日々是食欲

飲食店が製造・販売する加工品・調味料が増えてきた

2020年02月13日 12:00 by 弓削聞平

飲食店という商売の売り上げは価格×客数×回転数。客数といっても人気があれば無限に増えるわけではなく、そこには店の広さ、席数という上限があります。つまり自ずとその店で売り上げられる上限は決まってしまうわけです。もちろん客単価が上がるよう、または回転数が増えるよう工夫したりはしますが、いずれにしても限界があります。だからというわけでもないのでしょうが、飲食店が商品開発をして食物販をすることがよくあります。一番よく見かけるのは和食店が作る辛子明太子です。これはとてもすべては把握できませんが、数多くの店が販売しています。大名の料亭「稚加榮」の明太子はもはや専門店といってもよいくらいの規模ですが、きっと元々はお客さんの要望に応えて、お店で販売してたんじゃないでしょうか。また、渡辺通の和食店「海木(かいぼく)」も元々はコースの最後の一品として出していたいなりが好評で、お土産、手みやげ用に作るようになったのですが、代替わりをしたことをひとつのきっかけに、和食店は閉めてだしいなり専門店としてリスタートしました。お店も改装してだしいなりの店にし、東京をはじめあちらこちらの催事に呼ばれたりしていますが、昨年は遂に銀座「日本橋コレド室町テラス」にも出店しました。

また、今泉の人気イタリアン「チェルニア」も定番メニューとして好評だったイチジクバターを商品化しており、三越の地下にある北野エースで販売しています。

 

 

特に最近は真空パックを個人店で簡単にできるようになったこともあり、自家製のハム、テリーヌなど様々なものを製造・販売しやすくなっています。

しかし、店の席を使わなくても売り上げにはなるものの、当然ですがそれを作る人・時間は取られます。そしてそれは売れれば売れるほどたくさん必要です。そのために工房を別に作ったり、新たに人を雇ったりすると、それはそれでまた新たなリスクが生じるわけですから、なかなか難しいものですね。それの顕著な例が年末のおせちやオードブルでしょう。まあ、それらは限定数の注文制なので、材料的にも人的にもロスは生じづらいのですが、それらを作るために店を休んだり、徹夜したり・・・。お店の苦労もたえませんが、なかなか外食できない人でも、おいしいお店の料理を自宅で食べられるし、お店もより多くの人に食べてもらえるという喜び、そして売り上げをあげられる飲食店の食物販はこれからも増えていくに違いありません。

取材・文:弓削聞平
このライターの他の記事を読む

関連するトピックスTOPICS

PAGE TOP