音楽

3/27に「交響曲第二番」をリリース! 5/12は待望のZeppライブ! くるり・岸田繁に単独インタビュー!!

2019年03月27日 18:00 by simoonu(シモーヌ)


3月10日に天神で行われた「LOVE FM FESTIVAL2019 Meets. FASHION MONTH FUKUOKA ASIA」にて、弾き語りのステージを披露してくれた「くるり」のフロントマン・岸田繁。あいにくの雨空もなんのその、しとしと雨降りのシチュエーションを逆に楽しむほどに、往年のナンバーで会場を温め、ゆるいトークを交えながら即興ソングを熱唱。改めて岸田繁、そしてくるりの魅力を噛み締められる素晴らしい時間が流れた。

そんな岸田氏が3月27日(水)に『「岸田繁交響曲第二番」初演』をリリース! また5月12日(日)にはくるりとしてZepp Fukuokaでのライブを開催! 今作の期待が高まる中、「LOVE FM FESTIVAL」の出演を終えたばかりの岸田氏に、新譜に込めた思いや制作の裏話、5月のライブに向けての意気込みを伺った。


—— LOVE FM FESTIVALでは、ステージ転換時に岸田さんが登場して、マイクチェックも兼ねて歌われて、ファンにとって贅沢な時間でしたね。

岸田繁:いえいえ。雨がふっとりましたし、お客さん寒そうでしたよね。僕んとこはステージで屋根がかぶっとるけどみんなは濡れてはったから、申し訳なかったですよ。


—— 「春風」「ブレーメン」「ばらの花」など、雨にちなんだ即興の選曲も最高でした! おひとりでのステージではアドリブで進めるんですか?
弾き語りの時はそうですね、かしこまってちゃんとする雰囲気でもないですし。野外だったのでいい意味で“適当に”(笑)。ぼく、決めたことをちゃんとできない性格なんでねぇ。


—— 電車好きの岸田さん。今回の来福でも福岡の電車に乗られましたか?

岸田繁:はい、空き時間に西鉄天神大牟田線に乗って井尻まで行ってきました。「白雲軒」(定食屋)でちゃんぽん食べて帰ってきましたよ。もっと時間があったらあちこちで歩きたいですけどね。福岡の好きなスポットといえば、油山が地元の子に教えてもらった「冨ちゃんラーメン」はおいしかったですねぇ。あと志賀島に一回行ったことがあって、あそこはゆったりしてよかったです。



——さて、3月27日(水)リリースの岸田さんの新譜「交響曲第二番」について聞かせてください。

岸田繁:前作「交響曲第一番」はかなり好き放題にやったんで、今作は好きにやりつつも交響曲らしくしようと思い、様式美に寄せてみました。飲食店で例えると、出す料理は相変わらず創作居酒屋の料理なんですけど、一応中華屋だから中華っぽい面構えにしよか、という感じですね。ちょっと基本に戻ったと言いますか。


—— トラディショナルに基づいたとは言え、岸田節を感じる部分も多かったです。

岸田繁:やっぱり僕が作ってますから、どうしてもそうなってしまうところがあるでしょうね。きれいな字を書いても殴り書きしても、自分の字には特徴がありますから。そこを感じ取ってもらえると、作った者としても嬉しいです。
よく、ロックからオーケストラということで「ジャンルが違うものをどうやって作ってるんですか?」と聞かれますが、単純に曲の形式を変えることだと思います。ポップスではAメロ、Bメロとか一般的な流れがあり、オーケストラにはオーケストラ特有の曲構成があるので、それぞれジャンルの形式をきちんと理解する。形式を理解した上で、自分らしさを表現する感じでしょうかね。


—— 個人的には、オーケストラの音色とリズムから、感情やシチュエーションの抑揚を感じ取れて、壮大なストーリーを想像しました。

岸田繁:ありがとうございます。そういうのをイメージしながらずっと取り組んでいました。例えばですが、子供って子供なりにいろいろ考えてるけど、大人からしたら子供は意味不明な動きや言い訳をするじゃないですか。この交響曲では子供の論理みたいなところを意識しました。この歳でロックをやると“大人として”とか、”社会的に”とか、どうしても規律的なものに左右されることがあるので、交響曲ではそういう考えから解放されて、自分の中の子供っぽい部分を出せて楽しかったですね。
前作の「交響曲第一番」は交響曲の枠だけ作り、その他はすごく自由なスタイルで子供っぽく直感のまま書き上げましたが、今回の「交響曲第二番」はちょっと成長して幼稚園に入った感じ。ほんの少し縛りがあるというか、友達を叩いちゃアカンでしょみたいなルールがあって、その中で遊ぶみたいなイメージですね。


—— おぉ、なるほど。聴いていて風がそよいだり、雨が降ったり、そんな光景も浮かびました!

