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「役に血を入れ替える」河瀬直美監督「Vision」に挑んだ永瀬正敏&岩田剛典にインタビュー!《直筆サインプレゼント!》

2018年12月14日 18:00 by 筒井あや

今年6月に公開された河瀬直美監督「Vision」。世界中で高い評価を受ける河瀨直美監督が、生まれ故郷である奈良を舞台に、世界三大映画祭すべてで女優賞を獲得したフランスの名女優ジュリエット・ビノシュ、河瀬作品3作目の参加となる俳優・永瀬正敏をダブル主演に新たな傑作を完成させた。

同作のDVDリリースを記念して、主演の永瀬正敏、河瀬組初参加の岩田剛典にインタビュー。

——独自の演出方法で知られる河瀬組に入る際に、心掛けていらっしゃることはありますか?

永瀬正敏:僕は「Vision」という作品で3作ご一緒させていただきました。撮影が始まる前毎回、実際撮影で使う場所に住んで、大きな言い方をすると、血液を役と入れ替えるというか、そういう作業を1週間~2週間くらいやるんです。そこから始まるので、気が抜けないというか(笑)。なので、今回の撮影場所である奈良県の吉野に行く時も覚悟を決めて行く、毎回そういう感じですね。

——この作品の主演でもあるジュリエット・ビノシュさんと河瀬直美監督が出会うところに永瀬さんは居合わせたそうですが、どんな感じだったんですか?

永瀬正敏:「光」という作品で、カンヌ国際映画祭に行かせて頂いた時です。映画祭の公式ディナーがあって、その時に、河瀬監督が以前から交流があり、今回のプロデューサーでフランス在住のマリアン・スロットさんが「ジュリエットがいるから紹介するわ」と仰って、ご挨拶に行かれる時に僕もついて行ったんです。ジュリエットさんも以前から河瀬さんの作品をご覧になっていて、そこで二人が意気投合するのを目の当たりにしながら「いつかやれるといいね」と話していた三ヶ月後にはクランクインしていましたから本当にビックリしました(笑)。

——岩田さんは、河瀬直美監督の作品に対してどのようなイメージを持たれていましたか?

岩田剛典:僕は今まで拝見させて頂いた中で「あん」が一番印象的な作品でした。映画の中で登場する役者さん全員が、演技をしているように見えない。これはどういうことなんだろう?って思ってしまうくらい、ナチュラルにストーリーが進んでいくんです。その感じは、他の監督が撮られる作品には無い、何かがあるんだろうなと思っていました。僕は参加する前までは視聴者の目線だったので、客観的に見ていて本当にナチュラルだなと思っていました。特に、光の使い方が綺麗ですよね。光と影のコントラストがハッキリしていて、逆光の美しさの中で芝居をされるシーンとか、本当に美しい映画を撮られる監督だなという印象でした。

——先ほど永瀬さんが仰っていた“血を入れ替える”という作業を初めてされたかと思いますが、実際に監督の作品に出演してみていかがでしたか?

岩田剛典:昨年初めて監督とお会いしたのですが、関西弁ですごく気さくな方で、その第一印象からビックリさせられました(笑)。あんなに美しい映画を撮られていた監督が普段はこんなにフランクな方なんだと。その時に「いつかご一緒させて頂けたら、光栄です」とお話をさせていただいていたんです。その時に、三ヶ月後にこの作品にクランクインすると仰っていたんですが、その後すぐに連絡をいただいてビックリしました。僕は監督に「がんち」って呼ばれているんですけど(笑)、「がんちにピッタリの役があるよ」って連絡を頂いて、参加することが決まって、監督の現場のスタイル、河瀬組の掟(笑)を伺いました。それから現場に入りました。

共演者の方々も本当に素晴らしい表現者の方ばかりで、大先輩ばかりで、僕なんかがこの座組に入って良いのだろうか?(笑)って、そう思いながら、緊張感の中でのクランクインでした。
これまで自分が培ってきたものや経験してきた事は、全部、一旦真っ新にして、何も考えずに現場に入りましたね。とはいえ、初日には僕自身、考えていることもたくさんあったのですが「それ、やめな」と最初に監督に言われて、そこからは無心で「鈴」というキャラクターを生きるというか、それだけに集中できた奈良の滞在期間でした。本当に貴重な体験でした。

——何か番組で、河瀬直美監督が、役者さんに語るように、諭すように演出をされていたのが印象的でした。今回もそんな感じでしたか?

