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“新世代ポップマエストロ”のTHE CHARM PARKが福岡でのライブと最新ミニアルバムを語る

2019年08月23日 18:00 by 山内淳

シンガーソングライター、Charm(チャーム)によるソロユニット。歌、ソングライティング、演奏をほぼ 1 人で行い作り上げるTHE CHARM PARK(ザ・チャーム・パーク)。叙情的で美しい音世界とオーガニックかつダイナミックな楽曲スケール、緻密なメロディセンスとアレンジ力に全世界の音楽人から注目されています。7月3日にミニアルバム『Standing Tall』をリリースし、同月29日に福岡でアコースティックライブを開催した彼に、ライブやアルバム制作について話を伺いました。

―― 先日のライブ、すごく楽しかったです。セットリストを決めずにライブするなんて驚きです。

Charm:4月の札幌ライブが急遽決まり、その時はリハーサルの時間があまりなく、ドラムと2人編成だったので、「とりあえずやってみよう」と始めたのがきっかけでした。今回のアコースティックライブツアーも、その経験を生かしたライブをすることになりました。

―― 当然、会場によってセットリストは違うんですよね?

Charm:はい、そうですね。今回の福岡はドラムとキーボードの編成でしたが、名古屋はキーボードだけでした。メンバーの違いもあるし、カブってる曲は2、3曲だけだったんじゃないかな。僕が弾くギターのイントロを聴いてから、メンバーが合わせに入るのは大変だったと思いますよ(笑)。

―― 会場の空気でセットリストを決めていくのは、ライブならではの楽しみですね。ファンと距離の近さを感じるアットホームなライブでした。

Charm:福岡でのライブは今回で4回目なんですけど、毎回アットホームに迎えてくれるのが嬉しいです。僕は大橋トリオさんのサポートで全国を回ることもあるんですが、九州でのライブは、お客さんと心の距離の近さを感じます。

―― 今回の来福では、天神のどこかへ行きましたか?

Charm:スリランカカリーの『ツナパハ』(大名)に行きました。リアルレッドカリー、あれはヤバイ辛さです(汗)。

―― CDではCharmさんのメロディと歌声がとてもきれいですが、ライブは意外にもパワフルな印象でした。

Charm:音源は聴きやすいことを意識していて、BGMのように周囲に溶け込むような調整にしています。僕は音源とライブは別物だと思っていて、ライブでは今の自分を全力でぶつけている感じです。CDとライブ、それぞれ違う雰囲気を楽しんでもらいたいですね。

―― 7月にリリースしたミニアルバム『Standing Tall』は、昨年12月リリースの1stアルバム『Timeless Imperfections』からすぐですが、このテンポのよさはどういった経緯でしょうか?

Charm:2枚組のアルバムを出したばかりだったんですが、今回の6曲ができたところでミニアルバムが作れるな、と思って制作しました。ただ1月に自分のツアーがあって、2月はMonky Majikさんとのコラボ曲の制作、3~6月には大橋トリオさんのツアーサポートがあったので、その間を縫ってバタバタと全部作らなきゃいけないスケジュールだったんですよ。今作はこれまでにない忙しさの中でできたミニアルバムで、今思えばあっという間だったように思いますけど、当時は苦労しながらの日々を過ごしていましたね。

―― そんな大変な環境の中でミニアルバムができた時の、Charmさんの率直な感想はいかがですか?

Charm:一番湧きあがった感情は「自信」ですかね。過酷な環境やスケジュールの中でもできるんだ、っていう自信がつきました。実は『Standing Tall』というアルバムタイトルは、「胸を張る」とか「自信を持つ」っていう意味なんです。制作中は7月のリリースに間に合わないかも……と弱気になることもありましたが、最後に表題曲が完成して、まさにタイトル通りの一枚に仕上げることができました。

―― 前作の『Timeless Imperfections』は直訳すると「永遠の不完全」というタイトルで、今作とはニュアンスが真逆になっているのもおもしろいですね。

Charm:僕は未完成なところに、その人のオリジナリティが一番表れると思っています。一番思い出に残るのは、良くも悪くも人の欠点だったり未完成な部分だったりしますよね。その素敵さを表現したくて、前作は「色褪せない未完成」という意味を込めたタイトルにしました。未完成であることをネガティブにとらえるのではなく、ポジティブに受け入れて愛おしく感じることがテーマです。

―― なるほど。人の未完成な部分を受け入れることで、今作の「自信を持つ」という意味のミニアルバム『Standing Tall』に繋がっていくんですね。

Charm:はい。今作は胸を張って立ち、前進していく様子をテーマにしました。

 

―― 今回は6曲すべてがタイアップですが、楽曲制作で意識したことはありますか?

