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【新型コロナ 世界レポート/番外編】SARSの経験から、早期より徹底した感染予防策をとった台湾

2020年05月19日 08:00

新型コロナウイルスの封じ込めに成功したと言われる台湾にフォーカス!
台湾人男性と結婚し、現地在住歴16年の日本人女性にインタビューしました。

そして、最後の質問にはコロナが終息した後の希望も少し……。早く事態が収まり、世界中の人々が安全に暮らせる日が取り戻せますように!

●住んでいる国/地域と都市:台湾/桃園市大溪
●お名前(ニックネーム):かのこ
●出身国:日本
●性別:女性
●年齢:47歳
●職業:カフェ店員

 

――現在の生活はコロナによってどのような変化がありましたか?

実のところ台湾は学校や幼稚園も2月末から普段通りに再開されていて、イベントの自粛、マスク、手洗い、アルコール消毒の徹底は意識付けられました。それ以外はあまり変わっていないような気がします。

ただ、台湾でも感染者がゼロになるまでは土日もなるべく出掛けず、自主的に自粛している人がほとんどでした。最近やっと安心して出掛けられるようになり、久しぶりに会う友人とコロナの話になります。家族でいられる時間の大切さ、外食より自炊、地産地消型の生活の必要性、地元に根を張ることの大切さ、子育てや学び方、働き方についても色々と考えるきっかけになった等と話しています。

その他細かいところでは……
・帰宅後すぐ風呂に入れる。
・公園の遊具は遊ばせるのに抵抗がある。
・買い物に子供を連れて行かない。土日は避けるなど、まだ気を付けている家庭が多いです。


――台湾のコロナ対策の「初動」はいつ頃、どのように行われましたか?

年末から武漢で新型の肺炎が流行り始めた情報を受けWHOに報告するもスルー。
1月11日は台湾の総統選挙があり、1月15日に国で指定感染症に定めました。そして、中国帰国者への徹底した水際対策が始まりました。
1月20日には中央感染指揮センターが発足し、感染者情報の全公開、衛生の注意点、マスク増産、マスク輸出禁止、マスク購入制限、デマ対策、渡航者制限、PCR検査の徹底、帰国者の自宅隔離の徹底(自宅を離れた場合のアラーム報告と罰金)。ちょうど春休み中ということも幸いして、教育面では学生の春休みの延長が2月上旬の時点で決定。正にスピーディーに決まっていきました。


――台湾はなぜコロナの封じ込めに成功したと思いますか?

やはり初動が早かったのが一番の理由だと思います。二番目には2003年のSARSの経験。そしてタイムリーだったのが香港の民主化運動を受けて台湾独立派である蔡英文が二期目の総統選挙に当選したばかりで彼女の決断力の速さ、采配にみんなが賛同したことも大きいです。


――台湾政府の対応の迅速さ、なかでも「世界の頭脳百人」にも選ばれた台湾のデジタル担当大臣のオードリー・タンさんの活躍がとても注目されていましたね。彼女の功績について教えてください。

今回のコロナ対策ではいち早くマスクの国内在庫を把握し、薬局で個人の保健カードを使って枚数制限しながら購入するシステムを立ち上げました。4月にはスマホ、PC、コンビニのオンラインシステム上でマスクを予約購入するシステムを立ち上げたことでも有名になりました。

35歳の若さで初入閣、情報能力が高いデジタル担当大臣、とにかく仕事がスピーディー、IQ180というイメージが先行しがちですが、とても敷居が低く庶民の生の声を聴く場所を忙しい今でも設けている逸材。蔡英文の内閣が各分野でのエキスパートでしめていることも重要なポイントですね。


――「経済」よりもまず「命」をとった防疫策のように見受けられますが、台湾の経済の状況、また補償について教えてください。

まず最初に打撃を受けたのが観光業。交通飛行機、新幹線、バス、タクシー、ガイド、ホテル、お土産屋さんなどは軒並み赤字です。サービス業務もデパートは開いていましたが、閑古鳥。台北の老舗レストランもいくつか閉店しました。

政府としてはまず利率の引き下げや中小企業の補償を決め、細かい内容としてはタクシーやバスの運転手に月10,000元の補助金(日本円で35,000円程)、ガソリン代の補助が月に2,000元(日本円で7,000円)などがあります。ほかにも、お客様が来ない店のスタッフを休ませると、国から最低賃金の時給150元(500円程度ですが)が会社に支払われ、その時間に政府が開く講座を受講するというシステムがありました。
各家庭への補助は自粛期間が春休みの延長2週間程度だったので特にありませんでした。


かのこさんが住んでいる桃園市大渓(たいけい)の様子

――(個人的に)台湾から見た日本のコロナ対策(対応)はどのように映っていますか?

一言で言うともどかしくてたまらなかった。

実家の母の例を挙げると、70代の今でも町医者の窓口で働いていることもあって、とにかく心配なので電話で状況を伝え注意喚起するも、その頃日本は来年予定されている大きなスポーツイベントの開催有無が討論されており……。明らかに「アナタ最近どうしたの?」という状態で温度が違いイライラしながら電話を切ることが多かったです。

そして、日本はコロナに対する情報量が少ない、統一していないとも思っていました。イベント開催の希望が見え隠れしていた時期なので仕方がないと思いますが、命に関わることはやりすぎなくらい注意して、後からあの時やりすぎだったよね……くらいでちょうど良いと思いました。

日本はマイナンバー取得の際も抵抗があったように、今回に関しては命を守るより人権重視さを気にしているように見て取れました。国民に強制はできないというTOP権限の違いもはっきりと浮き彫りになりましたよね。見通しが立たない時こそ、リーダーの指針が必要だと感じました。


――世界レベルでコロナが終息したら何がしたいですか?

とりあえず日本に帰りたいです。そして、ライブに行きたいです。

※この内容は2020年5月17日時点のレポートです


4/14に台湾で初めて感染者ゼロになったお祝いに、圓山ホテルが洒落たことをしました。SNSでシェアし、(国民全員がコロナと向き合って)全員が笑顔になった写真です。台湾では毎日定時に情報を公開することでみんなが関心を持ち、数字と向き合ってきました。

●ほかの国はこちらをチェック!「新型コロナ 世界レポート」
https://tenjinsite.jp/feature/covid-19/
 

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