グルメ | 新店舗オープン

名店のDNAを受け継ぎ、昇華。ほろり酔いたい大人の和食居酒屋

2018年10月07日 12:00 by 森 絵里花

バーや和食店など、隠れ家的な名店が点在する春吉エリアに、また一つ馴染みにしたい一軒が誕生しました。9月2日(日)に開店した店の名は『お料理 山乃口』。

春吉リバーサイド通りの中ほどから、1本入った細い路地の先。暗闇の中にぽつんと灯る明かりに誘われて、白い暖簾をくぐります。

「いらっしゃいませ!」と、店主の山之口寛さんとスタッフさんが温かく迎えてくれました。1階にはゆったりとした12席のカウンターを据え、目の前には炭焼き場を置くピカピカに磨かれた厨房が。いずれは、2階席も解放予定だとか。

そっと差し出された突き出しのお浸しは、上品なお出汁が効いていて、期待がぐんと高まります。

さて品書きを見やれば、お造りから一品料理、旬菜旬魚の炭焼きに酒が進む肴までがズラリ。まさに、和食と炉端焼きのいいとこ取りです。

それもそのはずで、山之口さんは数多くの料理人を輩出した名店「たらふくまんま(現女とみそ汁)」で和食の修業を重ね、福岡の炉端焼きの代表格「炉ばた雷橋」に入り、姉妹店の「炉ばた三光橋」では店長を務めた実力の持ち主。

これを見るだけでも“良い店だ”とわかるような、酒欲をそそるラインナップがたまりません。

お造りがどれも美味しそうで悩んでいると「少しずつ出しましょうか?」と、4種すべてを供してくださいました。

まずは、表面を炭で香ばしく炙った「鰆の炙り」。乳白色にほんのりと桜色を溶いたような美しい白身は、柔らかくとろけるようで、皮目の香ばしさと甘味が口いっぱいに広がります。

たっぷりのミョウガとカイワレを添えたのは「かます炙りぶっかけ」。上品ながらも旨味とコクのある旬のカマスに、爽やかなポン酢と薬味の香味が絶妙に絡みます。

これはお酒が欲しくなる!と、慌てて日本酒を注文。味わいのバランスや料理に合わせて選ぶ全国各地の日本酒(864円〜)は、30種以上あるストックの中から10本前後を開けて用意しているそう。グラスからこぼれ、升にも並々たっぷりと注いでくれるのが嬉しい限り。

丁寧に包丁を入れたアジは、舌へのせるだけで脂の甘味がジワ〜ッ! どの魚もネタの質の良さは抜群で、確かな目利きを感じます。

辛子とタマネギを添えて供されたのは「かつおわら炙り」。藁で燻した薫香もさることながら、それに負けないカツオの旨味が力強く押し寄せます。

お造りで魚の美味しさにぐっと惹きつけられてしまったので、今が旬の「さんまの炭焼」(1,512円)もドドンとオーダーしてみました。皮目がパチパチジュワジュワと踊る焼き立ての姿と香りが格別で、味の良さはいわずもがな。粗く下ろした鬼おろしとカボスも、いい仕事してくれます。

このまま魚料理を食べたい気もしますが、お肉、野菜料理だって負けてはいません。「かもロースと焼きねぎ」(972円)や、炭火で焼く地鶏塩焼き(1,080円)、和牛イチボ(100g・1,944円〜)など、肉料理も抜群の火入れで仕上げます。

こちらは、近日登場予定だという「手羽先の一夜干し」。余分な水分が抜けて皮目はパリッパリ、身には旨味がぎゅっと凝縮されています。これは手が止まらなくなりそう。

煮付けや白和え、酢漬けなど、旬の野菜は丁寧な仕事をほどこし、素材の持ち味をシンプルに活かします。炭で焼いた「焼きなす」(648円)は、汁がしたたるジューシーさで厚く削ったカツオ節も粋。

「魚はもちろんですが、肉も野菜も、あれこれうまいものが楽しめる店が理想。だから、“オススメは?”と聞かれると、自分でも悩んでしまうんです(笑)」。と、山之口さん。確かに、魚料理、炉端焼き、と決めつけるのはナンセンスかもしれません。

だって、品書きにはまだまだ、「さばのへしこ」などの珍味や肴、ご飯ものも、あれこれ美味しそうなメニューが並んでいますから。

お客様からのリクエストがあれば、炊きたての土鍋ごはんを供することも。炊きたての白ごはんに、ほんの少しへしこをのせて……。想像するだけでにやけてしまいます。

魚料理や炭火焼きを目当てに行くもよし、日本酒と肴を嗜むもよし、軽く飲んでご飯と味噌汁が飲みたい……、そんな日にも。

“あの店に行けば、なんか美味しいもんが食べられる”。これぞまさに大人のための和食居酒屋。きっと“酔い”夜が過ごせるはずです。

取材・文:森 絵里花
このライターの他の記事を読む

プレイス情報PLACE

お料理 山乃口

住所 福岡市中央区春吉2丁目7-18
TEL 092-738-6635
営業時間 18:00〜24:00
定休日 不定休
PAGE TOP