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【深夜の恋愛小説】いつもブルージーンズを履く彼女、そのこだわりとは~「ブルージーンな彼女」~

2020年09月14日 23:00

天神サイトでは、秋の夜長を気楽に楽しく過ごせるように、ヨーロッパ企画のラジオ番組「こちらヨーロッパ企画福岡支部(LOVE FM)」とコラボレーションして、9月限定で毎晩23時に【深夜の恋愛小説】と題して恋愛ミニ小説を連載。読んでいるほうがちょっと恥ずかしくなるような恋愛ラジオドラマ小説の世界をご堪能ください。



タイトル:「ブルージーンな彼女」

 

彼女はいつもブルーデニムのジーンズを履いている。

 

「あれ?そのジーンズって」
「あ、バレた?あなたのジーンズ借りちゃった」

 

きれいなグリーンのシャツをインして赤いソックスを履いて白いスニーカー。
そして彼女の履いたルーズなサイズの僕のジーンズは、くやしいけど僕が履くよりも似合っていた。

 

「やれやれ」
「どう?似合うでしょ?」
「ああ、とっても」

「じゃあもらっちゃっていい?」
「それはダメだよ、僕も気に入ってるジーンズなんだから」
「えーこのジーンズも私に履いてもらったほうが嬉しいと思うんだけどなあ」
「やれやれ」

 

 

こないだはベッドの上でもジーンズのままだった。

 

「(酔っ払って)もうだめ~気持ち悪い~」
「ちょっと、飲み過ぎじゃない?ジーンズのまま寝るのかい?」
「うん、もうこのまま寝させて~」

「どうしてそんな飲んできたの?女友達との飲み会だったんじゃないの?」
「カナコが彼氏と別れたっていうから、そりゃ飲まなきゃダメっしょ~」

「だったら仕方ないね。でもそのまま眠れる?」

 

 

彼女のタイトジーンズのボタンは、彼女には申し訳ないが正直いつもより苦しそうだった。

「3人でワイン3本~」
「やれやれ」

 

 

あんまりにもいつもブルージーンズを履いているんで彼女に聞いてみた。

 

 

「どうしていつもブルージーンズを履いているんだい?」
「だってホワイトジーンズを履いてたらケチャップに気をつけなきゃなんないでしょ」

「それだと白いTシャツは?」
「白いTシャツはケチャップに気をつけながら着る」

「ブルージーンズの好きな理由はそれ?」
「あとデニムってどんな格好にも合うでしょ。合わせてくれるっていうか」

「何にでも合うねえ」
「あと毎日着れるし丈夫だし、あなたとおんなじよ」

 

「え?」

 

「彼氏は丈夫で元気な人がいいし、毎日一緒にいれる人がいい。そして私に合わせてくれる」
「僕はブルーデニムか」

 

「ねえお腹すいた」

「何を食べにいく?」

 

「うーん、イタリアンかな、パスタ食べたい」
「いいね。デニムを履いてれば、トマトソースに気をつけないでも済むもんね」

「ふふ、そういうこと」

 

そして僕らはブルーデニムのジーンズを履いてパスタを食べに出かけた

 

 

おしまい
 



こちらヨーロッパ企画福岡支部(LOVE FM) 
京都を拠点に活動する劇団・ヨーロッパ企画による福岡発オリジナル番組。
【イシダカクテル】は、番組開始2013年の第1シーズンから続く大人の恋愛ラジオドラマ

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