永瀬正敏:はい、それは毎回一緒ですね。細かい動きや“ザ・芝居”ということをあれこれ演出なさるのではなく、心を一番大切になさる監督さんです。僕たちは今回、技術的な問題もあって少し早めに現場に入って、本当の山守さんや特殊伐採の方にたくさんの技術を教えて頂きました。一緒に習っていて感じたのは、岩田くんは勘がいい!高い木の上にスルスルっと登って、逆手で小さなのこぎりで枝を切るという作業は、相当に難しいんです。それをすんなりやってる。登って作業してスルスルと降りてくるところまで、実際に一連の動作としてやるので、そこに嘘がない。しかも岩田くんはそれをあっという間に覚えたんです。結構、難しいことをやってたんですよ、彼は(笑)。

——岩田さんは、コツみたいなものを早い段階で掴んでいたんですか?

岩田剛典:教えてもらってすぐに出来る技術ではないと思うんです。自分の撮影が無い日に、実際に本職で特殊伐採されている方の家にお邪魔してレクチャーをしていただいて、そういう日々でした。だから常に本番に向けて備えて、ブラッシュアップしていく日々でしたね。なんとか本番の日に間に合って良かったです(笑)。

永瀬正敏:でもあっという間にできたよね(笑)。本当に難しい技術なんです。それに加えて、撮影が終わるまでかなり高い木の上にずっといて、自分の撮影に入るのを待っていないといけない。あれは大変だったよね。僕は下から頑張れ!って言ってるだけだったんですけど(笑)。シーンとしては映画には出てきませんが、そういう時間も凝縮されて、「鈴」という役が形作られるんだろうなと改めて感じていました。でも河瀬直美監督の現場はそういう所を実に丁寧にやっていただけるので、本当に嘘がないんです。

——技術を習得することも含めて、それぞれ役をどのように身体に入れていったのでしょう?

永瀬正敏:それは“場”だと思います。僕たちは実際に吉野という山に入って、そこで生活しましたから、吉野の山に教えてもらうことがたくさんありました。毎朝、起きたら必ず犬の散歩をして、神社に行って、お散歩しながら戻って来て、畑の面倒を見て、岩田くんは薪を割って、みたいなルーティンを毎日やっていくうちに、吉野の山に教わることというか、今思えばですけど、そういうことが大きかったですね。だから場に助けてもらっていることもあるなと思いますね。

岩田剛典:撮影は、本当に生活を切り取ったドキュメンタリーみたいな部分もあって。しかも電波が入らない現場なので、ちょっと現代社会から離れた場所で生活していたんです(笑)。それに劇中の世界観というのが、自分たちが生活しているそのままが映し出されているという感じでしたし、森の力というのは本当にスゴいんだなというのを、生活をしていて改めて感じました。シーンとする(音が無くなる)時間が全く無くて、常に風で木がなびく音だったり、動物の鳴き声とか。特に夜とかスゴいんですよ、鹿も本当に出てきたりして(笑)。

——ジュリエット・ビノシュさんと共演されてみて、刺激を受けたことや思い出に残っていることはありますか?

永瀬正敏:世界三大映画祭で受賞されている世界的な女優さんで、僕はほぼ同世代なので、ジュリエットさんが出演されていた映画を観客として観ていたのでとても貴重な体験をさせていただきました。

ジュリエットのスゴさというのは、キャッチ力の速さ、理解度の深さですね。全然違う言語でやり取りをしているのに、キャッチ力がスゴいんです。それを僕に置き換えると、時間が掛かりそうなことを一瞬でキャッチされる、それを自然に表現されるんです。そういうところが名だたる世界の監督さんたちに愛される女優さんなんだなと思いました。

ひとつ可愛かったのは、岩田くんと一緒にカレーを作るシーンがあって、あれは本当に二人でカレーを作っていたんです。それをジュリエットに振る舞ったんですけど、ジャガイモを一切食べてくれなくて(笑)。ジャガイモ嫌いなの?と聞いたら、「ご飯も炭水化物だから、いっしょに食べるのはおかしくない?」って言われて(笑)。美味しくなかったのかと思って、ドキドキしてたら「美味しいのよ、でもジャガイモとご飯は別々に食べたいわ」って。そういうたわいもない会話も楽しかったですね。

——永瀬さんは、岩田さんにとって俳優として大先輩ですが、今回共演されてみていかがでしたか?

