グルメ | 新店舗オープン

どんこ椎茸や大分の地酒……じんわり伝わる大分への郷土愛

2018年12月26日 12:00 by 木下 貴子

国体道路と警固本通りの間にある裏路地に、古民家風のたたずまいの店『いっしょう』が誕生しました。表には風合いある木製車輪や鬼瓦が飾られ、格子窓からはやさしい光が漏れます。警固2丁目にありながら素朴な雰囲気に、入る前から温かみを覚えます。



思ったとおり心地よく過ごせるような、落ち着いた感じの店内です。



「お待ちしておりました」と店主・早田彰一さんが案内してくれたカウンター席には、ウェルカムカードが置かれていました。こういうちょっとした心配りが嬉しいですね。一気に店との距離感が狭まります。



品書きを見ようと手を伸ばしたその先に、目に入ったのがカウンターに並ぶ大皿料理。たずねてみると「こちらはお晩菜になります」と早田さん。



『いっしょう』ではすぐに料理を楽しんでもらえるようにと、お晩菜メニューを6種類用意してあります。「手羽先の煮込み」「きんぴらごぼう」など、いずれも1人前194円とういうお値打ち価格!




お晩菜のお任せもあり「3点盛り」(540円)、「5点盛り」(972円)と少しお得です。それならばと3点盛りを注文しました。
艶やかな器に美しく盛られた「どんこ椎茸となすの煮浸し」「ほうれんそうの白和え」「きんぴらごぼう」。調味料を控えめに、どんこ椎茸からとった出汁で味を深めるという早田さん。いずれも優しい味付けですが、満足感が得られるのは椎茸由来のしっかりした出汁のおかげでしょうか。ホウレンソウやゴボウのシャキシャキ感、ナスや椎茸から出る甘みなど、素材の持ち味もしっかり味わえます。



続いてのオススメは、看板メニューである「豊後炊き肉」です。「僕、大分県出身なんです」。はい、先ほどからうすうす感づいていました。大分名物の「りゅうきゅう」なども品書きにありますし。「できるだけ大分色を打ち出したい」と早田さん。離れて15年以上経つという大分への郷土愛を感じます。

「豊後炊き肉」もどんこ椎茸で出汁を取り、醤油も大分産のものを使います。気軽に食べられるよう、スキヤキではなくスキヤキ風の味付けで牛肉を炊き、値段も小盛540円・中盛864円・大盛り1,620円と手頃な価格に設定しています。



具材は牛肉、厚揚げ、ゴボウ、タマネギ、そしてどんこ椎茸。玉子の黄身と絡めていただきます。どんこ椎茸の出汁と牛の甘み、濃厚な黄身が口の中で相まって口福のひととき。




ご飯が欲しくなる味ですが、ここはやはりお酒でしょう。早田さんイチオシの大分の中野酒造の「ちえびじん 純米吟醸 山田錦」(1合918円)。ワイングラスに注がれ、まずそのフルーティーな香りを楽しみます。口に含むと、あれ?っと思うほどすっきりですが、しだいに芳醇な味が訪れ広がっていきます。



お酒も大分の地酒・焼酎が中心です。八鹿酒造の「にごり酒」や、みろく酒造の焼酎「麦のエース」「芋のエース」など。



お晩菜と炊き肉で、日本酒をちびちびやっているとお腹が膨れてきました。ですが、もう一品食べたいところです。何かちょうどいいものをと頼んでみると、ほどなくして、どんこ椎茸と里芋の唐揚げを出してくれました。
薄衣でふわっと揚げた「どんこしいたけのから揚げ」(669円)は、肉厚の身からエキスがじゅわっと染み出ます。自然の甘み! どんこ椎茸は生を使うため、いまの時期だけのお楽しみです。早田さんのお父さまがやっている家庭菜園から届いた里芋の唐揚げは、ほっくほくで風味豊か。「里芋のから揚げ」は1人前550円ですが、写真はハーフサイズ297円です。



ほかにも魚料理や肉料理、ご飯ものなどいろいろあるなか、出汁からメイン素材まで大活躍しているのが、どんこ椎茸です。「お客様からも店の名前を『どんこ屋』にしたらって言われます」と笑う早田さん。ちなみに店名『いっしょう』は、「独立しての第一章」「この場所に一生根付きたい」「大分の生産者と一緒に盛り上げたい」などの想いや願いが込められ、名付けられました。

店が醸しだすやわらかな空気感、温かみあるお晩菜や郷土料理、そこに朗らかな早田さんの接客が加われば、居心地の良さも最高潮。初訪問とは思えないほど、寛いでしまいました。だって、この笑顔ですよ?




立ち寄りやすいようにと、お通しやチャージはありません。お一人様でも、家族の夕飯としてでも、ちょい飲みでも、あらゆるシーンで活躍しそうです。

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

豊後炊き肉とお晩菜

住所 福岡市中央区警固2丁目16-20 朝日プラザ赤坂
TEL 092-753-8338
営業時間 17:30~翌1:00(フードOS24:00、ドリンクOS24:30)
定休日 不定
URL https://takinikuichishou.owst.jp/

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