音楽

デビュー25周年のMEJA「キャリアのターニングポイントは東京公演」日本に向けた最新アルバムをリリース

2019年08月19日 18:00 by 筒井あや

1996年に、アルバム『メイヤ』でソロ・デビュー。アコースティックを基調とした透明感溢れるサウンドと爽やかな歌声が、当時のスウェディッシュ・ポップ・ムーヴメントを起こし女性を中心に圧倒的な人気を獲得。1998年2月にリリースされた2ndアルバム『セヴン・シスターズ』は、「オール・バウト・ザ・マネー」の大ヒットを受け80万枚のセールスを記録。そんな彼女の、デビュー25周年を祝したオリジナル・ニュー・アルバムを9年振りに日本でリリース!7月には、東京・大阪でのライブを終え、福岡にやって来てくれました!

今回のアルバム制作やこれまでのアーティスト活動についても語ってくれました。

——25周年おめでとうございます!東京、大阪でライブをされていましたが、久しぶりの日本でのライブはいかがでしたか?

メイヤ:最高です!毎日楽しんでいます。とにかくあたたかく迎えて下さって、みなさんがたくさん私に愛を送ってくれて、それを私がお返しして、日本のファンのみなさんとの強い繫がりを感じられました。

——メイヤさんはジブリのカバーアルバムをリリースされたりしていますが、日本のどんなところが好きですか?

メイヤ:外国の人に対して、オープンで尊敬の念を持って接してくれるところが素敵だなと思います。私の出身地であるスエウェーデンの人とは相反している気がします。人に対する思いやりの気持ちがとても素敵だと感じています。文化の面では父の影響で、仏教にとても興味があって、父もヨガをやったり瞑想をしたり、スピリチュアルな繫がりをとても大切にしていたので、父の影響で禅の精神に興味を持っています。お寺に行ったり、日本庭園でゆっくり時間を過ごしたり、自然と調和することや、細部にこだわりを持つ文化、そして全てに意味を持たせている。またそれがとても美しいバランスを保っているという点に関して、リスペクトする思いがあります。日本は人に対する思いやり、自然に対する思いやりを感じます。

——きっと私よりも日本のことが詳しいですね!では、そんな日本に向けて今回リリースされたアルバム『KOZMIC SURFER』は、日本では約9年ぶりのリリースですね。どんな思いで制作されたのですか?

メイヤ:今回のアルバムは以前からのファン方が親しみを感じてくれるようなサウンドにしたかったのと、それだけでなく新しいサウンドも届けたかった。日本では楽しい思い出ばかりなので、日本のファンのことはとても大切に思っています。だから今作は特に、日本のファンが喜んでくれるようなアルバムにしたいという思いが強かったです。なのでビデオや昔の曲のセルフカバーを含めた作品にしました。

——個人的に「 Todays and Tomorrows」「Dance myself Alive」「Looking for the Party」」が大好きで、ヘビロテしています!

メイヤ:わあ!ありがとう!私自身もすごく大好きな曲で、特に「Dance myself Alive」という曲は、実はもともと9分もあって、一曲の中でまるで旅をしているかのような歌になっています。ロンドンのスタジオでこの曲を作っている時も、9分間のこの曲を流しながらダンスをして、リピートして聴いてダンスをして、自分もかなり長い時間この曲でダンスをしたかわからないくらいです(笑)。この曲のインスピレーションとなったのが、村上春樹さんの「ダンスダンスダンス」という本です。実はこの本からアイディアをもらっているんです。

——村上春樹さんの小説のどんなところにインスピレーションを受けたのですか?

メイヤ:村上春樹さんの小説を読んでいると、まるで彼の頭の中にはフィルターがないように感じられます。発想力がとても豊かで何でも可能にしてくれる。そして彼の文章を読んでいると日本のモダンな日常が見えてくるんです。彼の作品を読むことで日本との繫がりをより強く感じることができます。

——このアルバムは曲毎にプロデューサーが違うそうですが、制作で印象に残っていることはありますか?

メイヤ:長い制作期間になったしまったのですが、みなさんと一緒にアルバムを作るのは、まるでパッチワークを仕上げていくかのような作業でした。リメイクした曲に関して言うと、ジョアン・カルバーグというプロデューサーが参加しています。彼は長年ギターを弾いてくれたりプロデュースもしてくれているのですが、今回のアルバムはギターのリフからドラムの音など細かい部分まで自分自身で指示をして、ディレクションしています。今回制作する時は、ジョアンが持っているとても小さな倉庫のようなスタジオの空間で、一緒に制作をしていて、冬の間そこでセッションをしていたのですが、まるで冬眠のために洞窟に入るかのような気分でジョアンと一緒にスタジオに籠もって曲を作っていたのが印象に残っています。
あとはスウェーデンでは「ロビン」というアーティストをプロデュースしているアンドレアス・クレールさんもこのアルバムに参加してくれました。彼は曲の中でドラムを叩いてくれたりしていますが、とにかくそれぞれのプロデューサーがやりたいことをやりつつも、私のアルバム制作に参加してくれていたので、彼らの個性が色んなところに詰まっています。

——長い期間のアルバム制作を通して、アーティストとして気づいたことはありますか?