Charm:なるべく自分を隠すことを意識しました。今回のタイアップは、ありがたいことに僕を指名してくださっているんです。なので、クライアントさんも僕の歌声や音楽性、世界観を理解してくれています。だから、必要以上に自分を主張しなくてもよかったんです。なにより感謝しているのが、業種が異なる6社からの依頼だったにもかかわらず、6曲をまとめた時にミニアルバムとして統一感があったことです。

―― 1曲目「Don’t Let Me Fall」では、ギターを弾き始めるまでの音も入っていますが、このイントロは意図したものですか?

Charm:はい。今作は全曲が宅録(自宅でレコーディング)なんです。その方がスタジオよりもアットホームな空気が出るので、部屋の真ん中にマイクを立てて、ドアを開けて入ってくるところから録音してイントロを演出しました。特に最近はスタジオよりも自宅で楽曲を作ることが多いので、少しでもその雰囲気が伝わればいいなと思います。

―― Charmさんの楽曲はどうやって生まれるのでしょうか?

Charm:基本は曲から作るスタイルです。ピアノを弾いてコード進行を探ってみたり、ドラムのビートを試してみたりですかね。歌詞は最後になることがほとんどで、机に向かってじっくり考えるんじゃなくて、メロディにのせて歌いながら考えています。僕は言葉もメロディの一部だと思っているので、どんなに良いフレーズでも、語感や響きが曲に合わなかったらそのフレーズは選びません。なので、歌える環境で作詞することが多いです。

―― Charmさんは海外での生活も長く英語が堪能ですが、日本語詞と英語詞はどのように使い分けているのですか?

Charm:メロディに対して、日本語が合うのか英語が合うのかで言語を選んでいます。例えば、「Ordinary」では日本語と英語でサビのメロディが微妙に違うんですよ。

 

―― Charmさんの透き通った歌声はもちろんですが、「Ordinary」や「花の咲く道」では間奏の速弾きもカッコよかったです。

Charm:ありがとうございます。ちょっと遊びたい気持ちが出ちゃいました(笑)。今作は全曲タイアップだったので、CMソングは15秒や30秒、アニメソングは1分半くらいで切り取ることを前提に作っています。それをフル尺の楽曲にアレンジする時に、どうするかというのが今作の課題でした。間奏にギターソロを追加したことで、おもしろくなったんじゃないかと思います。

―― ギターだけじゃなく、ベース、鍵盤、プログラミングなど、演奏からアレンジまで1人でされているんですよね?

Charm:はい。今作ではドラムとサックス、女性ボーカルに参加してもらっているんですが、それ以外はすべて自分で宅録しました。自分のペースで宅録した方が、リスナーとの間に一番壁のない状態で作れるやり方だと思っています。全部を自分で作業するのは大変ですが……。

―― 今後、チャレンジしたいことはありますか?

Charm:これまではアルバムごとにバラエティに富んだ作風を詰め込んできましたが、今後はアルバムによってテーマを絞ってみるのもいいなぁと思っています。具体的にはまだ何も決まっていませんが、楽しみにしていてください(笑)。

取材協力:三月の水(福岡市中央区今泉1-23-4-103号)

●PROFILE
THE CHARM PARK(ザ・チャーム・パーク)
シンガーソングライター、Charm(チャーム)によるソロユニット。8歳から24歳までアメリカで過ごし、小学校3年生から高校まではロサンゼルス、その後ボストンの音大に通い、卒業後はまたロサンゼルスにて過ごす。2015年リリースの1stミニアルバム『A LETTER』から本格的な活動を始め、これまでに2枚のミニアルバム、1枚のアルバムをリリース。各方面から作曲や歌唱、演奏の依頼が後を絶たず、ASIAN KUNG-FU GENERATION、V6、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE ボーカリストの登坂広臣などに楽曲提供や、Monky Majikのコラボアルバムへの参加、大橋トリオのツアーサポートメンバーに抜擢されるなど注目を集めている。
・オフィシャルサイト https://thecharmpark.com/

●RELEASE
ミニアルバム『Standing Tall』
2019年7月3日発売 1,728円(税込)

取材・文:山内淳
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