アート

画家人生25年の集大成となる作品集づくりに向けて田代敏朗がクラウドファウンディングに挑戦中。

2020年03月27日 21:00 by 下田 浩之

九州出身の画家、田代敏朗さんが画家人生25年の集大成として、新しい作品集創りのための資金調達をクラウドファウンディングで始めました。彼がなぜ絵を描き続けるのか。その原動力とは何なのか。そこには、これまで公にされてこなかった、過去のある出来事がありました。この挑戦に際し、これまでの自分の過去をまとめる=次に進む作業と捉え、田代さんがはじめて自分の過去の話や未来について語りました。天神サイトやLOVE FMとしても、これまで様々なコラボレーションをしてきた田代さんのチャレンジ。ぜひみなさんも作品だけではなく、その制作の裏側にある想いにもご注目頂き、可能であれば支援をお願いします。



プロジェクト名/
【家族の自死を乗り越えて】画家人生25年間の集大成となる作品集を創りたい!
現在の支援総額/1,187,711円 達成率 59%
目標金額/2,000,000円
支援者数/73人 募集終了まで残り35日 ※2020年3月27日現在

以下クラウドファウンディングサイトCAMPFIREより一部引用

このプロジェクトで実現したいこと

15歳から絵を真剣に描き始めて、今年で40歳になります。

周りの方のサポートのおかげで、これまで何とか画家の活動を続けることができています。
本当にありがとうございます。

作品集では、これまでの作品を大きくいくつかに分け、それぞれの代表作品を中心に掲載、
そしてその当時に綴った文章を掲載してまとめていきたいと思っています。

僕は時期ごとで画風が大きく変わる傾向があり、
客観的に振り返ってみても、これまでは日記を書くように絵を描いてきたのかもしれません。

そして最近はよりコンセプチュアルな制作の仕方にシフトしており、
これまでの作り方と大きく変化したのも自分自身感じていて、
一旦これまでの作品をまとめて作品集にまとめたいという気持ちが数年前から芽生えました。

そうそれはこれまでの自分の過去をまとめる、次に進むという作業です。


この作品集を発表する際、これまでは具体的に公にすることが無かった、
絵を描く理由、描いてきた理由を含めて、全てお伝えしたいとも思っています。

これまでの人生の中で、絵を描く大きな原動力となるポイントがひとつだけあります。
 

それは【最愛の家族の死】です。

僕の家族は、僕が15歳の時に自殺を図り、その時に一命を取り留めましたが、
後遺症で苦しみ後に亡くなりました。僕が24歳の時でした。

家族というのは僕の祖母です。
小さなころから、ずっと僕の絵の才能を信じてくれていた唯一の人です。


どんな時も背中を押してくれた、
僕の大好きなおばあちゃんです。


今から25年前に起こった、すがすがしくみずみずしい秋空の朝。
まだ思春期だった僕、そして僕の家族が見たあの時の光景。

祖母が命を自ら落とそうとしたあの日のことは、
おそらく一生消えることはないと思っています。
 

そして、いちばんの後悔は、
 

何にも助けてあげられなかったこと。
 

あれだけ僕を愛してくれたおばあちゃんの心の闇や、
不安をどうして救ってあげられなかったのか。
 

懺悔してもしきれない感情。
そして自分の身に降りかかってきた、
フラッシュバックや悪夢、強迫観念。

時に、自分が殺してしまったんじゃないかと大汗をかいて飛び起きたり、
いつも誰かに追われているような感覚が錯綜する時期が10代後半から30代前半まで続きました。

「お前が死ねばよかったのに。」
誰の声でもなく襲ってくる幻聴のようなものを経験することもありました。
 

これ以上耐えられない、という悲しみや怒り、
そして「生きづらさ」。

様々な感情からずっと逃げるようにして生きていました。

もうどうなってもいい。
ねえ、ばあちゃん、俺も一緒にそっちに連れてって。と思っていた時期もあります。

しかし、


僕にとって「絵」を描くことだけはやめられなかった。


僕にとって絵を描くことは、その感情を可視化することによって、
どこか別の場所に封じ込めていく、
そして前に進む、そんな作業に近かったのかもしれません。

言葉にならない気持ちも、絵を描くことによって作品となり、
様々な方と気持ちを共有することもできました。

僕は表現を続けながら、「助けられた」と思うことがこれまで、多々ありました。


絵を描いていなかったら、どうなってたんだろう。
自分では想像がつきません。


そうして、私は作品を買っていただいたり、応援してくださる方たちとの出会いにより、
どんどん成長できていったように思えます。


自分の絵を観てくださる方には、ほんとうに感謝しかありません。

そして私に

「生きろ。」

と皆さんが力をくれたのです。


ある時から、
自分を助けてくださった皆さんのためには、
亡くなった祖母のことを弔うためには、


自分は絵を描き続けることしかない。
そう決意して、生きてきました。

何にもできなかった自分を悔やんでばかりいるより、
この痛みをバネにして、強みにしていきたい。

もっと大きな苦しみと立ち向かっている人たちへ、
少しでも力になれるような絵を描きたい。
 

「命ある限り、絶対に生きてやる。」
 

30代からはいろんな側面から自分をブラッシュアップし、
とことん向き合いました。
様々な分野からインプット、内観し、まずは自分自身を知ることから始めました。

様々な出会いもいただきました。
たくさんの本や展示を観て、いろんな作家の想いを知りました。


自分はこれまでいろいろ誤魔化して生きてきたのだと思っていました。
言い訳ばかり、ネガティブな気持ちばかりだった自分だと思っていたのに、
でも、改めて振り返ってみると、その時期その時期の「絵」が語り掛けてくるのです。


絵は、全く嘘をついていないのです。


まるでその時の自分自身を映す、鏡のようなものだと思います。
 

そして、時代を問わず生き続ける、生きようとする、エネルギーの塊なのです。
 

作品集の中身は、自分に起こった出来事の日記と共に、
10代後半、20代前半の「闇」から這い上がるような作風から、

少しづつ光の方へ画風が変化していく20代後半。

東北大震災がきっかけで行ったボランティアや復興支援チャリティをきっかけに
価値観、概念そして画風が激変した30代から、

今にかけての作品をまとめたいと思っています。

 

取材・文:下田 浩之
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