グルメ | 新店舗オープン

四季をテーマにアイデアに満ちた料理とドリンクを生み出す新進気鋭の二人

2018年06月22日 12:00 by 木下 貴子

料理人として経験を積むかたわら、世界各国いろいろな土地を旅してきたという店主・森山勝盛さん。「海外で過ごしたことで、日本の良さが分かりました。なかでも、日本は季節が感じられる場所だと強く思いましたね」と話します。そんな思いを込めて誕生させたのが、四季の移り変わりを楽しめる店『路地裏のShiki』です。


「路地裏」とあるように場所は薬院六つ角に近い、上人橋通りから警固に入り込んだ裏手にあります。入口には小さな庭園があり風情があります。



内観はモダンな和の設え。




四季を生かすのは和食の真骨頂。てっきり料理も和かと思いきや、「コンセプトは、海外の都市にあるような日本のレストラン。和にも洋にも偏ることなく、『ジャンルレスな料理やドリンク』を楽しんでいただければ」と森山さん。イタリアンをベースに和の要素を織り交ぜた創作料理が中心です。アラカルトもありますが、四季=旬を存分に楽しんでもらいたいと18時から22時まではコースを主体にしています。

コースの品書には、たとえば6月のメニューでは「トリュフ マッシュルーム ローズマリー」「ヤリイカ イカスミ 山葵」「ニョッキ 空豆 ペコリーノロマーノ」「本日のお肉の炭火焼き 実山椒 もろみ味噌」「筑紫野産・減々元気つくし米 新生姜 カツオ」というように、食材の名称が連なります。前菜数品、メイン2品、ご飯、デザート、お茶という流れで全11品。しかもお値段は4,104円!


この日は、「ぜひこのメニューをお試しください」というおすすめがあったため、コースではなく一品をいただくことにしました。さて、そのメニューはというと…。

じゃーん。こちらなんだと思います? お寿司のように見えませんか?
実は、ポテトサラダなんです。ポテトサラダの上に自家製の〆サバを乗せた、その名も「ポテ鯖」(648円)!


ポテトサラダにはウメやシソが混ぜ込んであり、〆サバとの間に奈良漬が挟んであります。添えられるのは西京味噌と白ワインと合わせた明太子ソースと、自家製の塩昆布パウダー。食べてみるとポテトと鯖のふわっとした食感の後に、奈良漬のコリコリした食感が訪れ、最後にほんのり梅とシソが香ります。こんなポテサラは初めてです。こちらの反応をみながら「博多の新名物にならないかなと思って考えてみたんです」と森山さんもにっこり。ポテサラが大好きで福岡中のポテサラを食べ歩き、どこにもない独自のポテサラを開発したとも話します。


ほかにもオリジナリティ感じられる一品が用意されています(内容は日によって変わります)。

「鮎のセモリナ粉フリット」(756円)。自家製のパウダー塩(トウモロコシ・ビーツ・空豆・桜海老・昆布)でいただきます。



季節の魚を、炭を使って香りを付け、さらに皮面をパリッと。「鮮魚のポワレ 炭の香り」(1,404円~)。オマール海老でとった自家製アメリケーヌソースとパプリカのソース、そしてエストラゴン(香草)のパウダーを添えて。まずはそれぞれのソースとパウダーでいただき、最後に合わせて食べると三位一体に。



「宮崎県産 有田牛のステーキ」(150g 1,836円)。牛に与える肥料や水に農薬を一切使っていなというこだわりの無農薬牛を、低温調理で旨味を逃がさずにジューシーかつ柔らかく仕上げます。イタリアのマルサラワインのソース、大分県産のもろみ味噌のソース、山葵とともに。



コースの〆にも出している「季節のご飯」。注文が入ってから南部鉄器で炊き始めるため、炊きたてで、米の甘味・旨味がはっきりと味わえます。森山さんのご友人家族が作る減々農薬のお米を使用。季節によって内容が変わり、今の季節は、新生姜の炊き込みご飯を鰹の漬けと一緒にいただきます。単品は1合972円。



どのメニューも創意工夫されています。これはコースもきっとおもしろいはず。


特筆すべきは、季節感をドリンクでも表していること。バーテンダーの高橋宏明さんは、全国バーテンダー技能競技大会の千葉県代表を務めたり、キリンディアジオ ワールドクラス世界大会にて日本トップバーテンダー15人に選出・受賞するなどの腕の持ち主。旬のフレッシュフルーツを使うカクテルはもちろん、いまの時期なら、アスパラを使ったジントニックや、キュウリを使ったフィズというように旬の野菜を使うカクテルまでも創りだします。

なかでもおすすめは「お茶」のカクテルです。八女や嬉野、知覧など九州の茶葉を、ゆっくりと時間をかけて抽出した自家製酒を使うため、とても芳醇。

「2018 八女 煎茶ジントニック」(864円)。冬から栄養をたっぷり吸収し、一番栄養がある一番茶(新茶)を一定時間ゆっくりジンに抽出。茶の甘みを感じる一杯です。品種は、旨味が豊かで渋みが穏やか、そして甘味が特徴の「さえみどり」を使用。



「玉露 × 日本酒」(972円)。日本酒と玉露を真空・低温調理で湯煎し、玉露の旨味がたっぷり出たところで、さらに48時間低温抽出した玉露日本酒。八女の玉露を使っています。



「ほうじ茶×レモングラス モヒート」(1,188円)は、焙じた茶の焙煎香とレモングラスの爽快な香りという対極の香りに、さらにミントの香りが重なり、見事に融合。茶とハーブの組み合わせはリラックス効果抜群で、夏にピッタリです。



檜とお酒を合わせたジャパニーズスタイルのカクテルも!自家製のジンジャーコーディアルと檜の相性がとても良い「檜モスコミュール」(864円)は、飲みごたえがある一杯。男性にも大人気だそう。



森山さんは『Shiki』を開くにあたって、旧知の友である高橋さんに声をかけたといいます。若手ともいえるお二人ですが、互いの腕を尊敬しあい、互いにアイデアを出しあい、切磋琢磨しながら他にない、唯一無二ともいえるスタイルの店を作り出しました。

森山さん(右)と高橋さん。飲食が元気な福岡で、次世代を担うかもしれない……そう思わせるお二人に大きな期待が膨らみます。




また、8月中旬を予定に、土日祝日限定で15時からオープンし、18時までお茶のカクテルと、ナチュールワインとチーズが楽しめる空間となります。さらにお茶のカクテルを充実させ、コース料理に合わせてペアリングドリンクの提案もしていくそうです。勢いとその実力に、ぜひご注目あれ!

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

路地裏のShiki

住所 福岡市中央区警固1丁目4−7  クイーンズサンティ天神ウエスト1F
TEL 092-775-6221
営業時間 18:00〜OS翌2:00(7月からは14:00~)
定休日 不定
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