グルメ | 新店舗オープン

初心者からマニアまで、クラフトビールを知る、深める、楽しめる

2019年06月12日 18:00 by 木下 貴子

専門店でなくとも、いろいろな店でクラフトビールが飲めるようになってきた昨今。福岡にもようやくクラフトビールが浸透したと思っていましたが、「飲んだことがないという人も多く、福岡での浸透度はまだまだ低いですよ」と予想に反した言葉が返ってきました。言葉の主は、クラフトビール専門店『BEERKICHI(ビアキチ)』代表の小出祐太さんです。

小出さんによると、東京、大阪では小規模なクラフトビールの店がたくさんあり、飲み歩きも流行っているそうです。「福岡は飲み歩きできるまでにはまだ至らず、そこがまず福岡にクラフトビールが根付かない理由の一つだと思います」と話します。福岡のパブでビアマネージャーとして働いていた小出さんは、「福岡のクラフトビールの間口を広げたい」との想いを募らせ、今年2月に独立を決意。5月に『ビアキチ』をオープンさせました。

渡辺通から一筋入った、路地裏の飲み屋街に店はあります。気構えずに入れるようにと、スタンディングバーにしたそうです。



クラフトビールは10種類。季節に合わせたものや限定ものなど随時入れ替わり、その日に飲めるビールの銘柄と種類が黒板に記されています。



筆者もかなりのビール好きですが、クラフトビールは世界中、星の数ほどに存在します。むろん黒板を見ただけでは分かりません。手元のメニューにはそれぞれ特徴が書かれていますが、せっかくカウンター越しにプロフェッショナルがいるのですから、好みや希望を伝え、オススメを出してもらうことにしました。

タップからゆっくりと注ぎます。種類にもよりますが、泡を立てすぎないことが繊細な香りや風味を残すことにつながるそうです。



グラスのサイズはレギュラーとハーフに加え、「いろいろ試してもらえるように」とテイスティングサイズも用意されています。
※写真はすべてハーフサイズで、金額はレギュラー(473ml)、ハーフ(266ml)、テイスティング(120ml)の順。なおビールは随時入替わりますのであくまでも銘柄は取材時のものです。

いまクラフトビールが爆発的人気のイギリスから、ロンドンの新しいブルワリー「FOURPURE(フォーピュア)」のIPA「SHAPE SHIFTER(シャープシフター)」(1,200円・800円・450円)。柑橘系をはじめ色々な果物を感じさせるアロマと、IPA特有の苦みが心地よい一杯です。



アメリカ・コロラド州のブルワリー「Left Hand Brewing(レフトハンド ブリューイング)」が手掛ける「Weels Gose’ Round Lemon+Raspberry Gose(ホイールゴーズラウンド レモン、ラズベリー、ゴーゼ)」(1,200円・800円・450円)。「ゴーゼ」とは発酵に乳酸菌の力を借りるというスタイルのビールです。さらにレモンとラズベリーが使われ、甘酸っぱくてとても爽やか。原料に塩も含まれ、まさにこれからの暑い季節にぴったりです。



この黒ビール「Founders KBS 2019(ファウンダーズKBS 2019)」(200ml 900円・100ml 550円 ※レギュラーはなし)は、日本広しといえども飲める店は数えるほどという希少なビールです(仕入れ値が高く、やや少なめに注ぎ値段が抑えられています)。ちょっと口に含んだだけで、チョコレートのような優美な香りとカラメルのような甘くビターな味がぶわっと広がりました。これは少量でも大満足。ウイスキーのようにゆっくり味わうタイプのビールですね。



いずれもフレッシュさを強く感じました。「たとえるならば、ビールは鮮魚と一緒で、常温になると一発でダメージを受けます。いいインポーターは樽を低温でキープして輸入し、僕らの手元まで届けてくれます。その分、運賃は高くなりますが現地と同じ状態のフレッシュなビールが味わえます」。美味しいビールをお客に飲んでもらうため、またそれを少しでも安く提供するために、小出さんは酒屋を通さずに直接インポーターと取引きしています。もちろん手間はかかりますが、「クラフトビールのファンを増やしたいから」と笑顔を見せます。



小出さんは料理人の経験もあり、フードメニューもなかなか粒ぞろいです。

「お酒に合う糸島産豚のパテドカンパーニュ」(700円)。


糸島豚がもつ豊かな甘みに、ピリッとスパイスが効いています。レバー特有の臭みもほとんど感じません。厚さ2センチほどのボリュームで、この味、この値段!イチオシです。



手作りピザは「チーズ」(900円)、「マッシュルーム」(1,100円)など5種類あります。写真は、スパイスの効いたサラミ「ペパロニ」(1,200円)で、これでもか!といわんばかりにペパロニが散りばめられています。ニューヨークピザをベースにしたピザは、ピタパンのようなあっさり生地で、ペパロニとのバランスが絶妙です。


「ペパロニ」と「チーズ」は1ピースからオーダーできる(各350円・250円)。


ピザはテイクアウトもやっています。



空腹でない方には、こんなアテがオススメです。上からニンニクとわさびを効かせた「わさび枝豆」(300円)、スパイシーなオリジナルポップコーン「ビアキチポップコーン」(スモール100円・ラージ200円 ※写真はスモール)。




わずか6坪の空間からスタートしたのも、経費を抑え、少しでも安く提供したいとの想いから。また、早い時間からでも飲めるようにと15時から開けています。小出さんは、いわば「クラフトビールの伝道師」。マニアの方でも初心者でも、誰でもクラフトビールが楽しめるよう、いつも全力で、そして笑顔で温かく迎えてくれます。

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

BEERKICHI(ビアキチ)

住所 福岡市中央区渡辺通5丁目14-21
TEL 080-4696-7234
営業時間 15:00~24:00(土・日曜は13:00~)
定休日 不定

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