グルメ | 新店舗オープン

うなぎを厳選するのではなく、美味しいうなぎを育てるところから始める

2019年08月02日 12:00 by 木下 貴子

夏真っ盛りです。夏バテ防止のスタミナグルメといえば、やっぱりうなぎ。土用の丑の日を過ぎても、まだまだ食べたいですよね。そこで注目したいのが、薬院六つ角のそばに新しくオープンした『うなぎ 仁』です。



近年、絶滅が危惧されるうなぎですが、古くから愛されてきた伝統的な日本の食文化を守りたい、さらには本当に美味しいうなぎを食べてもらいたいとの思いから、うなぎの生産量日本トップクラスの株式会社鹿児島鰻が初出店した直営店です。



店内は広く落ち着いた空間で、ゆったりとくつろげます。奥に個室もあります。



「美味しいうなぎを厳選して使うという考えではなく、美味しいうなぎを育て食べてもらうまでの一連の流れを考えて作ったのがこの店です」と店主・清水康仁さん。鹿児島鰻では広々とした池に放ち、加温はせずに自然の温度で育てます。冬眠もさせるなど、できる限り自然に近い環境で育てるため一般の養殖うなぎよりも3倍ほどの育成期間がかかりますが、この工程によってより天然うなぎに近いうなぎが育つといいます。

東京で長く修業をし、全国のうなぎも食べ歩いたという清水さん。店では「うな丼」(並1,944円、上2,700円)、「うな重」(上3,456円、特上4,212円、頂上4,968円)をはじめ、「せいろ蒸し」(並2,808円、上3,564円、特上4,320円)や「ひつまぶし」(3,672円)と、ひと通り味わうことができます。また「蒲焼膳」(上3,456円、特上4,212円、頂上4,968円)や「白焼膳」(3,564円)、コース(松6,264円、竹7,992円)、「うまき」(1,404円)などの一品メニューもあります。※価格は変動する可能性があります

一番人気の「うな重」をいただくことにしました。写真は特上です。



お重にぎっしりと敷かれたうなぎに喉が鳴ります。ご覧ください、この美しい照りを。うなぎはふわっとしつつも、身に引き締まりがあり、あわてずじっくりと咀嚼することができます。噛むたびに広がるうなぎの旨味と甘みに悶絶……。



かば焼きは蒸すスタイルと焼くスタイルがありますが、清水さんは特にスタイルを決めてないといいます。焼いた段階で状態を見極め、それによって蒸すこともあれば、焼くだけのこともあるそうです。「うなぎによって個体差がありますから」と清水さん。

一級品の醤油2~3種をブレンドし、みりんと砂糖を加えて仕上げるタレは上品な甘みです。セットの肝吸いも出汁の旨味を味わう薄い味付けで、うなぎとの相性も抜群。ついでに言うなら、お漬物までも美味しいのです。



完食、満腹です。食べ終わって少ししてから気づいたんですが、余韻が甘みだけなんです。いわゆる生っぽさが全然残ってなくて驚きました。尋ねると、一つはうなぎ自体に臭みが少ないこと、もう一つは皮に切れ目を施し、臭みの原因となる皮のゼラチンをじっくり焼きながら丁寧に落としていくからだそうです。

満足した気持ちを伝えると、清水さんからは「いや、まだまだ悩ましいんです」と意外な言葉が返ってきました。清水さんいわく、鹿児島鰻のうなぎは3年ほどの生育で本当に美味しくなるとのこと。1年半前にいまの養殖スタイルに切り替えられたため、まだ成長の段階だと話します。十分美味しいのに、もっと美味しくなるんですか? と驚いていると、「秋か冬にでもまた食べにいらしてください、驚きますよ」と自信の笑顔を見せてくれました。

とはいえ、秋冬まで待つ必要はありません。この夏食べれば、秋冬との食べ比べもできますし、それに美味しいものは何度でも食べたいものですから。

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

うなぎ 仁

住所 福岡市中央区薬院2丁目15-10 サンフラワー薬院1F
TEL 092-707-1701
営業時間 11:00~21:00
定休日 不定

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