岩田剛典:本当に頼もしくて。「Vision」もそうなですが、河瀬組というものに対して、初めてのチャレンジでもありました。さらに河瀬組ならではのさまざまなルールがあって、そのルールに慣れるのに少し時間が掛かったり、気持ちを入れるのに時間がかかる部分もあったんですけど、そういう悩みを持つだろうと思われたのか、初日に「何かあったら俺に言ってくれ」と言ってくださって。僕は甘えてばかりだったのですが、画面に映っていないところで色んなコミュニケーションを取ってくださいました。

山守としての居方や仕草など画面に映らない部分でもたくさん教えて頂いて。それがあったからこそ、山守という役に落とし込めたと思います。でも、共演者といえども僕は他の役者なんですよ。作品の為にそこまで気を使ってくださる、優しさと男らしさを感じていました。その永瀬さんの姿勢を見て、改めて背筋が伸びる思いだったんですけど、すごく感動しました。僕は今すごい方とご一緒できてるな、みたいな。

——俳優としての岩田さんの印象は?

永瀬正敏:これは多分、持って生まれたものだと思うんですけど、纏っているもの、特に目が良いんですよ。目の奥がもの悲しかったり、本当に楽しかったりする、目の奥の表情が良いんです。これはきっと訓練してもできないものだと思うんですけど、単純に笑っているだけじゃない、単純に喜んでいるだけじゃない、単純に悲しんでいるわけじゃない、というのを目の奥で表現できる人だなと思っていました。

今回彼は本当に大変なスケジュールで、ツアーもあって歌番組があったりするので、そこを分断して撮影に入らないといけなかったのですが、やっぱり板の上で育っている人なので、その切り替えが素晴らしい。一切ステージ上の彼を纏ってこないんですよ。「鈴」として現場に入って、撮影が終わったら、今度は「鈴」をパッと脱いでステージの世界に行くというのが、岩田くんじゃなければ出来なかったことだと思います。

——福岡にはどのような印象をお持ちですか?

岩田剛典:僕は、よくライブとかで来る機会が多いですが、福岡のファンの方って優しいんです。ライブ以外でもイベントをさせて頂いたりしますが、温かく声を掛けてくださるファンの方が多くて。福岡の方は「岩ちゃん!」って気軽に声を掛けてくれる印象がありますね。それは土地柄なのか、温かいなといつも思います。

永瀬正敏:福岡は僕が中学生くらいの時から、ロックキッズとしては、福岡は憧れの場所でした。すごく小さい頃に影響を受けたバンドがいっぱいいた土地なので、僕にとってはスペシャルな場所ですね。

 

【12月5日(水) Blu-ray&DVD発売!】
ジュリエット・ビノシュ×永瀬正敏 W主演
「Vision」


監督・脚本・編集:河瀨直美
出演:ジュリエット・ビノシュ 永瀬正敏
岩田剛典 美波 森山未來 コウ 白川和子 ジジ・ぶぅ 田中泯(特別出演) 夏木マリ
2018/日仏/110分/シネマスコープ PG-12
©2018“Vision”LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

【Blu-ray】(豪華版) ※本編Disc1枚+特典Disc1枚
価格:6,800円+税
収録時間:本編110分+特典映像 仕様:片面一層/カラー/ステレオ/リニアPCM/16:9 1080i High-Definition【DVD】(豪華版) ※本編Disc1枚+特典Disc1枚
価格:5,800円+税 
収録時間:本編110分+特典映像 仕様:片面一層・二層/カラー/ステレオ/ドルビーデジタル/16:9シネスコサイズ
★豪華版特典(Blu-ray, DVD共通) ★
《映像》 ◆メイキング ◆キャストインタビュー ◆特報・予告
《その他特典》 ◆オリジナルブックレット ◆特製スリーブケース
※仕様・特典等は予告なく変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい

【DVD】(通常版)※本編Disc1枚
価格:3,800円+税
収録時間:本編110分

 

DVDリリースを記念して
★読者限定激レアプレゼント!★

永瀬正敏&岩田剛典 直筆サイン色紙…1名様
【応募方法】
(1)天神サイト公式twitterアカウント(@tenjinsite)をフォロー。
(2)公式twitterアカウントから本記事をリツイート。
【応募期間】2018年12月14日(金)〜12月24日(月・祝)
※注意事項
・応募締め切り後、厳選な抽選の上、当選者を決定します。
・結果発表は当選者にtwitterDMでご連絡いたします。
・ご連絡が7日以内にない場合は当選を無効とさせていただきますのでご注意ください。
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※当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

 

 

取材・文:筒井あや
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