メイヤ:まずアーティストであるというのは、とても自己中心的になりやすいナルシスティックな仕事だと思います。私はこの仕事が大好きですが、あまりそうならないように努力をしています。自分が音楽を作る時は、それに対するリアクションを聞いたりして、表現が一方通行にならないように、双方でのやり取りというかコミュニケーションを私は大切にしています。

ただ制作を通して、まるで自分を鏡で見ているかのような気持ちになることがたくさんあって、例えば制作だけではなくて、私はレコード会社のCEOもしていますから、会社としての判断で、気持ちがいっぱいになってしまうこともありますが、自分が与えられた課題にどう向き合っていくかということを、すごく学びました。そして今回のアルバムは、これまでより制作に携わり、自分でたくさん曲も書いているので、自分の内なるメッセージを外に出して、表現していくという意味でも、自分を学ぶとてもいい経験になりました。

——日本での活動も含め、25年のアーティスト活動で思い出に残っていることはありますか?

メイヤ:いつも初めて日本に来た時のことを思い出すのですが、97年にプロモーションの為に来日をした時に、初めて東京のステージで5~6000人のお客さんの前に立った時には、ものすごい声援と愛を投げかけてもらって、当時の私は、その愛を受け止める心の準備が出来ていなかったので、びっくりしたと共に歓びで胸がいっぱいになって思わず涙が流れてしまいました。いつも自分のキャリアのターニングポイントのことを考えると、その初めて日本でステージに立った時の大きな大きな愛を思い出します。

——アーティストとして、そしてレコード会社のCEOとして、大切にしていることはどんなことですか?

メイヤ:素直さ、正直さです。
良くても悪くても正直であることです。この音はあまり良くないな、これは見栄えがあまり良くないなと思っても、正直に気持ちを伝えることが一番大切だと思っています。

——日本のファンにこのアルバムをどんな気持ちで聴いていただきたいですか?

メイヤ:音楽はとてもパーソナルなものなので、私自身は自分の体験を音楽に落とし込んでいるのですが、聴く人は自分の気持ちを重ねて聴いてもらいたいなと思います。今回のアルバムはとにかく自分の好きな曲を集めた一枚になっています。後は音楽に語ってもらいたいという気持ちではあるのですが、作品の中にはうれしいハッピーな気持ちになる作品もあれば、悲しい気持ちも含まれていて、その両方が表現さているのが、自分にとってはお気に入りのポイントです。いつもハッピーでいるのも素敵なことですが、やはり悲しいという気持ちを表現する、または泣かせてくれる曲で思い切り泣く。そうやって自分の気持ちを外に出すというのはとても大切です。このアルバムを通して、セラピーのような体験をしていただいて、日本のみなさんが色んな気持ちを重ねて聴いてもらえたらとてもうれしいです。

——今回の日本ツアーで、一番楽しかったことはどんなことですか?

メイヤ:毎日楽しいです。こんなにずっと笑っていたのは久しぶりです。ツアーメンバーともずっと笑っていて、楽しい時間を過ごしていたのですが、ミュージシャンたちがスウェーデンに帰る時に「メイヤ、日本に来て若返った気持ちになったね!すごく心が満たされて、10歳若返れたよ!」と言っていました。

——最後に福岡のファンにメッセージをお願いします。

メイヤ:今度は福岡にはライブで帰ってきたいと思います。そして福岡は素敵な街で大好きです。みなさんに伝えたいことは、愛する人にちゃんと愛していると伝えてあげてください。それは両親であったり、パートナーであったり、飼っている猫でもいいですし、愛しているよってちゃんと気持ちを伝えてあげてください。言い過ぎるということは決してないので。

 

【Meja メイヤ】
スウェーデン発のダンス・ミュージック・ユニット、<レガシー・オブ・サウンド>のヴォーカルとして2枚のアルバムに参加し、「Happy」が全米シングル・チャート最高29位まで上昇するサプライズ・ヒットを放ったあと、1996年(平成8年)4月、アルバム『メイヤ』でソロ・デビュー。大ヒットした「HOW CRAZY ARE YOU?」に象徴される、アコースティックを基調とした透明感溢れるサウンドと爽やかな歌声が、カーディガンズ等と並んで当時のスウェディッシュ・ポップ・ムーヴメントの中核として日本で熱狂的に受け入れられ、80万枚以上のセールスを記録。
2019 年、日本では2004年の『メロウ』以来15年振りのリリースとなる最新オリジナル・アルバムが完成。彼女と好相性の豪華ソングライター陣が参加し、日本のファンの記憶にいまも鮮明に残るメイヤと、現在のメイヤが違和感なく融合した傑作ポップ・アルバムになっている。


【リリース情報】


『コズミック・サーファー:デビュー25周年記念スペシャル・エディション』

SICX-124/5 [定価:2,916円(tax in.)]2枚組<CD+DVD>歌詞・対訳・解説付
https://www.sonymusic.co.jp/artist/Meja/info/506332

 

●取材協力:うめのま(福岡市中央区渡辺通3丁目1-16)

 

取材・文:筒井あや
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