岸田繁:山に行った時に天気がころころ変わる、あの感じがすごく好きでね。昆虫や小動物を見ていても感じるんですが、想像通りには動いてくれないけど、彼らは明らかにどこかへ向かっていて……。まぁそんなところが楽曲にもうまく表現できていたら嬉しいです。
くるりの楽曲も同様ですが、主役となる登場人物は一人だけじゃなくて。交響曲で音をつないでいくときも「村人1」とか「木」とか登場人物がいろいろいて、主人公がところどころで変わり、レイヤー状に連なる感じ。それをあたかも主役がいるかのように作る、ここが岸田らしさなのかもしれません。



—— 歌詞のある楽曲と違って、オーケストラは聴き手に想像を委ねる部分が大きいと思いますが、曲作りへの姿勢も異なるんでしょうか?

岸田繁:僕はどうも言葉を扱うことが得意じゃないと思うんです。歌詞を書くのも苦手で、作文を書くのも人前で喋るのも上手じゃないというか……苦手なんですよ(笑)。普段歌詞を書く時は、考えながら書くこともありますけど、わりと直感的に降りてきた言葉を歌詞に使うことが多いです。自分が書いてるようで、自分じゃないものに書かされているような、夢や寝言に近い感覚。けれど言霊みたいに、最初は意味不明でも次第に現実味が増していくんですよね。
そんな感じで今まで言葉と付き合ってきたので、言葉にできない部分、いわゆる曲自体に集中できる交響曲の制作はある意味で気楽でした。


—— オーケストラの楽曲制作に取り組んだのは、ウィーンで制作した「ワルツを踊れ Tanz Walzer」がきっかけだと。これは岸田さんのアーティスト人生にとっても、大きい転機でしたか?

岸田繁:もともとオーケストラが好きで、ウィーンに行った時にいいコンサートを観ることができたんですよ。そこで好きになった指揮者の先生が古楽器や古典音楽にこだわる方で、ルネッサンス音楽やバロック音楽など、僕が今まで聴いてこなかったジャンルだったというのもあり、音楽の世界が広がるきっかけになりましたね。
「交響曲第一番」も「交響曲第二番」もバロックの要素はありますが、指揮者の広上先生と京都市交響楽団のオリジナリティーがありますので、古楽器を使った音楽とはまた違う雰囲気に仕上がっています。いつかバロックの音、弾き方に近い音楽を作ってみたいですね。


—— これからも第三番、第四番と続きそうな予感はしていますか?

岸田繁:はい、交響曲というシリーズにかかわらず、管弦楽曲は作り続けていきたいです。自分の中のモヤモヤとしたものを豊かに聴かせることができる素晴らしいフォーマットだなぁと思っているので、どういう形になるかはわからないですけど続けていこうと思っています。


—— そして、くるりの活動も! 今年初のライブ公演が5月、Zepp Fukuokaで行われますね。どんなライブになりそうですか?

岸田繁:さて、どんなライブになるんでしょうか(笑)。昨年「songline」のリリース以降ツアーをしていなかったので、ツアータイトルは同曲のリリースツアー「列島Zeppェリン」になっています。現在進行形のくるりも、部分的に見せられたらと思っています。くるりとしては次の作品に取り掛かりかけたばかりのタイミング。ちょっとばかし今の欠片を感じてもらえる機会になればいいですね。


—— 昨年結成20年を迎えられて、新境地の感覚はあるんでしょうか?

岸田繁:この間久しぶりにメンバーと集まって、1曲録音したり曲作りのセッションをしまして、今までと全く違うところにギアが入ってきているなと実感しました。いい感じです。メンバーとこれからのことを話したりなんたり。



—— 5月のライブも楽しみにしています! 最後に、天神サイトの読者に一言メッセージを。

岸田繁:5月は新元号迎えますしね、新しい時代になりますから、くるりもそれなりに新しい感じになるんちゃうかなと思います(笑)。ライブでもそれを観せられたらと思ってますんで、よかったら来てください。



●PROFILE
岸田繁(きしだ しげる)
1976年京都府生まれ。ロックバンド「くるり」のシンガー、ギタリスト。作曲家。1998年のデビュー以降、コンスタントに作品を発表し続け、映画のサントラ制作、CMやアーテグトへの楽曲提供も行う。2016年4月より京都精華大学の客員教授に就任。


●RELEASE
『岸田繁「交響曲第二番」初演』
岸田繁・京都市交響楽団・広上淳一(指揮)
3月27日(水)発売  2,700円(税込)

1. 岸田繁 交響曲第二番 Op.8 第一楽章 アレグロ・コン・モート ロ短調
2. 岸田繁 交響曲第二番 Op.8 第二楽章 アダージェット・パストラーレ ロ短調
3. 岸田繁 交響曲第二番 Op.8 第三楽章 ジーク・アラ・バロッカ ニ長調
4. 岸田繁 交響曲第二番 Op.8 第四楽章 アレグロ・モデラート イ短調
5. 弦楽五重奏のための古風な舞曲「あなたとの旅」(管弦楽版) Op.7
6. オーケストラのための序曲「心の中のウィーン」 Op.9


●TOUR
『songline』リリースツアー「列島Zeppェリン」

5月12日(日) 福岡・Zepp Fukuoka
OPEN 16:00 / START 17:00 
前売:1Fスタンディング 5,940円(税込、1ドリンク別)
(問)キョードー西日本 TEL.0570-09-2424(11:00〜17:00/日曜日、祝日休み)

取材・文:simoonu(シモーヌ)
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