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新作歌舞伎『あらしのよるに』が博多座に!中村獅童&尾上松也が見どころを語る

※このイベントは2018年11月27日(火)をもって終了しました。

2018年09月25日 21:00 by 筒井あや

1994年に出版された、きむらゆういち作の絵本「あらしのよるに」を新作歌舞伎として舞台化した本作。本来は敵同士の捕食関係にある狼と山羊の禁じられた友情を描いて、子供から大人まで熱い感動を呼んだ話題作が、11月の博多座に登場!
本作は、主人公のがぶを演じる中村獅童と絵本の出会いから始まり、2015年、京都の南座にて初演。翌年、早くも東京の歌舞伎座で再演され、いよいよ11月、博多座には初お目見えとなる。現代の絵本が歌舞伎になるのも、全編、動物のみが出演する歌舞伎も今作が初。

企画から携わり、狼のがぶ役の中村獅童と山羊のめいを演じる尾上松也が来福し、作品の見どころを語ってくれた。

——中村獅童さんは企画から携わられているそうですが、歌舞伎作品にしたいと思った理由は?

中村獅童:13~4年前、NHKのてれび絵本という番組で声優をやらせていただいたことが最初の出会いでした。その時に、母と「これは歌舞伎になるね」と話していました。それから2014年に母は亡くなりましたが、実は亡くなるずっと前に母が「いつか獅童が出し物(歌舞伎公演での大きな役)をできるようになったら、これは獅童にぴったりだからやらせてやってほしい」と企画書を書いて松竹の方に渡していたそうです。それを僕が知ったのは、2015年京都・南座で本作を初演する直前でした。母の遺言のようなものでもありますし、大人になっても母の世話になりっぱなしだなと思ってしまいました。母の意志を継ぐということでも、しっかりやらなくてと思っています。

——尾上松也さんは、獅童さんからオファーされた際に、どのようなお気持ちでしたか?

尾上松也:初演の時の1~2年前に、歌舞伎座の獅童さんの楽屋にうかがった時、実はこういう企画があるので一緒にやろうと言ってくださいました。当時、僕はまだ歌舞伎でも大きな役を頂けてもいなかったですし、テレビに出演することも少なかったので、新作歌舞伎に出演させて頂ける上に、主役の一人でもあるこの役で、声をかけてくださったことが本当にうれしかったです。獅童さんの心意気に感銘を受けまして、その時に、なんとかこのお芝居を僕の力でよい作品にしたいと強く感じていました。

——松也さんは山羊のめい役をどのように演じられようと思われましたか?

尾上松也:この作品は、どんな方でもどこか自分とリンクする部分ありますし、性別年齢国籍を問わず何かを発見できる作品だと思います。原作で山羊のめいは、オスとメスを区別する表現は書かれていませんが、歌舞伎の中ではオスという設定ではやっています。原作でもおそらくオスではあるんですけど、僕はどこか中性的でどちらとも言えないような感覚のあるキャラクターだと思っています。

僕自身が作品性に惹かれた要因の一つは、中性的であるということでもありましたので、その感じは残したいと思いました。ですから、めいを演じる時には男女を意識せず、ただ単に、がぶを愛して友情を育むという演じ方をしていますので、観る人によっては恋人同士にも見えるし、兄弟のように見えるかもしれないし、すごく熱い男の友情にも見えるかもしれない。そういう見方ができるような作品にしたいとは思っています。

——今回の新作歌舞伎を製作される上で、イメージされていた事は?

中村獅童:古典にこだわりながら『あらしのよるに』の絵本の世界観を壊さないように作りました。新作歌舞伎というと、映像など新しい技術を使うと思われがちですが、この作品に関しては歌舞伎の古くからある表現にこだわっています。義太夫、長唄、歌舞伎ならでは踊り、立ち回り、歌舞伎のいいところが凝縮している新作歌舞伎です。

また、絵本が原作ですので、子供たちにも歌舞伎を観て欲しいと思い、今回は4歳以上のお子様も劇場でご覧頂けます。僕もそうですが、子供の頃に観に行った映画や演劇は大人になっても思い出しますので、きっとその子たちが大人になった時に、小さい時にお母さんと歌舞伎に行ったなと思い出してくれたらうれしいですし、大人になって歌舞伎を観ようという気持ちになって頂けたら、この芝居を作った甲斐があるかなと思っています。

尾上松也:舞台は総合芸術です。義太夫や衣裳など、歌舞伎なりの工夫をしながら製作されています。ヤギのめいの演技にしても同じで、昔からある歌舞伎で演じる動物の動きを踏襲しながら新たなめいを作り上げました。私が個人的な工夫をした点は、ヤギなので草を食べたりするシーンがあるのですが、そこはリアルにヤギの口の動きを表現するようにしているのと、これは僕だけがこだわっていることですが、初演時からヤギの蹄の“型”というのを自分の中で作って、それをずっとやり続けています。それが唯一の個人的なこだわりですね。本当に微々たるものですが、手をヤギの蹄のような形にすることにこだわっています(笑)

 

博多座十一月花形歌舞伎 新作歌舞伎『あらしのよるに』は、11月3日(土・祝)~27日(火)まで博多座にて公演。
 

 

取材・文:筒井あや
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博多座十一月花形歌舞伎 新作歌舞伎『あらしのよるに』EVENT

会場 博多座
期間 2018年11月3日(土・祝)~2018年11月27日(火)
料金 A席 15,000円
特B席 12,000円 
B席 9,000円 
C席 5,000円
チケット発売日 2018年9月8日
主催者URL https://www.hakataza.co.jp/
※4歳以上入場可
お問い合わせ 博多座(TEL:092-263-5555)
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