌の悪い勉強をされてきてくださいました。笹野高史さんもアドリブがありますので、その辺も楽しんでいただけたらと思います。ぜひ最後まで楽しんでください!

 

映画『十二単衣を着た悪魔』はTジョイ博多・キノシネマ天神ほかにて絶賛公開中!

https://www.juni-hitoe.jp/

 

取材・文:筒井あや
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