まち

【脳内TRiP〜ニューヨーク編〜】書を捨てよ町に出よう!YES!I am ホームレス!(後編)

2018年10月19日 21:00 by しののめ

私のニューヨークの旅は、ホームレスになることから始まった。今週は後編をお届けします。
【前編】
https://tenjinsite.jp/topics/topics/68110
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どんなことがあっても夜は明けるんだな…。

静まり返った暗闇がほんのりと色づき、ピンクとグレーが交じり合った色へと変わっていったとき、長い旅が終わったような、そしてまたひとつ新しい旅が始まるような、そんなすがすがしい気持ちがそこにはあった。

ホームレスになることから始まったニューヨークも悪くない。こうしてここに居なければ、どんなにほのかでも、わずかな光が心に明るみをもたらしてくれるなんて、そうそう気付くことがなかったかもしれない。

未だポールから連絡はない。

『07:00am in Brooklyn』

午前7時のブルックリン…。そんな響きもなんだか悪くないし、なんていうか、そんな時間にこんなところに放置されている自分を実感してきて、ちょっと楽しくなってきちゃった。

酔っぱらいは心ゆくまで寝るがよいさ!しーんぱーいないさー!ライオンキングみたいな心まで生まれた。そんなことをふんわり考えつつ、お腹は空きつつ。

この建物の角に、コーヒーとちょっとした食べ物が買えそうな小さなお店があったことを思い出し、マフラーを顔中にぐるぐると丁寧に巻き直して1ブロックの散歩に出た。

ふふ…いい感じ。佇まいがとってもいい感じ。もう、なんか、ブルックリンに住む人たちの生活の一部に片足突っ込んだのかと思うと、それだけで絶妙に幸せ…。

ここはひとつBREAKFAST SPECIALを注文だ!私のニューヨークスペシャルカモンッ!南米系かと思われる店主のおじちゃんは、そのラテンさを裏切らない様子で、早朝からテンションMAXで私のオーダーをしっかりキャッチ!

「おじょうちゃんこの辺で見ない顔だね!オッケーまかせときなっ!」

しばしのクッキングタイムの後、私はMYニューヨークスペシャルをゲット!

「テンキューーー!!」

おじちゃんありがとー!なんか注文したものと全然違う食べ物を手に渡された気がするけど、ありがとーー…!泣

おじちゃんに負けない元気のよさでお礼を言ったよ。お店を出たと同時に私の顔が真顔になってたのは気のせいだよ。食べたいものが食べられなかったのは、私の衰えすぎた英語力のせいだよ。って思うよ…。

そんなこともあるさって思いながら1ブロックをまた戻り、買ったばかりのコーヒーはすぐすぐ飲まないで、両手で包んで温まろう…。

もう気分はマッチ売りの、、

ダダダダダダーーーーーーーーッ!!

「SHINOォォォォォォーーーー!!」

笑!!勢いある足音に階段の方を見上げ、私はニヤニヤせずにはいられなかった。寝ぐせだらけのぴょんぴょんした変な髪の毛。ポールってば、やっと起きた…笑

シノーー!と私の名前を呼ぶ声と共に、勢いよくグワっと大きなハグで覆いかぶさっては、ほぼほぼオーマイガーとソーリーの2単語だけを言い続ける一生懸命なポールに、私はケタケタ笑うしかなかった!

外は凍てつく寒さだった。だけど私の心は温かかった。こんな朝も悪くない、ね。

今こそ心の底から”Good Morning NYC”!

ついに、Shino in the house〜〜!
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ホームレスから始まる旅も悪くなかった。早朝4時の暗闇の中、サハラ砂漠に置き去りにされたことだってあったし。良いことも悪いことも、いつ何が起こるか分からない旅のリアル。

10代から海外には行っていたけれど、28歳の時に5年勤めていた仕事を辞めて世界一周バックパッカーの旅に出た。仕事を辞めて次の仕事が新たに見つかるか、という不安よりも、何も変わらず数年経って、数年後も同じ日々の繰り返し、の方がよっぽど恐怖でならなかった。だから今思うのは、「マジでグッチョイス!28歳の時の私!!」

誰もが経験できないけど、誰もが経験できること。”旅”というものは、一度飛び出してしまえば絶対に後悔はしない。と、私はここに公言したい!
大事にしているものはそれぞれ違うだろうけど、それでも”旅”というチョイスがそこに少しでも含まれるのならば、書を捨てよ、町へ出よう!いや、旅へ出よう!(書/本は旅に必須かもしれないけど。笑)
目で耳で肌で感じる空気感。五感が研ぎ澄まされるあの感覚。絶対に経験すべきことでしょう!

取材・文:しののめ
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