グルメ | 新店舗オープン

27年目の大改革。新生「リストランテフォンタナ」至福のディナーをレポート

2018年12月02日 12:00 by 森 絵里花

地下への階段を降りた先にある「大人の上質な隠れ家」。1991年に創業したイタリア料理店『リストランテ フォンタナ』が、10月27日(土)にリニューアルオープンを果たしました。

新たなコンセプトは、伝統的なイタリア料理を現代的な発想で仕立てた「Latest Classic Italian」。

27周年を迎えた今年6月に一時クローズし、大規模改装を経て完成した“新生フォンタナ”をレポートします。

「©️IKUNORI YAMAMOTO」

リニューアルを手がけたのは、福岡を代表するクリエイターである、プロダクト・インテリアデザイナーの高須学氏とアートディレクターの梶原道生氏。重厚感ある煉瓦造りが印象的だった空間は、クラシカルな要素を残しつつも、現代的な美を盛り込んだ洗練された雰囲気に生まれ変わりました。

「©️IKUNORI YAMAMOTO」

まず印象的なのはゆったりと弧を描く天井と、そこに配された大理石の天井画。こちらはイタリア・ミラノ大聖堂の「ローズ・ウインドウ」を象っているそう。空間照明はすべて照明デザイナーが手がけており、家具設計は「カッシーナ」。左官職人の技が冴える版築壁(はんちくかべ)は地層をイメージしており、過去、現在、そして未来へと積み重ねていく歴史への想いが込められています。

また、生まれ変わったのは空間だけではありません。料理長として腕をふるうのは「ホテルニューオータニ博多」や「カノビアーノ福岡」、東京や神奈川のレストランなどでも腕を磨いた、気鋭の小川祐樹シェフ。

食材は糸島や九州を中心に、全国各地より厳選。地元食材は、小川シェフ自ら生産者の元を訪ね、農園や市場で吟味しています。

また、準備期間中にはイタリアへ渡り、本場の伝統料理から現代的なコースまでを肌と舌で感じてきたばかり。自身の経験・感性を軸に、現地や生産者の方から受けたインスピレーションと想いを料理に注ぎ込みます。

ランチは2,700円、4,320円、6,480円、ディナーは7,560円、10,800円、14,040円と、各3種のコースを用意。スペシャルコース(ランチ6,480円、ディナー14,040円)は2日前までの要予約で、その他のコースも予約がベターです。

今回はディナーの「スタジオーネコース」(7,560円)をいただきました。

コースの最初に登場するのは、軽くつまんで楽しめる3、4種の「スナック」。ほんのりと温かいフィナンシェからは、アンチョビとレンズ豆の塩気、バターの風味がふわり。生地を揚げて生ハムを巻いた「ニョッコ・フリット」は、イタリア・モデナ地方に伝わる名物料理で、さっくりとした食感がスプマンテを誘います。

続いての「“カプレーゼ”」は、伝統と革新を表わす小川シェフのスペシャリテ。モッツァレラチーズはムース状になっており、底には白ワインのジュレと糸島市「藤波農園」直送のトマトが隠れていました。

口に含めば、ムースがふわふわトロリ! トマトは湯剥きしただけというのに旨味がギュッと濃く、弾けるマイクロバジルとオリーブオイルの風味も実に爽やかです。

お鮨からインスピレーションを得たという一皿「ハタのカルパッチョ」にも驚き。17日間ほど熟成させた肉厚なクエの間には、何とお米のおこげが隠されていました。クエの力強い旨味、サクサクとしたおこげの食感、セロリやビネグレットの風味がとりどりに弾け、添えられたリンゴと生姜のピュレも心地よい変化を与えてくれます。

こちらは、鱗はパリパリ、身はレアに仕上げた甘鯛の「磯の香るズッパ」。野菜のブイヨンに北海道産・昆布森産の雲丹をたっぷりと加えた贅沢なスープは、火入れした雲丹特有の臭みがなく、軽やかでミルキーな口当たりがたまりません。底には糸島産柚子を絡めたズワイガニとレタスが隠れており、食感も味わいのバランスも計算されています。

パスタ麺は、イタリアで修業を積んだパスタ専門のシェフが担当。この日は、鴨肉のラグーソースを絡めた、ヴェネト州に伝わるロングパスタ「ビゴリ」が登場しました。歯を心地よく押し返す強いコシが格別で、深みあるラグーの旨味も負けていません。

メインは「長崎県産じげもん豚ロース肉のグリッリア」。オーブンを出し入れしながら丁寧に焼いた豚ロースの火入れ加減は完璧。仕上げに余分な脂を炭で落とすというひと手間もきいています。淡路島産のタマネギの甘味を引き出したソースや、伊万里産のパプリカを使ったペペロナータも肉のおいしさを引き立てていました。

さらに、最後のドルチェは「ドルチェ ピッコロ」、「ドルチェ」、「小菓子」の3部構成です。こちらは、イタリアの伝統菓子「トルタディリーゾ」(お米のタルト)を現代風にアレンジした自慢の一品。ピュアな甘味がとろける自家製の“お米のアイスクリーム”にサクサクのポン菓子がよく合い、新しくもどこか懐かしい美味しさが広がります。

前半の料理では現代的な軽やかさや独創性を感じさせつつ、パスタや肉料理、ドルチェでは伝統的なイタリア料理らしい温かみや深みも表現。一新された空間も相まって、まさに伝統と革新を感じるひと時となりました。

福岡のイタリアンに新しい風を吹き込む“新生フォンタナ”から、今後ますます目が離せません。

 

 

 

取材・文:森 絵里花
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リストランテ フォンタナ

住所 福岡市中央区渡辺通4丁目8−28 F.Tビル B1F
TEL 092-732-6678
営業時間 11:30-14:30(OS13:30)17:30-22:00(OS20:30)
定休日 月曜日(月曜日が祝日の場合は、火曜日店休)
URL https://fontana1991.jp/
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